解析者: Raymart Christian Yambot   

 別名:

Win32:Evo-gen [Trj] (AVAST)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 380,416 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 なし
発見日 2023年7月19日
ペイロード システム情報の収集, 画像の表示, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\wallpaper.jpg

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • wmic SHADOWCOPY DELETE /nointeractive
  • wbadmin DELETE SYSTEMSTATEBACKUP -deleteOldest
  • wbadmin DELETE SYSTEMSTATEBACKUP -keepVersions:0
  • wbadmin DELETE BACKUP -deleteOldest
  • wbadmin DELETE BACKUP -keepVersions:0
  • vssadmin Delete Shadows /All /Quiet
  • bcdedit /set {default} recoveryenabled No
  • bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{Hash of Machine GUID}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLUA = 0

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
ConsentPromptBehaviorAdmin = 0

(註:変更前の上記レジストリ値は、「5」となります。)

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %Application Data%\wallpaper.jpg

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • Culserver
  • DefWatch
  • GxBlr
  • GxCIMgr
  • GxCVD
  • GxFWD
  • GxVss
  • QBCFMonitorService
  • QBIDPService
  • RTVscan
  • SavRoam
  • VMAuthdService
  • VMUSBArbService
  • VMnetDHCP
  • VMwareHostd
  • backup
  • ccEvtMgr
  • ccSetMgr
  • dbeng8
  • dbsrv12
  • memtas
  • mepocs
  • msexchange
  • msmdsrv
  • sophos
  • sql
  • sqladhlp
  • sqlagent
  • sqlbrowser
  • sqlservr
  • sqlwriter
  • svc$
  • tomcat6
  • veeam
  • vmware-
  • converter
  • vmware-usbarbitator64
  • vss

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • 360doctor
  • 360se
  • Culture
  • Defwatch
  • GDscan
  • MsDtSrvr
  • QBCFMonitorService
  • QBDBMgr
  • QBIDPService
  • QBW32
  • RAgui
  • RTVscan
  • agntsvc
  • agntsvcencsvc
  • agntsvcisqlplussvc
  • anvir
  • anvir64
  • apache
  • axlbridge
  • backup
  • ccleaner
  • ccleaner64
  • dbeng50
  • dbsnmp
  • encsvc
  • excel
  • far
  • fdhost
  • fdlauncher
  • httpd
  • infopath
  • isqlplussvc
  • java
  • kingdee
  • msaccess
  • msftesql
  • mspub
  • mydesktopqos
  • mydesktopservice
  • mysqld-nt
  • mysqld-opt
  • mysqld
  • ncsvc
  • ocautoupds
  • ocomm
  • ocssd
  • onedrive
  • onenote
  • oracle
  • outlook
  • powerpnt
  • procexp
  • qbupdate
  • sqbcoreservice
  • sql
  • sqlagent
  • sqlbrowser
  • sqlmangr
  • sqlserver
  • sqlservr
  • sqlwriter
  • steam
  • supervise
  • synctime
  • taskkill
  • tasklist
  • tbirdconfig
  • thebat
  • thunderbird
  • tomcat
  • tomcat6
  • u8
  • ufida
  • visio
  • wdsw
  • fsafe
  • winword
  • wordpad
  • wuau
  • clt
  • wxServer
  • wxServerView
  • xfssvccon

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Host Name
  • IP Address

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • Empties Recycle Bin
  • It encrypts files from local drives, removable drives, and network shares.

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $recycle.bin
  • $windows.~bt
  • $windows.~ws
  • %PROGRAMFILES(x86)%
  • %PUBLIC%
  • %ProgramData%
  • %SYSTEMDRIVE%\Program Files
  • %SYSTEMDRIVE%\Users\All Users
  • %SYSTEMDRIVE%\Windows
  • %TMP%
  • %USERPROFILE%\AppData
  • AppData
  • %AppData%
  • EFI
  • Intel
  • MSOCache
  • Mozilla
  • Program Files
  • ProgramData
  • Tor Browser
  • Windows
  • WINDOWS
  • boot
  • google
  • perflogs
  • system volume information
  • windows.old

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Ecrypted Directory}\HOW_TO_RECOVER_FILES.txt
  • %Desktop%\HOW_TO_RECOVER_FILES.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • exe
  • bat
  • bin
  • cmd
  • com
  • cpl
  • dat
  • dll
  • drv
  • hta
  • ini
  • lnk
  • lock
  • log
  • mod
  • msc
  • msi
  • msp
  • pif
  • prf
  • rdp
  • scr
  • shs
  • swp
  • sys
  • theme

<補足>
情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • ホスト名
  • IPアドレス

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • ごみ箱を空にする
  • ローカルドライブ、リムーバブルドライブ、ネットワーク共有フォルダのファイルを暗号化する

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.656.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年8月25日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.657.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年8月26日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF071

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • EnableLUA = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • ConsentPromptBehaviorAdmin = 0

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\wallpaper.jpg

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.NOESCAPE.D」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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