Ransom.Win32.LOCKBIT.YADLVT
Gen:Variant.Ransom.BlackMatter.61 (BITDEFENDER)
Windows

マルウェアタイプ:
身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %ProgramData%\670IGylFT.ico → icon used for all encrypted files.
- %ProgramData%\670IGylFT.bmp → image used as Desktop wallpaper.
(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- Global\{Generated Hash}
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.670IGylFT
{Default} = 670IGylFT
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
670IGylFT\DefaultIcon
{Default} = %ProgramData%\670IGylFT.ico
マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallPaper = %ProgramData%\670IGylFT.bmp
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = 10
マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。
- %ProgramData%\670IGylFT.bmp:
プロセスの終了
マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。
- agntsvc
- calc
- dbeng50
- dbsnmp
- encsvc
- excel
- firefox
- infopath
- isqlplussvc
- msaccess
- mspub
- mydesktopqos
- mydesktopservice
- notepad
- ocautoupds
- ocomm
- ocssd
- onedrive
- onenote
- oracle
- outlook
- powerpnt
- sqbcoreservice
- sql
- steam
- synctime
- tbirdconfig
- thebat
- thunderbird
- visio
- winword
- wordpad
- wuauclt
- xfssvccon
その他
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
.670IGylFT
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
670IGylFT\DefaultIcon
マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。
- {Malware Path}\PP.bat → detected as Ransom.BAT.LOCKBIT.A
マルウェアは、以下を実行します。
- It changes the encrypted file's icon to the following image:
- It encrypts fixed, removable and network shares.
- It uses WQL to delete volume shadow copies.
- It terminates if the machine has the following system language:
- Arabic (Syria)
- Armenian (Armenia)
- Azerbaijani (Cyrillic Azerbaijan)
- Azerbaijani (Latin Azerbaijan)
- Belarusian (Belarus)
- Georgian (Georgia)
- Kazakh (Kazakhstan)
- Kyrgyz (Kyrgyzstan)
- Russian (Moldova)
- Russian (Russia)
- Tajik (Cyrillic Tajikistan)
- Tatar (Russia)
- Romanian (Moldova)
- Turkmen (Turkmenistan)
- Ukranian (Ukraine)
- Uzbek (Cyrillic Uzbekistan)
- Uzbek (Latin Uzbekistan)
- It deletes the following services if found running on the affected system:
- EventLog
- SecurityHealthService
- Sense
- sppsvc
- vmicvss
- vmvss
- VSS
- WdBoot
- WdFilter
- WdNisDrv
- WdNisSvc
- WinDefend
- wscsvc
- It contains the following export functions which can be loaded using command line arguments:
- del → function responsible for deleting itself.
- gdel → function responsible for deleting group policy.
- gmod → function responsible for updating group policy.
- wdll → function responsible for installing the icon and changing the Desktop wallpaper.
- gdll → function responsible for encrypting the infected system.
- sdll → function responsible for restarting the system in safe mode.
- pmod
マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
- -pass {32 Random Hex Values / Hash} → used as a key to properly execute its intended routine.
