解析者: Anthony Joe Melgarejo   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェア「TSPY_DRIGO.A」は、実行されると、「.XLSX」や「.DOCX」などの拡張子を持つファイルを特定の場所で確認し、Googleドライブへアップロードします。このスパイウェアは、文書型ファイルのみをGoogleドライブにアプロードすることが判明しました。

スパイウェアは、「golang」として広く知られている、プログラミング言語「Go」を利用して作成されています。Go言語は、Google によって開発が始められたオープンソースのプログラミング言語です。

この種のスパイウェアは、標的型攻撃の初期段階の1つである偵察活動に利用されます。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、感染コンピュータや感染ユーザから特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 710,144 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 UPX
メモリ常駐 なし
発見日 2014年10月14日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\~FD7K25.tmp - log file

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware file name w/o extension} = "{malware path and file name}"

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Operating system version
  • Directory settings

注意: 

スパイウェアは、ファイルをアップロードするために以下のGoogle Drive URLに接続します。

  • www.{BLOCKED}leapis.com/upload/drive/v2/files?alt={BLOCKED}n&uploadType=multipart

アップロードする前に、スパイウェアは、アクセストークンを要求するために以下のURLに接続します。

  • accounts.google.com/o/oauth2/token

スパイウェアは、以下の拡張子を持つファイルをアップロードします。

  • .XLSX
  • .XLS
  • .DOC
  • .DOCX
  • .PDF
  • .TXT
  • .PPT
  • .PPTX

<補足>
インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\~FD7K25.tmp - ログファイル

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • ディレクトリの設定

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 11.210.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年10月14日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.211.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年10月14日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_DRIGO.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware file name w/o extension} = "{malware path and file name}"

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\~FD7K25.tmp

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_DRIGO.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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