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2018/04/16

自動運転の安全な実現に向けた世界の動向

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2018年3月に米国アリゾナ州で起きた配車サービス「Uber」の自動運転走行試験中の死亡事故により、公道での自動運転走行試験における課題が改めて浮き彫りとなりました。こうした中、中国北京の交通局は、2018年3月22日(現地時間)、国内最大の検索エンジンなどを提供する「百度(Baidu)」による公道での自動運転車の実証試験を承認しました。

同社は、自動運転試験用臨時ナンバープレートとして、承認時点において発行されたナンバープレートとして最高レベルのT3レベルのプレート5枚を取得しました。T3レベルの自動運転車は、道路交通法の理解や順守、適切な自動運転の実行、および緊急事態の対応など総合的な性能を備えている必要があります。この許可による実証試験は、北京市中心部の外周を通る環状道路「北京五環路」の外側の全長105キロメートルの33の道路のみで可能です。

自動運転試験車両は、公道走行に必要な免許を取得するために、閉鎖された試験場で5,000km以上の走行訓練を実施し、さまざまな性能評価試験を通過しなければなりません。また、試験車両を運転するドライバーは、50時間以上の自動走行運転の訓練を受ける必要があります。

Baiduは、中国国内における自動運転技術を先導しています。2017年4月、「Apollo(アポロ)」と名付けられた自動運転向けプラットフォームを公開し、同社の各パートナーが自動運転システムの開発を支援しています。今回、同社がT3レベルのナンバープレート取得したことで、実証試験から得られる「現実」のデータをもとにApolloの技術が改良されることが期待されています。

同社は、また、中国国内における自動運転車走行を2019年までに実現することを掲げています。自動運転走行実現に向けた競争は既に始まっており、Apolloはその一つに過ぎません。Googleの親会社「Alphabet Inc.(アルファベット)」の米自動運転車開発企業である「Waymo(ウェイモ)」は、2009年以来自動運転技術に向けて開発を続けており、2017年10月、無人の自動運転走行を実施しています。

米国 カリフォルニア州では、2018年2月にドライバーが乗車しない自動運転車の走行試験を承認しました。3月2日より公道における走行試験の申請を受け付けており、4月2日より申請の承認が可能な状態となっています。さらに、同州の「公益事業委員会(California Public Utilities Commission, CPUC)」は、4月6日(米国時間)、ドライバーが乗車しない自動運転車による旅客輸送を可能にする規則の承認手続きを開始しています。

自動運転およびコネクテッドカー関連技術の安全に必要な対策とは

自動運転およびコネクテッドカーに関する安全性やセキュリティ問題への監視が強化される一方で、各企業は自動運転およびコネクテッドカーの開発に継続して力を入れており、行政も対応を進めています。しかしながら、設計段階からセキュリティの実装を適切に考慮しなければ、ユーザの安全に関わる深刻な問題を引き起こす恐れがあります。

コネクテッドカーに関するリスクについては、以前から議論されており、法整備もなされてきました。

中国では、工業情報化部国家標準化管理委員会が、「国家ICV産業標準体系建設指南」政策において、情報セキュリティの国内規格化を進めています。2020年までに、5Gサポートのコネクテッドカー産業における標準の制定を完了し、情報セキュリティおよびデータセキュリティなどの標準をさらに整備する方針を掲げています。

米国では、2015年10月、車体に搭載されたソフトウエアの更新がセキュリティリサーチや修理などの目的であれば著作権法の適用外となることが承認され、この項目が「デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act、DMCA)」に追加されました。これによりセキュリティリサーチャは、自動運転車に存在し得る不具合や脆弱性などについて調査し、車体のセキュリティおよび安全向上について研究することができます。コネクテッドカーの開発に携わる各企業は、こうしたリサーチ結果を活用し、車体の性能を適切に評価する特定の部門あるいはチームを立ち上げることで、セキュリティを向上することが可能となります。

世界レベルのセキュリティ基準の明確化という意味では、2018年3月、スイスジュネーブで開催された国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の第174回会合において、自動で車線変更を行う自動ハンドル操作に関する国際基準が新たに成立しました。本基準の策定にあたっては、日本はドイツとともに議論を主導してきました。基準は、今年10月頃に発効する見込みであり、日本も関係法令を改正し採用予定といわれています。

また国内においても、同3月に経済産業省・国土交通省による「自動走行ビジネス検討会」が、「自動走行の実現に向けた取組方針Version2.0」と題した報告書を公開しました。報告内では、「自動走行システムにおけるサイバーセキュリティ対策」も参考資料として公開されています。

「自動走行システムにおけるサイバーセキュリティ対策」では、サイバーセキュリティ分野に特化した、体制や海外事例、取組状況等が紹介されており、自動走行ビジネス検討会、自動運転基準化研究所、JASPAR、日本自動車工業会(自工会)らが連携し、前述のWP29や国際標準(ISO/SAE)も視野に入れたルール戦略やガイドラインの策定、インシデント対応に関する情報共有体制の構築等を進める方針が打ち出されています。

トレンドマイクロでは、コネクテッドカーとクラウド間で安全に情報のやり取りを行うことができるように、インターネットの接続口となるエンターテイメントやテレマティック機能を搭載したヘッドユニットに対しセキュリティソリューション「Trend Micro IoT Security」を提供しています。

クラウド連携型セキュリティソリューションTrend Micro IoT Securityのイメージ

自動運転実現に不可欠であるインターネットを通じた情報のやり取りを、運転者が意識することなく行えることで、安心して様々なサービス提供を受けることができる世界を目指します。

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