トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
POS(販売時点情報管理)を事前調査するマルウェアは、侵入したコンピュータがPOSシステムの一部であるか、またはPOSシステムであるかを確認します。「Angler Exploit Kit(Angler EK)」を利用した攻撃により、このPOSマルウェアは拡散されます。さらに、POSマルウェアは、Adobe Flash playerに存在する脆弱性「CVE-2015-0336」および「CVE-2015-3104」をシステムへの侵入経路として利用します。
侵入方法
スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- http://{BLOCKED}rrathenwil.eu/us
- http://audi.{BLOCKED}cedproject.xyz/pjDQO7VZSNg9dmQIFz70F0jcRLvDSyyWMKApHpIm1Y4kN_6I.py
ダウンロード活動
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。
- http://{C&C server}?user={encoded user and computer name}&id=13&ver=115&os={OS information}&os2={OS Version}&host={boolean}&k={random value}&type={depending on case}
スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。
- %User Temp%\{random}.exe
- %User Temp%\{random}.dll
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
"{C&C server}"には以下のいずれかがあてはまります。
- {BLOCKED}ipsmachoister.org
- {BLOCKED}arflonstexcb.org
- {BLOCKED}agshipeizehn.net
URIの最後の部分を見てください。パラメータ"type"は、以下のケースによります。
ケース1
type=0555 および type=0922
マルウェアがURLキャッシュの中で以下のURLを確認した場合:
- choiceadvantage.com
- uhauldealer.com
- secure-booker.com
- teletracker.com
- wupos.westernunion.com
- pay1.plugnpay.com
- secure.paymentech.com/iterminal/
または
マルウェアが以下のレジストリ情報の中に"Verifone"を確認した場合:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall
DisplayName
ケース2
type=0666 および type=0922
マルウェアがnet viewコマンドの出力に以下の文字列を確認した場合::
ケース3
type=0505
上述の条件に一致にしない場合
URIの"type"は、感染コンピュータにどのマルウェアがダウンロードされるかを決定します。
マルウェアは、以下の解析対策手法を利用します。
- マルウェアは、自身の画像内に".bss"というセクションが存在するかどうかを確認します。
- マルウェアは、以下のモジュールが自身のプロセスに読み込まれているかを確認します。
- dbghelp.dll
- api_log.dll
- dir_watch.dll
- pstorec.dll
- vmERROR.dll
- wpespy.dll
- PrxDrvPE.dll
- PrxDrvPE64.dll
- マルウェアは、以下のユーザ名のいずれかが感染コンピュータに使用されているユーザ名に一致するかを確認します。
- MALTEST
- TEQUILABOOMBOOM
- SANDBOX
- VIRUS
- MALWARE
- マルウェアは、"kernel32.dll"に以下の機能が含まれているかどうかを確認します。
- マルウェアは、以下の解析ツールのプロセスが実行されているかどうかを確認します。
- wireshark.exe
- dumpcap.exe
- Tcpview.exe
- OllyDbg.exe
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
起動中ブラウザのウインドウを全て閉じてください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
セーフモードでの起動:
• Windows 2000 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows XP の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Server 2003 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Vista、Windows 7 および Windows Server 2008 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「詳細ブート オプション」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows 8、8.1 および Server 2012の場合:
- 画面の右上隅へマウスポインタを移動し、[チャーム]バーを表示します。
- マウスで、[設定]-[PC設定の変更]を選択します。
- 左側のパネルで、[全般]を選択します。
- 右側のパネルで、[PCの起動をカスタマイズする]が表示されるまで下にスクロールし、[今すぐ再起動]をクリック。コンピュータが再起動するまで待ちます。
- [オプションの選択]メニューで、[トラブルシューティング]-[詳細オプション]-[スタートアップ設定]-[再起動]をクリックします。
- [スタートアップ設定]メニューで、[4]キーを押し、「4)セーフモードを有効にする」を選択します。
手順 5
以下のファイルを検索し削除します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
- %User Temp%\{random}.exe
- %User Temp%\{random}.dll
マルウェアのコンポーネントファイルの削除:
Windows 2000、XP および Server 2003 の場合: - [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
- [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
- %User Temp%\{random}.exe
- %User Temp%\{random}.dll
- [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
- 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合: - Windowsエクスプローラ画面を開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
- 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
- [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
- %User Temp%\{random}.exe
- %User Temp%\{random}.dll
- ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
手順 6
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_RECOLOAD.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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