解析者: Janus Agcaoili   

 別名:

Spyware.PasswordStealer (Malwarebytes), TrojanDropper.Win32/Rovnix.P (Microsoft), Trojan-Dropper.Win32.Injector.nknu (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このマルウェアは、およそ3,000の日本国内の正規サイト上で表示された「malvertisement(不正広告)」攻撃のペイロードです。この攻撃は、 Internet Explorer および Adobe Flash Player の脆弱性をついたエクスプロイトキット「Angler Exploit Kit(Angler EK)」を利用します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 495,616 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年9月24日
ペイロード 情報収集, ファイルのダウンロード

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • "%Application Data%\BackUp{Volume ID}.exe"

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • "%User Temp%\NTFS.sys"
  • "%User Temp%\tmp{3 Random Numbers}.tmp.exe"
  • "%System%\BOOT.dat"

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • "Global\INSNTFS{Volume ID}"
  • "Global\UACNTFS{Volume ID}"
  • "Global\BDNTFS{Volume ID}"

自動実行方法

スパイウェアは、以下のサービスを追加し、実行します。

  • %User Temp%\NTFS.sys
    Service Name: "BS{Volume ID}"

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
BackUp{Volume ID} = "%Application Data%\BackUp2326257383.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Sysinternals\
C
EulaAccepted = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Installer\Products\B2326257383
LP = "%User temp%\L2326257383"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Sysinternals\C
EulaAccepted = 1

スパイウェアは、以下のレジストリキーを変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
RSA{Volume ID} = "%System%\rundll32.exe "%Application Data%\Microsoft\Crypto\RSA\RSA{Volume ID}.dll",DllInitialize

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Disk Defragmenter = "%System%\rundll32.exe "%Application Data%\defragsvc.dll",DllInitialize"

プロセスの終了

スパイウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • iexplore.exe

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}ebabanahujtr.org/53648768.zip

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • "%Application Data%\Microsoft\Crypto\RSA\RSA{Volume ID}.dll"
  • "%Application Data%\defragsvc.dll"

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

トレンドマイクロの製品では、ダウンロードしたファイルを以下として検出します。

  • TROJ_ROVNIX.YPOD

スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Information on the Volume Protection/Encryption:
    • Bitlocker
    • TrueCrypt
    • VeraCrypt
  • Windows Version
  • SID Sub Authority and its Count
  • User Account and SIDs
  • NTFS Information
  • Native System Information
  • Product Information
  • OS Architecture (x86/x64)
  • Volume Information
  • List of Running Process
  • File Version Info of Processes Listed
  • File Description of Processes Listed
  • Company Name of Processes Listed
  • Product Version of Processes Listed
  • Product Name of Processes Listed
  • File Time of "%System%\win32k.sys"
  • Information on AV Related Process Running with the following Strings
    • "agnitum"
    • "alwilsoftware"
    • "pctools"
    • "grisoft"
    • "aviragmbh"
    • "aviraproduct"
    • "avirafreeantivirus"
    • "bitdefender"
    • "avginternetsecurity"
    • "comodo"
    • "doctorweb"
    • "eset,spol"
    • "esetsmart"
    • "frisksoftware"
    • "kaspersky"
    • "pandasoftware"
    • "symanteccorporation"
    • "checkpointsoftware"
    • "microsoftsecurity"
    • "microsoftmalware"
    • "mcafee"
    • "bullguard"
    • "novashieldinc"
    • "cjscreturnilsoftware"
    • "sophosplc"
    • "quickhealtechnologies"
    • "gdatasoftware"
    • "beijingrising"
    • "immunetcorporation"
    • "k7computing"
    • "sunbeltsoftware"
    • "beijingjiangmin"
    • "usbdisksecurity"
    • "deepfreeze"
    • "virus"
    • "malware"
    • "rootkit"
    • "rapport"
  • Logs of its successful routines
  • PID of process running the malware (Child and/or Parent)
  • Current Directory of the Malware

