解析者: Wilbert Vidal   

 別名:

Net-Worm.Win32.Kido.ih (Kaspersky); W32.Downadup.B (Norton); Worm:Win32/Conficker.B (Microsoft); Worm.Generic.70821 (Bitdefender); W32/Conficker.B!worm (Fortinet)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 フラッシュドライブを介した感染活動, 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、レジストリ値を変更し、複数のシステムサービスを無効にします。これにより、システムに必要な機能が起動しません。 ワームは、セキュリティ対策プログラムに関連するレジストリ値を削除します。これにより、ワームは、感染コンピュータにインストールされているセキュリティ製品に検出されることなく、自身の不正活動を実行することが可能になります。

ワームは、ネットワークドライブ内に自身のコピーを作成します。 ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

  詳細

ファイルサイズ 167,050 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2011年2月5日
ペイロード ファイルの作成, システムのレジストリの変更, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{random file name}.dll
  • %Program Files%\Internet Explorer\{random file name}.dll
  • %Program Files%\Movie Maker\{random file name}.dll
  • %Application Data%\{random file name}.dll
  • %User Temp%\{random file name}.dll

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

ワームは、以下のフォルダの属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を避けます。

  • {removable/remote drive letter}:\RECYCLER\{SID}

自動実行方法

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
DisplayName = "{random}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
Type = 32

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
Start = 2

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
ErrorControl = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
ImagePath = "%System Root%\system32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
ObjectName = "Local System"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}
Description = "{long sentences}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random characters}\Parameters
ServiceDll = "%System%\{random malware name}.dll" or %Program Files%\Internet Explorer\{random file name}.dll or %Program Files%\Movie Maker\{random file name}.dll or %Application Data%\{random file name}.dll or %User Temp%\{random file name}.dll

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random characters} = rundll32.exe "%System%\{random malware name}.dll",hxyvra

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Applets
(Default) = "0"

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Tcpip\Parameters
TcpNumConnections = "0x00FFFFFE" or "0xA"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{System Default}」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
SuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
netsvcs = "{original value}, {random service name created by the malware}"

ワームは、レジストリ値を変更し、以下のシステムサービスを無効化します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = "4"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WinDefend
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\ERSvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WerSvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\BITS
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
CheckedValue = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

ワームは、ウイルス対策およびセキュリティ製品に関連した以下のレジストリ値を削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Defender = "{value}"

ワームは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\explorer\
ShellServiceObjects\{FD6905CE-952F-41F1-9A6F-135D9C6622CC}

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\RECYCLER\{SID}\jwgkvsq.vmx

ワームは、ネットワークドライブ内に自身のコピーを作成します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://www.whatsmyipaddress.com
  • http://www.whatismyip.org
  • http://www.getmyip.org
  • http://checkip.dyndns.org

ワームは、以下のタイムサーバにアクセスし、現在の日付を確認します。

  • http://www.w3.org
  • http://www.ask.com
  • http://www.yahoo.com
  • http://www.google.com
  • http://www.baidu.com

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.814.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年11月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.815.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年12月1日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • {random characters}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets
    • (Default) = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random characters} = rundll32.exe "%System%\{random malware name}.dll",hxyvra

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    • From: TcpNumConnections = "0x00FFFFFE" or "0xA"
      To: TcpNumConnections = {System Default}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "2"
      To: Hidden = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: SuperHidden = "0"
      To: SuperHidden = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\explorer\Advanced\Folder\Hidden\SHOWALL
    • From: CheckedValue = "0"
      To: CheckedValue = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
    • From: netsvcs = "{original value}, {random service name created by the malware}"
      To: netsvcs = "{original value}"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WinDefend
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ERSvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WerSvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\BITS
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {removable drive letter}:\RECYCLER

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {removable drive letter}:\autorun.inf
  • %System%\{random file name}.dll
  • %Program Files%\Internet Explorer\{random file name}.dll
  • %Program Files%\Movie Maker\{random file name}.dll
  • %Application Data%\{random file name}.dll
  • %User Temp%\{random file name}.dll

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_DOWNAD.PICJ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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