解析者: Christopher Daniel So   
 更新者 : Erika Bianca Mendoza

 別名:

Backdoor.Trojan (Symantec), Backdoor.Win32.Agent.bnnz (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、レジストリに保存されている特定のサーバにアクセスします。マルウェアは、サーバにアクセスすると、コマンドプロンプトで特定のコマンドを実行することで感染コンピュータの情報を収集します。収集された情報は、暗号化およびサーバに送信される前に、ファイル "%System%\TMP2548" に保存されます。マルウェアは、このファイルが使用された後、このファイルを削除します。マルウェアは、上記のコマンドを実行することで、以下の情報を収集します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  詳細

ファイルサイズ 40,888 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年8月23日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_PIDIEF.SMZX

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\wumsvc.dll - also detected by Trend Micro as BKDR_PROXY.ARX

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Type = "20"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
DisplayName = "Windows User Management"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Description = "Provides a common management to access information about windows users. If the access is stopped, most Windows-based software will not function properly. If this server is disabled, any services that explicitly depend on it will fail to start."

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement\Parameters
ServiceDll = "wumsvc.dll"

マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\Shell.LocalMachine
CheckCode = "{configuration}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
netsvcs = "{default values} WindowsUserManagement"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default values}」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、レジストリに保存されている以下のサーバにアクセスします。

  • {BLOCKED}.94.154
  • {BLOCKED}.153.107

マルウェアは、サーバにアクセスすると、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行することで感染コンピュータの情報を収集します。

  • GPRESULT /SCOPE COMPUTER /Z
  • IPCONFIG /ALL
  • NET LOCALGROUP ADMINISTRATORS
  • NET START
  • SYSTEMINFO

収集された情報は、暗号化およびサーバに送信される前に、以下のファイルに保存されます。マルウェアは、このファイルが使用された後、このファイルを削除します。

  • %System%\TMP2548

マルウェアは、上記のコマンドを実行することで、以下の情報を収集します。

  • グループポリシー/コンピュータの設定
  • IP/ネットサービスの環境設定
  • ローカルの管理者
  • 現在動作しているサービス
  • システム情報

マルウェアは、感染コンピュータでサービスを操作するためにサーバから送信される特定のコマンドを待機します。

その他

マルウェアは、以下のレジストリを要求することで、コンピュータのプロキシが有効であるかを確認します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
ProxyEnable
ProxyServer

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.374.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年8月23日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_PROXY.ARX」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_PROXY.ARX」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

「BKDR_PROXY.ARX」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • WindowsUserManagement

手順 7

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\Shell.LocalMachine
    • CheckCode = "{configuration}"

手順 8

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
    • From: netsvcs = "{default values} WindowsUserManagement"
      To: netsvcs = "{default values}"

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PROXY.ARX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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