解析者: Jemimah Mae Molina   

 別名:

Trojan.Carberp.B (NORTON)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

「Carbanak」は、サイバー犯罪者集団「FIN7」が銀行や金融機関を対象に標的型サイバー攻撃を実行するために利用したバックドア型マルウェアです。このマルウェアのソースコードが、2017年、オンラインスキャンサービス「VirusTotal」上に漏えいしていることがセキュリティ企業「FireEye」のリサーチャによって確認され、その後、2019年4月に解析結果が公開されました。トレンドマイクロでは、「Carbanak」のうちの一つを「Backdoor.Win64.CARBANAK.A」として検出します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ポートを開き、不正リモートユーザからのコマンドを待機します。 マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、自身の環境設定ファイルを読み取ります。この環境設定ファイルには、リモートサーバに送信されるコマンドおよびデータが含まれています。

マルウェアは、特定の脆弱性を利用した感染活動を実行します。

  詳細

ファイルサイズ 155,136 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2019年4月23日
ペイロード ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Startup%\{random characters}.exe

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • {random characters}

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • services.exe - if AVG Product is installed
  • iexplore.exe - if Trend Micro Product is installed
  • mstsc.exe - if Trend Micro Product is installed and iexplore.exe is not found
  • svchost.exe

バックドア活動

マルウェアは、以下のポートを開き、不正リモートユーザからのコマンドを待機します。

  • 443

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Execute commands specified in the configuration file
  • Set the loaded state of the bot
  • Run Ammyy plugin
  • Update bot
  • Use specified proxy settings
  • Create or deletes a user with rights for RDP
  • Delete specified service or file
  • Download and executes a file in memory
  • Take a screenshot and sends it to the C&C server
  • Run VNC plugin
  • Uninstall bot
  • List all running processes
  • Initiate a reverse shell to the server

マルウェアは、自身の環境設定ファイルを読み取ります。この環境設定ファイルには、リモートサーバに送信されるコマンドおよびデータが含まれています。

その他

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %All User Profile%\Application Data\Mozilla\{random characters}.bin

マルウェアは、以下の脆弱性を利用して感染活動を実行します。

マルウェアは、以下を実行します。

  • マルウェアは、コマンドの送受信に名前付きパイプを使用します。
  • マルウェアは、以下の脆弱性により、権限昇格が可能です。
  • マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
    • -sd : システム権限による自身の起動
    • -ij : explorerに注入するために起動
    • -u : 自身を更新

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • services.exe - AVG製品がインストールされている場合
  • iexplore.exe - トレンドマイクロ製品がインストールされている場合
  • mstsc.exe - トレンドマイクロ製品がインストールされていて、「iexplore.exe」が見つからない場合
  • svchost.exe

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • 環境設定ファイル内に指定されたコマンドの実行
  • ボットの読み込み状態の設定
  • Run Ammyyのプラグインの実行
  • ボットのアップデート
  • 特定のプロキシ設定の使用
  • RDPの権限を持つユーザを作成または削除
  • 特定のサービスまたはファイルの削除
  • メモリ内のファイルのダウンロードおよび実行
  • スクリーンショットを取得しC&Cサーバへ送信
  • VNCプラグインの実行
  • ボットのアンインストール
  • 実行中のすべてのプロセスの一覧表示
  • サーバへのリバースシェルの起動

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.956.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年4月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.957.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年4月24日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %All User Profile%\Application Data\Mozilla\{random characters}.bin
  • %User Startup%\{random characters}.exe

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Backdoor.Win64.CARBANAK.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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