解析者: Bren Matthew Ebriega   

 別名:

Trojan.Win32.DelShad.gfs (KASPERSKY); W32/DelShad.GFS!tr.ransom (FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。これにより、通常はタスクマネージャを介して行うマルウェアのプロセスの終了が実行できなくなります。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

特定のファイル拡張子を持つファイルを暗号化します。 身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 7,018,496 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年5月18日
ペイロード ファイルの作成, 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\WindowsSecurityUpdate.exe

(註:%User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • {Malware Filepath}\{Malware Filename} → If not run as admin
  • tasklist /FO csv
  • cmd /c vssadmin delete shadow /all /quiet & wmic shadowcopy delete & bcdedit /set {default} boostatuspolicy ignoreallfailures & bcdedit /set {default} recoveryenabled no & wbadmin delete catalog -q
  • cmd /c bcdedit /set {default} recoveryenabled No
  • cmd /C bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures
  • cmd /C vssadmin.exe Delete Shadows /All Quiet
  • cmd /c REG add HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v DisableTaskMgr /t REG_DWORD /d 1 /f
  • cmd /c REG ADD HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run /v "Windows Security Update" /t REG_SZ /d "C:\Users\dyituser_764\WindowsSecurityUpdate.exe /onboot" /f
  • After performing its Encryption and Information Theft routines:
    • cmd /c REG ADD HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer /v NoRun /t REG_DWORD /d 1 /f
    • cmd /c sc stop VVS & sc stop wscsvc & sc stop WinDefend & sc stop wuauserv & sc stop BITS & sc stop ERSvc & sc stop WerSvc

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Security Update = %User Profile%\WindowsSecurityUpdate.exe /onboot

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Infected = {Malware Defined Value}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer
NoRun = 1

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = 1

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • After performing its Encryption and Information Theft routines:
    • VVS
    • wscsvc
    • WinDefend
    • wuauserv
    • BITS
    • ERSvc
    • WerSvc

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Username
  • IP Address
  • Local Time

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • https://icanhazip.com → Accessible

マルウェアは、以下を実行します。

  • It connects to the following URL to download its component file:
    • https://{BLOCKED}.org/lyuiRne.png → %User Temp%\lyuiRne.png (To be used as wallpaper)
  • It sends the gathered information to the following URL:
    • https://{BLOCKED}.org/695509141f3712df6449e25597e8e59c.php

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ランサムウェアの不正活動

以下の拡張子を持つファイルを暗号化します:$$ DATA $$

  • .3dm
  • .3ds
  • .3g2
  • .3gp
  • .7z
  • .accdb
  • .ai
  • .aif
  • .apk
  • .arj
  • .aspx
  • .avi
  • .bak
  • .bat
  • .bkp
  • .blend
  • .bmp
  • .c
  • .cab
  • .cbr
  • .cc
  • .cfg
  • .cgi
  • .conf
  • .crx
  • .csv
  • .cur
  • .dat
  • .db
  • .dbf
  • .deb
  • .dem
  • .dif
  • .dll
  • .doc
  • .docm
  • .docx
  • .dotx
  • .eps
  • .epub
  • .exe
  • .flv
  • .fon
  • .gam
  • .gif
  • .go
  • .gz
  • .h
  • .html
  • .icns
  • .ico
  • .iif
  • .indd
  • .ini
  • .jar
  • .java
  • .jpeg
  • .jpg
  • .js
  • .jsp
  • .jspx
  • .key
  • .keychain
  • .lua
  • .m3u
  • .m4a
  • .M4P
  • .m4v
  • .M4V
  • .max
  • .mdb
  • .mid
  • .mkv
  • .mov
  • .mp3
  • .mp4
  • .MP4
  • .mpa
  • .mpg
  • .msg
  • .msi
  • .nes
  • .obj
  • .odt
  • .pct
  • .pdb
  • .pdf
  • .php
  • .pkg
  • .pl
  • .plugin
  • .png
  • .pps
  • .ppt
  • .pptm
  • .pptx
  • .prf
  • .ps
  • .psd
  • .py
  • .rar
  • .rom
  • .rs
  • .rtf
  • .sav
  • .sdf
  • .sh
  • .sln
  • .sql
  • .sqlite
  • .svg
  • .tar
  • .tar.gz
  • .tif
  • .tmp
  • .ttf
  • .txt
  • .VB
  • .vob
  • .wav
  • .wma
  • .wmv
  • .wpd
  • .wps
  • .xlr
  • .xls
  • .xlsx
  • .xml
  • .yaws
  • .zip

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • $Recycle.Bin
  • $WINDOWS.~BT
  • AppData
  • bootmgr
  • Program Files
  • Program Files (x86)
  • ProgramData
  • Windows
  • Windows.old

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .GoNNaCry

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\GoNNaCry.html

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .GoNNaCry
  • .html

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.768.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年6月8日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.769.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年6月9日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF046

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

「Ransom.Win64.GONNACRYPT.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Security Update = %User Profile%\WindowsSecurityUpdate.exe /onboot
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Infected = {Malware Defined Value}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • NoRun = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = 1

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Desktop%\GoNNaCry.html
  • %User Temp%\lyuiRne.png

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.GONNACRYPT.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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