「Twitter」や「Instagram」にクレジットカードや身分証明書を投稿する危険性について
インターネット上で暗躍するサイバー犯罪者や悪意あるユーザたちは、昨今、もはや情報収集型不正プログラムを利用してユーザから情報を収集する必要がないかもしれません。ユーザがマイクロブログサイト「Twitter」や写真共有サイト「Instagram」上に自ら自身の身分証明書やクレジットカードの写真を投稿することは、すでにサイバー犯罪者たちの活動に一役買っているのです。
インターネット上で暗躍するサイバー犯罪者や悪意あるユーザたちは、昨今、もはや情報収集型不正プログラムを利用してユーザから情報を収集する必要がないかもしれません。ユーザがマイクロブログサイト「Twitter」や写真共有サイト「Instagram」上に自ら自身の身分証明書やクレジットカードの写真を投稿することは、すでにサイバー犯罪者たちの活動に一役買っているのです。
トレンドマイクロは、若者や大人たちでさえも、Twitter 上に自分のクレジットカードやデビットカードの写真を投稿しているのを確認してきました。しかし最近では、Instagram 上でもこのような画像が大量に確認されています。自身の運転免許証を隠すことなく投稿するユーザもたびたび確認されており、こうしたユーザは、無意識に自身の氏名や住所といった個人情報を公開しているのです。
ただ Instagram や Twitter 上で単に検索を行うだけで、簡単にこれらの書類を複数見つけることができます。また、上述のプラットフォームにカードを投稿したユーザを特定する「NeedADebitCard」と呼ばれる一覧表や Twitter アカウントも存在します。
残念ながらこうした傾向は、Twitter や Instagram のようなサイトのみに限られたことではありません。「Google 画像検索」を用いることで、インターネット上でこれらの写真を大量に見つけることもできます。
トレンドマイクロは、このような個人情報を不用意に投稿する不注意なユーザの数に驚いており、また懸念しています。トレンドマイクロが確認した運転免許証またはデビットカード、クレジットカードのほとんどは、16から18歳を中心とする10代の所有物であり、まだ若く、自身の行動の影響をよく理解していないと考えられます。またこの問題は、世界中で大きな問題になっているようで、アメリカの10代が運転免許証の写真を投稿したり、アジアの人々がパスポートや身分証明書アップロードしています。
個人情報の漏えいは、長期にわたってセキュリティの懸念事項となっており、このような写真を投稿する傾向は、その状況をさらに悪化させるだけです。つまり、サイバー犯罪者は、Instagram や Twitter で単に検索するだけで、大量の個人情報を得ることができ、これらの情報は商品の購入、決済の開始、自身の証拠の隠ぺいなどに利用されます。この他に考えられる危険性は、これらの情報を投稿するということは、インターネット上のストーカー、性犯罪者および他のサイバー犯罪者にも公開してしまっているということです。
また、これらの投稿は、特定のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のみに限ったことではありません。なぜなら同じ内容を複数の場所に投稿する「クロスポスト機能」により、Instagram 上に自身の写真をアップロードしたユーザは、自身の「Facebook」、「Twitter」、「Flickr」や「Tumblr」といったSNSのアカウントにも同様の情報を共有しています。
ではなぜ、これら若いインターネットユーザは、このように画像を投稿するのでしょう。おそらく、名声や社会的地位を見せびらかすためだったり、仲間の間で「すごい」と思われたいのだと考えられます。どのような理由であれ、インターネット上に個人情報を公開し過ぎる傾向は、ユーザを犯罪者や悪意あるユーザたちからの危険にさらすことになります。すべてのユーザは、自身がオンラインで共有するものに注意することが重要です。ユーザは、「かっこいい」、「酔っぱらった勢い」、「おしゃれ」または「流行だから」という考えでこれらの情報を表示するかもしれませんが、結局、本当に「かっこいい」のは、オンラインで公開するものをしっかりと見極めているということです。
また、どのように10代の若者と対話し、彼らにこのような情報共有を取り巻く危険性を理解してもらうかについては、Internet Safety for Kids & Families「Tis the Season to Share, But With A Cell Phone, Share Wisely」でご確認ください。
参考記事:
- 「The Dangers of Posting Credit Cards, IDs on Instagram and Twitter」
by Loucif Kharouni (Senior Threat Researcher)
翻訳:栗尾 真也(Core Technology Marketing, TrendLabs)