解析者: Michael Jay Villanueva   

 別名:

Trojan:Win32/Skeeyah.A!rfn (Microsoft); Trojan-Banker.Win32.Alreay.b (Kaspersky); TR/Bruter.45056.2 (Avira)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このスパイウェアは、2016年4月から5月にかけて発生した世界最大の銀行間通信ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」がハッキングされた事例に関連しており、SWIFTの金融通信メッセージを改ざんして、金銭の窃取を行なうマルウェアの重要なコンポーネントです。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、自身の環境設定ファイルを読み取ります。この環境設定ファイルには、リモートサーバに送信されるコマンドおよびデータが含まれています。

  詳細

ファイルサイズ 45,056 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年5月17日
ペイロード ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\sysman\svchost.exe

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\sysman\wmplog09c.sqm -> malware's configuration file

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\sysman

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • BaseNamedObjects\FwtSqmSession106839323_S-1-5-20

自動実行方法

スパイウェアは、以下のサービスを追加し、実行します。

  • Service Name: Indman
    Display Name: Indexing Manager
    Description: Provides fast indexing service
    Binary Pathname: %User Temp%\sysman\svchost.exe

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

バックドア活動

スパイウェアは、自身の環境設定ファイルを読み取ります。この環境設定ファイルには、リモートサーバに送信されるコマンドおよびデータが含まれています。

その他

スパイウェアは、以下のサービスを追加し、実行します。

  • サービス名: Indman
  • 表示名: Indexing Manager
  • 記述: 高速インデックス作成サービスの提供
  • バイナリパス名: %User Temp%\sysman\svchost.exe

スパイウェアの別のインスタンスが実行された場合、スパイウェアは、自身を削除する以下のファイルを作成して実行します。

  • %User Temp%\msvcrt.bat

スパイウェアがコマンド&コントロール(C&C)サーバと接続すると、以下のコマンドを実行することができます。

  • 自身の終了
  • 自身のサービスのアンインストール
  • 自身の環境設定ファイルの削除

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.532.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年5月17日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.533.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年5月18日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このマルウェアのサービスを無効にします。

[ 詳細 ]
  • Indman

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\sysman

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\sysman\svchost.exe
  • %User Temp%\sysman\wmplog09c.sqm

手順 7

TSPY_BRUTER.A として検出されたファイルを検索し削除します。

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

マルウェアのファイルの手動削除:

  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、上記で確認したファイル名を入力します。
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 8

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_BRUTER.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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