解析者: Jaime Benigno Reyes   

 別名:

Backdoor.Win32.Androm.emby (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, Eメールを介したスパム活動

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このオンライン銀行詐欺ツール「ZBOT」の亜種は、2014年の半ばのスパム活動を介して拡散されているのが確認されました。その活動のスパムメッセージは、特定のファイルストレージサービスを利用していました。

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 246,784 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年6月11日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\googleupdaterr.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Application Data%\userdata.dat - encrypted configuration file which contains bot id and list of target banks

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe
  • chrome.exe
  • firefox.exe
  • iexplore.exe

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • RangisMutex5

自動実行方法

スパイウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
GoogleUpdate = "%Application Data%\googleupdaterr.exe"

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Bank of America
  • Citibank
  • NatWest
  • The Royal Bank of Scotland
  • Ulster Bank

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.148.6

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://{BLOCKED}zip.com

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.207.151
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.6.61

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアが作成した以下のコンポーネントファイルは、暗号化された環境設定ファイルであり、ボットIDおよび対象の銀行のリストを含みます。

  • %Application Data%\userdata.dat

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • バンクオブアメリカ
  • シティバンク
  • ナショナル・ウェストミンスター銀行
  • ロイヤルバンク・オブ・ スコットランド
  • アルスター銀行

スパイウェアは、以下のいずれかを含むURLをもつ銀行のログインwebページに不正なコードを組み込み、重要な銀行の情報を収集します。

  • businessaccess.citibank.citigroup.com
  • cashproonline.bankofamerica.com
  • www.bankline.natwest.com
  • www.bankline.rbs.com
  • www.bankline.ulsterbank.ie

収集される重要な銀行の情報には以下があります。

  • ビジネスコード
  • ビジネスネーム
  • 企業ID
  • パスワード
  • トークン
  • ユーザID

ユーザがログインボタンまたは送信ボタンをクリックすると、銀行の情報がC&Cサーバへ送信されます。そして、Webページは不正なコードを含まないオリジナルの銀行のログインページに戻り、ユーザは通常通りにログインすることができるようになります。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.860.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年6月13日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.861.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年6月14日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • GoogleUpdate = "%Application Data%\googleupdaterr.exe"

手順 6

「TSPY_BANKER.WSTA」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\userdata.dat

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\xwjfk.exe
  • %User Temp%\kurit.exe

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_BANKER.WSTA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_BANKER.WSTA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 11

「TSPY_BANKER.WSTA」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。


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