Win32/Filecoder.WannaCryptor.D (ESET-NOD32), Trojan-Ransom.Win32.Wanna.b (Kaspersky), Win32.Trojan-Ransom.WannaCry.A (GData), Ransom.WanaCrypt0r (Malwarebytes)
Windows
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
この身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)は、脆弱性(MS17-010)を利用してこの脆弱性が存在するコンピュータに拡散します。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、以下の方法でコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。
(註:%ProgramData%フォルダは、Windows Vista および 7 の場合、通常、"C:\ProgramData"、Windows 2000、XP (32ビット)、Server 2003 の場合、"C:\Program Files"、Windows XP (64ビット) の場合、"C:\Program Files (x86)" です。)
マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。
(註:%ProgramData%フォルダは、Windows Vista および 7 の場合、通常、"C:\ProgramData"、Windows 2000、XP (32ビット)、Server 2003 の場合、"C:\Program Files"、Windows XP (64ビット) の場合、"C:\Program Files (x86)" です。. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
(註:%ProgramData%フォルダは、Windows Vista および 7 の場合、通常、"C:\ProgramData"、Windows 2000、XP (32ビット)、Server 2003 の場合、"C:\Program Files"、Windows XP (64ビット) の場合、"C:\Program Files (x86)" です。)
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%ProgramData%\{random}\tasksche.exe"
マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
Type = "16"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
Start = "2"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
ErrorControl = "1"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
ImagePath = {initial malware file path} -m security
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
DisplayName = Microsoft Security Center (2.0) Service
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\mssecsvc2.0
ObjectName = LocalSystem
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\
VirtualStore\MACHINE\SOFTWARE\
WanaCrypt0r
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\WanaCrypt0r
wd = "%ProgramData%\{random}"
マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。$DATA$$
マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。
その他
マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。
ランサムウェアの不正活動
マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。
マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。
マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
マルウェアは、以下の脆弱性を利用します。
マルウェアは、以下のURLに接続します。接続が成功した場合、実行を停止します。このURLは感染の「kill switch」として利用されます。
マルウェアは、以下をスキャンしてポート445が開放されているシステムを確認します。
LANや、インターネット上のポート445が開放されているシステムを確認すると、脆弱性「MS17-010」を利用してリモートホストに自身のコピーを作成し実行します。
マルウェアは、リモートホスト上で作成されたコピー用に以下のファイルパスを作成します。
マルウェアは、 ”%WINDOWS%\tasksche.exe”の存在の有無を確認します。このファイルが存在する場合、マルウェアは、このファイルをディレクトリ”%WINDOWS%\qeriuwjhrf\tasksche.exe”へ移動します。
マルウェアは、パラメータ"/i"で、”%Windows%\tasksche.exe”を実行します。
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
「Ransom_WCRY.SM」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。
手順 3
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
手順 5
以下のフォルダを検索し削除します。
手順 6
以下のファイルを検索し削除します。
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom_WCRY.SM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 8
デスクトッププロパティを修正します。