BKDR_PROXY.ARX
Backdoor.Trojan (Symantec), Backdoor.Win32.Agent.bnnz (Kaspersky)
Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

マルウェアタイプ:
バックドア型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、レジストリに保存されている特定のサーバにアクセスします。マルウェアは、サーバにアクセスすると、コマンドプロンプトで特定のコマンドを実行することで感染コンピュータの情報を収集します。収集された情報は、暗号化およびサーバに送信される前に、ファイル "%System%\TMP2548" に保存されます。マルウェアは、このファイルが使用された後、このファイルを削除します。マルウェアは、上記のコマンドを実行することで、以下の情報を収集します。
マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。
- TROJ_PIDIEF.SMZX
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %System%\wumsvc.dll - also detected by Trend Micro as BKDR_PROXY.ARX
(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)
自動実行方法
マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Type = "20"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Start = "2"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ErrorControl = "1"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
DisplayName = "Windows User Management"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
ObjectName = "LocalSystem"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
Description = "Provides a common management to access information about windows users. If the access is stopped, most Windows-based software will not function properly. If this server is disabled, any services that explicitly depend on it will fail to start."
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement\Parameters
ServiceDll = "wumsvc.dll"
マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\WindowsUserManagement
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CLASSES_ROOT\Shell.LocalMachine
CheckCode = "{configuration}"
マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
netsvcs = "{default values} WindowsUserManagement"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default values}」となります。)
バックドア活動
マルウェアは、レジストリに保存されている以下のサーバにアクセスします。
- {BLOCKED}.94.154
- {BLOCKED}.153.107
マルウェアは、サーバにアクセスすると、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行することで感染コンピュータの情報を収集します。
- GPRESULT /SCOPE COMPUTER /Z
- IPCONFIG /ALL
- NET LOCALGROUP ADMINISTRATORS
- NET START
- SYSTEMINFO
収集された情報は、暗号化およびサーバに送信される前に、以下のファイルに保存されます。マルウェアは、このファイルが使用された後、このファイルを削除します。
- %System%\TMP2548
マルウェアは、上記のコマンドを実行することで、以下の情報を収集します。
- グループポリシー/コンピュータの設定
- IP/ネットサービスの環境設定
- ローカルの管理者
- 現在動作しているサービス
- システム情報
マルウェアは、感染コンピュータでサービスを操作するためにサーバから送信される特定のコマンドを待機します。
その他
マルウェアは、以下のレジストリを要求することで、コンピュータのプロキシが有効であるかを確認します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
ProxyEnable
ProxyServer
対応方法
手順 1
Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_PROXY.ARX」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 5
「BKDR_PROXY.ARX」として検出されたファイルを検索し削除します。
手順 6
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
- WindowsUserManagement
- WindowsUserManagement
手順 7
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CLASSES_ROOT\Shell.LocalMachine
- CheckCode = "{configuration}"
- CheckCode = "{configuration}"
手順 8
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
- From: netsvcs = "{default values} WindowsUserManagement"
To: netsvcs = "{default values}"
- From: netsvcs = "{default values} WindowsUserManagement"
手順 9
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PROXY.ARX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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