TSPY_ZBOT.AADN
Trojan.Zbot!gen43 (Norton)
Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

マルウェアタイプ:
スパイウェア
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。
スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。
スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を変更します。これにより、スパイウェアは、悪意のあるWebサイトへのアクセスが可能になり、感染コンピュータはさらなる脅威にさらされることとなります。
スパイウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。
スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。
- %Application Data%\{random folder name2}\{random file name2}.{random extension}
- %Application Data%\Microsoft\Address Book\{username}.wab
- %Application Data%\Microsoft\Address Book\{username}.wab~
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %User Temp%\file.exe
- %Application Data%\{random folder name1}\{random file name1}.exe
(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %Application Data%\Microsoft\Address Book
- %Application Data%\{random folder name1}
- %Application Data%\{random folder name2}
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%Application Data%\{random folder name1}\{random file name1}.exe"
他のシステム変更
スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}
スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkContactRefresh = "0"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkFolderRefresh = "0"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name
{Default} = "%Application Data%\Microsoft\Address Book\winxp.wab"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}
{random} = "{random values}"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
FirstRun = "1"
スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"
感染活動
スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
バックドア活動
スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。
Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更
スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。
ダウンロード活動
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。
- http://{BLOCKED}ols.no-ip.biz/ndukwe/on/gate.php
情報漏えい
スパイウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。
- Host name
- Task list
- Ip Configuration
スパイウェアは、以下のブラウザから、ユーザ名、パスワードやホスト名といった保存された情報を収集します。
- Chrome
- Firefox
- Internet Explorer
その他
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。
- www.google.com/webhp
スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
スパイウェアが収集する情報は、以下のとおりです。
- ホスト名
- タスクリスト
- IP設定
スパイウェアは、以下のレジストリをクエリし、インストールされたセキュリティ対策製品および他のセキュリティ関連ソフトを確認します。
- *ROOT\SECURITYCENTER
- *ROOT\SECURITYCENTER
以下のセキュリティ対策製品および他のセキュリティ関連ソフトが確認される場合、スパイウェアは、そのプログラムを終了します。
- avast!
- AVG
- Anti-Virus
- AntiVir
- Antivirus
- Client
- Desktop
- ESET
- Inspection
- Kaspersky
- Malware
- McAfee
- Microsoft
- Monitor
- Norton
- Protection
- SafenSoft
- Security
- Security Center
- SecurityCenter
- Service
- Symantec
- SysWatch
スパイウェアがダウンロードする環境設定ファイルには、スパイウェアが自身のコピーの更新版ファイルをダウンロードしてくるURLや収集した情報を送信するURLが含まれています。
また、この環境設定ファイルには、スパイウェアが情報収集をするために対象とする銀行や金融関連のWebサイトのURLも含まれています。
スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。
スパイウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.AADN」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
- WAB
- WAB
手順 5
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {random} = "%Application Data%\{random folder name1}\{random file name1}.exe"
- {random} = "%Application Data%\{random folder name1}\{random file name1}.exe"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
- %Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"
- %Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
- %Application Data%\Microsoft\Address Book
- %Application Data%\{random folder name1}
- %Application Data%\{random folder name2}
手順 7
Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.AADN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 9
インストールの過程で追加された以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することで追加されたレジストリキーを確認することが可能となります。なお、追加されたレジストリキーは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。
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