解析者: Kyra-Melody Gonzales   

 別名:

Ransom:Win64/LockBit.MZZ!MTB (MICROSOFT), Trojan-Ransom.LockBit (IKARUS), Ransom.LockBit (NAI)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

身代金要求文書のファイルを作成します。

  詳細

ファイルサイズ 710,560 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2025年9月17日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

その他

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • 92.{BLOCKED}:80

マルウェアは、以下を実行します。

  • It terminates itself if the affected machine's language settings or geolocation is Russia.
  • It clears all event logs using the EvtClearLog API after encryption completion.
  • It patches the EtwEventWrite API by overwriting it with a 0xC3 (return) instruction, disabling Windows Event Tracing capabilities.
  • It checks all the services running in the system by hashing the service name and comparing it with its hardcoded list. Service names that match are then terminated.
  • It launches %System%\Defrag.exe in a suspended state. Then, it uses process hollowing to inject the decrypted ransomware payload.

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • Basic Options
    • -h → Show help
    • -d {dirs} → Semicolon-separated list of directories to encrypt
    • -b {dirs} → Semicolon-separated list of directories to bypass
  • Operation Modes
    • -i → Invisible mode (don't change extensions, no notes, don't change modification date)
    • -p → Run in verbose visible mode with status bar in console (not available when using -i)
    • -v → Run in visible mode with debug output
  • Notes Settings
    • -n <0/1/2> → Notes storage mode: 0: None, 1: Everywhere, 2: C:\ only. This option is ignored when using -i (invisible mode)
  • Encryption Settings
    • -m {mode} → Encryption mode (all/local/net)
    • -f → Fast encryption mode
    • -w → Enable wipe free space after encryption
  • Filtering
    • -k → Don't delete .exe files
    • -nomutex → Allow multiple instances
    • -t {seconds} → Set timeout before starting encryption

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .{random 16 characters}

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Drive Letter}:\ReadMeForDecrypt.txt
  • {Directory with Encrypted Files}\ReadMeForDecrypt.txt
  • %Desktop%\ReadMeForDecrypt.txt

<補足>
その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • 影響を受けるコンピュータのシステム言語設定または地理的位置情報がロシアの場合、マルウェアは自動的に自身の不正活動を終了します。
  • 暗号化が完了すると、EvtClearLog API を用いてすべてのイベントログを削除します。
  • EvtClearLog APIを0xC3(return)命令で上書きしてパッチを適用し、Windowsのイベント追跡機能を無効にします。
  • 感染コンピュータ内で実行中のすべてのサービスを確認した後、サービス名をハッシュ化し、ハードコードされたリストと照合します。一致した場合、同サービスは強制終了されます。
  • %System%\Defrag.exeをサスペンド(一時停止)状態で起動し、復号されたランサムウェアのペイロードをプロセス・ホローイングを用いて注入します。

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • Basic Options(基本オプション)
    • -h → ヘルプメニューを表示させる
    • -d {ディレクトリ} → リストに指定されたディレクトリを暗号化させる(当リストは、セミコロンで区切る必要がある)
    • -b {ディレクトリ} → リストに指定されたディレクトリの暗号化を回避させる(当リストは、セミコロンで区切る必要がある)
  • Operation Modes(動作モード)
    • -i → 非表示モード(Invisible mode)(暗号化されたファイルの拡張子を変更させない、ランサムノートを作成させない、更新日時を変更させない)
    • -p → コンソール内にステータスバーを表示して詳細表示モードで実行させる(パラメータ「-i」を用いている場合は、使用不可)
    • -v → デバック出力を用いた表示モードで実行させる
  • Notes Settings(ランサムノート設定)
    • -n <0/1/2> → Notes storage mode: 0: None, 1: Everywhere, 2: C:\ only. This option is ignored when using -i (invisible mode) ランサムノートに関わるストレージモード: 0: ランサムノートを作成させない。 1: ランサムノートを感染環境内に作成させる。 2: Cドライブ内にのみランサムノートを作成させる。(パラメータ「-i」(非表示モード)を用いている場合、当設定内容は無視される)
  • Encryption Settings(暗号化設定)
    • -m {モード} → 暗号化モード (all/local/net)
    • -f → 高速暗号化モード
    • -w → 暗号化後に空き領域の消去(ワイプ)を有効化する
  • Filtering(フィルタリング設定)
    • -k → 実行ファイル(.exe)を削除させない
    • -nomutex → 複数のインスタンスを許可する
    • -t {待機させる秒数} → 指定した秒数待機させた後、暗号化を開始させる

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 20.476.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2025年9月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 20.477.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2025年9月24日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • {Drive Letter}:\ReadMeForDecrypt.txt
  • {Directory with Encrypted Files}\ReadMeForDecrypt.txt
  • %Desktop%\ReadMeForDecrypt.txt

手順 4

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win64.LOCKBIT.YXFIOZ」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 5

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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