TSPY_ONLINEG.MU
Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

マルウェアタイプ:
スパイウェア
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、特定の文字列をWindowsのHOSTSファイルに追加します。
マルウェアは、WindowsのAPI機能をフックし、自身を不可視にすることで、ファイル検索を回避します。
スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、以下の悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。
- http://{BLOCKED}g.info/chrome/download_chrome_11.0.696.68.php
インストール
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。
- %User Profile%\Application Data\cleanhtm.exe
- %User Profile%\Application Data\cleanhtm.dll
(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- g4058h4pedojge
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
cleanhtm = "%User Profile%\Application Data\cleanhtm.exe"
ルートキット機能
スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。
HOSTSファイルの改変
スパイウェアは、WindowsのHOSTSファイルに以下の文字列を追加します。
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.118.187 www.google.com
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.118.188 search.yahoo.com
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.118.188 www.bing.com
その他
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザに自身のインストールを通知します。
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.64.186/?id=29&v=5&c={computer name}&rs=1&h=1
マルウェアは、以下のWindowsのAPI機能をフックし、自身を不可視にすることで、ファイル検索を回避します。
- FindFirstFileA
- FindNextFileA
- FindFirstFileW
- FindNextFileW
マルウェアは、以下のネイティブAPI機能をフックし、自動実行のためのレジストリを隠ぺいします。
- NtEnumerateValueKey
マルウェアは、以下のネイティブAPI機能をフックし、自身のプロセスを隠ぺいします。
- NtResumeThread
- NtQuerySystemInformation
マルウェアは、以下のネイティブAPI機能をフックし、実行されているすべてのDLLファイルにすべてのフックがインストールされるようにします。
- LdrLoadDll
マルウェアは、以下のWinSock API機能「connect」をフックし、ユーザを以下のドメインからIPアドレス「{BLOCKED}.{BLOCKED}.118.187」へ誘導します。
- www.google.com
- search.yahoo.com
- www.bing.com
対応方法
手順 1
Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアはルートキット機能を利用するため、通常モードまたはセーフモード下での検出および削除手順では、マルウェアを完全に削除することができない場合があります。そのため、以下の方法で Windows の回復コンソールを使用し、マルウェアを削除してください。
- Windows のインストールCDを使用して、コンピュータを再起動します。
- [セットアップへようこそ] 画面で、修復の R キーを押します。
- キーボードを選択します。
- 修復する Windows がインストールされているドライブを選択します(通常は 1 を選択します)。
- 管理者のパスワードを入力し、Enter キーを押します。管理者パスワードがない場合は、何も入力せずに Enter キーを押します。
- コマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力し、[Enter]を押してください。
del %User Profile%\Application Data\cleanhtm.exe - コマンドプロンプトに EXIT と入力し、コンピュータを再起動してください。
手順 3
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- cleanhtm = "%User Profile%\Application Data\cleanhtm.exe"
- cleanhtm = "%User Profile%\Application Data\cleanhtm.exe"
手順 4
不正プログラム/グレイウェア/スパイウェアがHOSTSファイルに追加した文字列を削除します。
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.118.187 www.google.com
{BLOCKED}.{BLOCKED}.118.188 search.yahoo.com
{BLOCKED}.{BLOCKED}.118.188 www.bing.com
手順 5
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ONLINEG.MU」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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