TSPY_EMOTET.AUSJLA
Trojan.Emotet (Malwarebytes), DDOS.Botnet.Zyklon (Ikarus), Troj/Emotet-FL (Sophos AV)
Windows

マルウェアタイプ:
スパイウェア/情報窃取型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
この情報収集型マルウェア(スパイウェア)は、請求書または支払い通知を偽装するスパムメールによって侵入します。ユーザがEメールに含まれるURLをクリックすると、EMOTETをダウンロードするPowerShellコマンドが実行されます。次に、収集した感染コンピュータの情報をC&Cサーバに送出して、感染コンピュータに送信するペイロードを判断します。送信される可能性のあるペイロードの1つに、有名なオンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)の「DRIDEX」があります。
スパイウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %AppDataLocal%\Microsoft\Windows\{string 1}{string 2}.exe - drops the file here if it has no admin privileges
- %System%\{string 1}{string 2}.exe - drops the file here if it has admin privileges
where {string 1} and {string 2} is a combination of any of the following strings:- agent
- app
- audio
- bio
- bits
- cache
- card
- cart
- cert
- com
- crypt
- dcom
- defrag
- device
- dhcp
- dns
- event
- evt
- flt
- gdi
- group
- help
- home
- host
- info
- iso
- launch
- log
- logon
- lookup
- man
- math
- mgmt
- msi
- ncb
- net
- nv
- nvidia
- proc
- prop
- prov
- provider
- reg
- rpc
- screen
- search
- sec
- server
- service
- shed
- shedule
- spec
- srv
- storage
- svc
- sys
- system
- task
- time
- video
- view
- win
- window
- wlan
- wmi
(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- M{hash of full file path}
- Global\M{volume serial number}
自動実行方法
スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\{string 1}{string 2}
ImagePath = %System%\{string 1}{string 2}.exe
where {string 1} and {string 2} is the same name as the drop file
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{string 1}{string 2} = "%AppDataLocal%\Microsoft\Windows\{string 1}{string 2}.exe
情報漏えい
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- Machine Name
- System Locale
- OS Version
- Running Processes
その他
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.95.185:443
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.252.178:8080
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.159.58:443
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.55.157:8080
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.245.37:7080
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.212.79.443
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.192.45:8080
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.131.20:8080
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.252.178:8080
スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %AppDataLocal%\Microsoft\Windows\{文字列1}{文字列2}.exe
※管理者権限がない場合にファイルが作成される場所 - %System%\{文字列1}{文字列2}.exe
※管理者権限を有する場合にファイルが作成される場所
{文字列1}および{文字列2}には、以下のいずれかの文字列の組み合わせが当てはまります。
- agent
- app
- audio
- bio
- bits
- cache
- card
- cart
- cert
- com
- crypt
- dcom
- defrag
- device
- dhcp
- dns
- event
- evt
- flt
- gdi
- group
- help
- home
- host
- info
- iso
- launch
- log
- logon
- lookup
- man
- math
- mgmt
- msi
- ncb
- net
- nv
- nvidia
- proc
- prop
- prov
- provider
- reg
- rpc
- screen
- search
- sec
- server
- service
- shed
- shedule
- spec
- srv
- storage
- svc
- sys
- system
- task
- time
- video
- view
- win
- window
- wlan
- wmi
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- M{ファイルのフルパスのハッシュ}
- Global\M{ボリュームシリアル番号}
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- コンピュータ名
- システムロケール
- オペレーティング・システム(OS)のバージョン
- 実行中のプロセス
スパイウェアは以下を実行します。
- 感染したコンピュータは、マルウェアを拡散するスパムメールを送信するボットネットとして利用されます。
以下の情報がC&Cサーバによって収集されます。
- メッセージのテンプレート
- 受信者のリスト
- 収集した認証情報のリスト
- スパムメールには、次の情報が含まれている場合があります。
Greetings {RCPT.NAME},
We were not able to reach you. Please reply with the status of this invoice as soon as possible. http://{BLOCKED}y.us/Invoice-number-77467611-Notification/
Many Thanks,
{FRIEND.NAME}
{FRIEND.EMAIL}
- 管理者権限を持っている場合はスタートアッププログラムが作成されます。管理者権限がない場合は、レジストリに自動実行エントリが作成されるのみとなります。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
セーフモードでの再起動後、以下のレジストリキーを削除してください。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services
- {string 1}{string 2}
- {string 1}{string 2}
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {string 1}{string 2} = "%AppDataLocal%\Microsoft\Windows\{string 1}{string 2}.exe
手順 5
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_EMOTET.AUSJLA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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