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

情報収集

スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • "%User Temp%\L(Volume ID)"
  • "%User Temp%\tmp{4 alphanumeric characters}.tmp"

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}ebabanahujtr.org/cgi-bin/150915/post.cgi

その他

スパイウェアは、以下のプロセスの存在を確認します。

  • explorer.exe

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアは、以下のいずれかのユーザ名が感染コンピュータで確認される場合、自身を終了します。

  • luser
  • perl
  • python
  • trace
  • dump

スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • ボリュームの保護または暗号化の情報
    • Bitlocker
    • TrueCrypt
    • VeraCrypt
  • Windowsのバージョン情報
  • セキュリティ識別子(SID)サブ機関値およびその数
  • ユーザアカウントおよびSID
  • NTFS情報
  • ネイティブシステム情報
  • 製品情報
  • OSのアーキテクチャ、32ビット版または64ビット版
  • ボリューム情報
  • 実行中プロセスのリスト
  • リストにあるプロセスのファイルバージョン情報
  • リストにあるプロセスのファイルの説明
  • リストにあるプロセスの会社名
  • リストにあるプロセスの製品バージョン
  • リストにあるプロセスの製品名
  • "%System%\win32k.sys"のFileTime
  • 以下の文字列を含む、実行中のAV関連プロセスの情報
    • agnitum
    • alwilsoftware
    • pctools
    • grisoft
    • aviragmbh
    • aviraproduct
    • avirafreeantivirus
    • bitdefender
    • avginternetsecurity
    • comodo
    • doctorweb
    • eset,spol
    • esetsmart
    • frisksoftware
    • kaspersky
    • pandasoftware
    • symanteccorporation
    • checkpointsoftware
    • microsoftsecurity
    • microsoftmalware
    • mcafee
    • bullguard
    • novashieldinc
    • cjscreturnilsoftware
    • sophosplc
    • quickhealtechnologies
    • gdatasoftware
    • beijingrising
    • immunetcorporation
    • k7computing
    • sunbeltsoftware
    • beijingjiangmin
    • usbdisksecurity
    • deepfreeze
    • virus
    • malware
    • rootkit
    • rapport
  • 成功したルーティンの記録
  • マルウェアを実行するプロセスのPID(子および、または親)
  • マルウェアの現在のディレクトリ

マルウェアは、以下を実行します。

  • マルウェアは、暗号化されたコードを読み込むためにNTFSブートセクタを変更します。
  • 以下のいずれかによってハードディスクが保護または暗号化されている場合、自身を終了します。
    • BitLocker
    • VeraCrypt
    • TrueCrypt
  • 現在のユーザのログオフ
  • %User Temp% フォルダ内にあるファイルの削除
  • マルウェアの名称かパスに以下のサブストリングが含まれる場合、自身を終了します。
    • samp
    • smpl
    • vir
    • malw
    • test
    • troj

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.940.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年9月25日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.941.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年9月26日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このマルウェアのサービスを無効にします。

[ 詳細 ]
  • BS{Volume ID}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • BackUp{Volume ID} = "%Application Data%\BackUp2326257383.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • RSA{Volume ID} = "%System%\rundll32.exe "%Application Data%\Microsoft\Crypto\RSA\RSA{Volume ID}.dll",DllInitialize
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Disk Defragmenter = "%System%\rundll32.exe "%Application Data%\defragsvc.dll",DllInitialize"

手順 6

以下のレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Sysinternals
    • C
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Sysinternals
    • C
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Installer\Products
    • B2326257383

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • "%User Temp%\NTFS.sys"
  • "%User Temp%\tmp{3 Random Numbers}.tmp.exe"
  • "%System%\BOOT.dat"

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • "%User Temp%\L(Volume ID)"
  • "%User Temp%\tmp{4 alphanumeric characters}.tmp"

手順 9

「TSPY_ROVNIX.YPOB」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

    • TROJ_ROVNIX.YPOD

手順 10

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ROVNIX.YPOB」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 11

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください