解析者: Anthony Joe Melgarejo   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

これは、「Tinba」の最新の亜種で、ヨーロッパの特定の国を攻撃した際に検出されました。「Tinba」は、ファイルサイズが小さいことから、最も小さいオンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)と呼ばれています。

スパイウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 117,248 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年6月26日
ペイロード 情報収集

侵入方法

スパイウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\Fobber\nemre.exe

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • verclsid.exe
  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Fobber = "%Application Data%\Fobber\nemre.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
TabProcGrowth = "1"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\3
1609 = "0"

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Login Credentials to certain sites (please see below)

スパイウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • Hard Disk Serial Number
  • OS Installation Date

情報の送信先

収集された情報は、以下のWebサイトにアップロードされます。

  • http://{pseudo-random domain}.net/iUx

注意:

スパイウェアは、Firefox上のプロファイルフォルダ"%Application Data%\ Mozilla \ Firefox \ Profiles \ {プロファイルフォルダ}"に"user.js"を作成することにより、Mozilla FirefoxのSPDYプロトコルを無効化しようと試みます。しかし、上記のファイルは切り捨てられます。そのため、マルウェアはプロトコルを無効化しようとする試みは失敗しました。

コマンド&コントロール(C&C)に接続するためのいくつかの疑似乱数のドメインを生成します。

スパイウェアは、C&Cサーバから以下のペイロードを受け取ります。

  • プロセスへの挿入のためのシェルコードの更新
  • C&Cサーバの更新

スパイウェアは、以下のWebブラウザのプロセスにコードを挿入します。

  • iexplore.exe
  • firefox.exe
  • chrome.exe

スパイウェアは、以下のWebサイトから(中間者攻撃を介して)ログイン認証情報を窃取するために、コードを挿入したWebブラウザ上の特定の機能をフックします。

  • Microsoft
  • Google
  • Facebook
  • GMX
  • Live Messenger
  • Twitter

<補足>
情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • 特定のサイトへのログイン認証情報 (以下をご参照ください)

スパイウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • ハードディスクのシリアル番号
  • オペレーティングシステム(OS)のインストール日

情報の送信先

収集された情報は、以下のWebサイトにアップロードされます。

  • http://{疑似乱数のドメイン}.net/iUx

  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.754.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年6月26日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.755.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年6月27日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Fobber = "%Application Data%\Fobber\nemre.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • TabProcGrowth = "1"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\Mozilla\Firefox\Profiles\{Profile folder}\user.js

手順 6

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_TINBA.WRSA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください