解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

「BKDR_REMOSH.SML」として検出されるマルウェアは、ある特定のレジストリ値を問い合わせ、サービスに関連するネットワークを列挙します。それによって、マルウェアがどの名前をサービス名として利用するかを割り当てます。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、レジストリ値を変更し、複数のシステムサービスを無効にします。これにより、システムに必要な機能が起動しません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年5月27日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • BKDR_REMOSH.SML

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{Random Service Name}\Parameters
ServiceDLL = %System%\{malware file name}

他のシステム変更

マルウェアは、レジストリ値を変更し、以下のシステムサービスを無効化します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\PolicyAgent
Start = 4

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Enumerate sessions to determine logged-in user
  • Enumerate files
  • Create and delete files
  • Send and receive files
  • Capture screenshots
  • Get drive information, such as type, free space, and name
  • Execute processes
  • Run remote command shell
  • Uninstall itself

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}l.is-a-chef.com
  • {BLOCKED}l.office-on-the.net
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.82.50
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.82.25

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • PolicyAgent

プロセスの終了

マルウェアは、以下のサービスを感染コンピュータ内で確認すると、それらを終了します。

  • PolicyAgent

その他

マルウェアは、最初に自身を作成したマルウェアを削除します。

マルウェアは、以下の詳細を用いてサービスを作成します。

  • 表示名:
    • ASP.NET Service
    • Network Management
    • OfficeScan Support
    • Windows Network Station
    • ASP .NET Support
  • 説明
    • ASP.NET に付属するアウトプロセス Session State に対するサポートの供給
    • 割り当て、公開、削除といったネットワークインストールのサービスの供給
    • ヘルプとサポートセンターを有効にし、コンピュータのOfficescanを実行する

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI OPR パターンバージョン 7.777.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2011年1月19日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「BKDR_REMOSH.SMF」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_REMOSH.SMF」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\PolicyAgent
    • From: Start = 4
      To: Start = 2

手順 6

このマルウェアが追加したランダムなサービスキーの削除を削除します。

  1. 最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。検出したマルウェアのパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
  2. 「レジストリエディタ」を起動します。
    [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、[OK]をクリックします。
    ※regedit は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  3. [CTRL]+[F]で[検索]ダイアログボックスを表示します。
  4. 検索ダイアログボックス内に、上記で検出したマルウェアのファイル名を入力し、[次を検索]をクリックします。
    (註:ダイアログボックス内のチェックボックスは、[データ]のみがチェックされていることを確認してから[次を検索]をクリックしてください。)
  5. find.

  6. 上記で確認したマルウェアのファイル名が確認できた場合、右パネルに以下のレジストリ値が存在することを確認します。

    ImagePath = <上記で確認したマルウェアのパス名およびファイル名>

  7. このレジストリ値が確認できた場合、左側のパネルで、このレジストリ値が属するサービスキーを検索します。
  8. 左側のパネルで検索したサービスキー上で右クリックし、[削除]を選択します。
  9. [レジストリをすべて検索しました]というダイアログボックスが表示されるまで、手順2.)から6.)を繰り返してください。
  10. レジストリエディタを閉じてください。

手順 7

「BKDR_REMOSH.SMF」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_REMOSH.SMF」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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