ランサムウェアの不正活動
マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。
- autorun.inf
- boot.ini
- bootfont.bin
- bootsect.bak
- d3d9caps.dat
- desktop.ini
- GDIPFONTCACHEV1.DAT
- iconcache.db
- ntldr
- ntuser.dat
- ntuser.dat.log
- ntuser.ini
- thumbs.db
- 670IGylFT.README.txt
マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。
- $recycle.bin
- $windows.~bt
- $windows.~ws
- all users
- boot
- config.msi
- default
- intel
- microsoft
- msocache
- perflogs
- program files
- program files (x86)
- programdata
- public
- system volume information
- tor browser
- windows
- windows.old
- x64dbg
マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。
- .670IGylFT
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。
- {Encrypted Directory}\670IGylFT.README.txt
- %Desktop%\670IGylFT.README.txt
以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:
- .386
- .adv
- .ani
- .bat
- .bin
- .cab
- .cmd
- .com
- .cpl
- .cur
- .deskthemepack
- .diagcab
- .diagcfg
- .diagpkg
- .dll
- .drv
- .exe
- .hlp
- .hta
- .icl
- .icns
- .ico
- .ics
- .idx
- .key
- .ldf
- .lnk
- .lock
- .mod
- .mpa
- .msc
- .msi
- .msp
- .msstyles
- .msu
- .nls
- .nomedia
- .ocx
- .pdb
- .prf
- .ps1
- .rom
- .rtp
- .scr
- .search-ms
- .shs
- .spl
- .sys
- .theme
- .themepack
- .wpx
- .670IGylFT
<補足>
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %ProgramData%\670IGylFT.ico → すべての暗号化されたファイルに使用されるアイコン
- %ProgramData%\670IGylFT.bmp → デスクトップの壁紙として使用される画像
その他
マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。
- {マルウェアパス}\PP.bat → 「Ransom.BAT.LOCKBIT.A」として検出される
マルウェアは、以下を実行します。
- 暗号化されたファイルのアイコンを以下の画像に変更します。
- 固定ドライブ、リムーバブルドライブ、ネットワーク上の共有ドライブを暗号化します。
- WMIクエリ言語(WQL)を用いてシャドウコピーを削除します。
- 感染コンピュータ内に以下のシステム言語が存在する場合は強制終了します。
- アラビア語(シリア)
- アルメニア語(アルメニア)
- アゼルバイジャン語(キリル文字表記)
- アゼルバイジャン語(ラテン文字表記)
- ベラルーシ語(ベラルーシ)
- グルジア語(ジョージア)
- カザフ語(カザフスタン)
- キルギス語(キルギスタン)
- ロシア語(モルドバ)
- ロシア語(ロシア)
- タジク語(キリル文字表記、タジキスタン)
- タタール語(ロシア)
- ルーマニア語(モルドバ)
- トルクメン語(トルクメニスタン)
- ウクライナ語(ウクライナ)
- ウズベク語(キリル文字表記、ウズベキスタン)
- ウズベク語(ラテン文字表記、ウズベキスタン)
- 影響を受けるコンピュータ上で以下のサービスが実行されている場合は、削除します。
- EventLog
- SecurityHealthService
- Sense
- sppsvc
- vmicvss
- vmvss
- VSS
- WdBoot
- WdFilter
- WdNisDrv
- WdNisSvc
- WinDefend
- wscsvc
- コマンドライン引数を使用して読み込むことができる以下のエクスポート関数を含んでいます。
- del → 自身を削除するための関数
- gdel → グループポリシーを削除するための関数
- gmod → グループポリシーを更新するための関数。
- wdll → アイコンのインストールおよびデスクトップの壁紙を変更するための関数。
- gdll → 感染コンピュータのデータを暗号化するための関数
- sdll → 感染コンピュータをセーフモードで再起動するための関数
- pmod
マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
- -pass {ランダムな32文字の16進値 / ハッシュ} → 自身の不正活動を適切に実行するための鍵として使用される
対応方法
手順 1
トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。
- Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF076
手順 2
Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 4
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
- WallPaper = %ProgramData%\670IGylFT.bmp
- WallPaper = %ProgramData%\670IGylFT.bmp
- In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
- WallpaperStyle = 10
- WallpaperStyle = 10
手順 5
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.670IGylFT
- {Default} = 670IGylFT
- {Default} = 670IGylFT
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\670IGylFT\DefaultIcon
- {Default} = %ProgramData%\670IGylFT.ico
- {Default} = %ProgramData%\670IGylFT.ico
手順 6
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
- .670IGylFT
- .670IGylFT
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\670IGylFT
- DefaultIcon
- DefaultIcon
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
- 670IGylFT
- 670IGylFT
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %ProgramData%\670IGylFT.ico
- %ProgramData%\670IGylFT.bmp
- {Malware Path}\PP.bat
- {Encrypted Directory}\670IGylFT.README.txt
- %Desktop%\670IGylFT.README.txt
手順 8
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.LOCKBIT.YADLVT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 9
暗号化されたファイルをバックアップから復元します。
手順 10
デスクトッププロパティを修正します。
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