解析者: John Rainier Navato   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。

  詳細

ファイルサイズ 11,282,944 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2025年7月2日
ペイロード ファイルの作成, ファイルの暗号化, システムのレジストリの変更

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\rmsw.bat
  • %User Temp%\msin.bat

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • cmd.exe /c vssadmin delete shadows /all /quiet

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\A0:236:Main

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
MSRuntime
D_th{File Count} = 2_{Path To Found File Name}

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
MSRuntime

マルウェアは、以下を実行します。

  • Based on code analysis, it may encrypt the following files\files found in the following paths:
    • \anydesk\
    • \AppData\Local\
    • \AppData\LocalLow\
    • \AppData\Roaming\
    • \Chrome Remote Desktop\
    • \ntuser.dat
    • \ntuser.ini
    • \Program Files\CloudBerryLab\CloudBerry Backup
    • \Public\Documents\iconcache.ini
    • \Public\Documents\iconcache.log
    • \Public\Pictures\log
    • %Program Files%
    • %Program Files% (x86)
    • %Program Files% (x86)\COMODO
    • %Program Files% (x86)\Dropbox
    • %Program Files% (x86)\Google
    • %Program Files% (x86)\Trend Micro
    • %Program Files% (x86)\Windows Defender
    • %Program Files%(x86)\Kaspersky Lab
    • %Program Files%(x86)\Microsoft
    • %Program Files%(x86)\Sophos
    • %Program Files%(x86)\Symantec
    • %Program Files%\AhnLab
    • %Program Files%\CloudBerryLab\CloudBerry Backup
    • %Program Files%\COMODO
    • %Program Files%\Dropbox
    • %Program Files%\ESTsoft
    • %Program Files%\Google
    • %Program Files%\Kaspersky Lab
    • %Program Files%\Microsoft
    • %Program Files%\Sophos
    • %Program Files%\Symantec
    • %Program Files%\Trend Micro
    • %Program Files%\VMware
    • %Program Files%\Windows Defender
    • %Program Files%\Windows Defender Advanced Threat Protection
    • %Program Files%\WindowsApps
    • %ProgramData%
    • %ProgramData%\AhnLab
    • %ProgramData%\Comodo
    • %ProgramData%\Comodo Downloader
    • %ProgramData%\Dropbox
    • %ProgramData%\ESTsoft
    • %ProgramData%\Kaspersky Lab
    • %ProgramData%\Microsoft OneDrive
    • %ProgramData%\Sophos
    • %ProgramData%\ssh
    • %ProgramData%\Symantec
    • %ProgramData%\Trend Micro
    • %ProgramData%\VMware
    • %ProgramData%\Windows
    • %System Root%\Users
    • %System Root%\Users\.N
    • %System Root%\users\All Users
    • %Windows%

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • adm.exe
  • rms.bat
  • rmsw.bat
  • runtimes.exe
  • msruntime.dll
  • Msruntimes.dll
  • rest.bat
  • msin.bat

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .crypto24

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted File Path}\Decryption.txt

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 20.326.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2025年7月14日
VSAPI OPR パターンバージョン 20.327.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2025年7月15日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF095

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\MSRuntime
    • D_th{File Count} = 2_{Path To Found File Name}

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
    • MSRuntime

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\rmsw.bat
  • %User Temp%\msin.bat
  • {Encrypted File Path}\Decryption.txt

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win64.CRYPTWOFOUR.THGOBBE」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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