BKDR_MISDAT.AC
Backdoor:Win32/Misdat.A!dha (Microsoft); Backdoor.Win32.Misdat.b (Kaspersky); Backdoor.Misdat!gen1 (Symantec);
Windows
マルウェアタイプ:
バックドア型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
このマルウェアは日本の重要インフラに関係する企業を標的とした攻撃で利用されたと考えられています。この攻撃は「Dust Storm作戦」と呼ばれています。アジア、ヨーロッパ諸国および米国も、この作戦の背後にいる攻撃者の標的とされていることが確認されています。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。
- %Program Files%\Common Files\{Unique Identifier}\msdtc.exe
(註:%Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.)
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\{variable 1}
StubPath = "%Program Files%\Common Files\{Unique Identifier}\msdtc.exe /Start"
他のシステム変更
マルウェアは、以下のファイルを削除します。
- %System Root%\{variable 2}
(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components
(Guid) =
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- execute shell commands
- file manipulation (rename file, delete, run, open, stop)
- list files
- list directories
- list drives
- Upload arbitrary files
- Download arbitrary files
- Restart System
- Shutdown system
- close connection to C&C
- uninstall
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。
- msejake.{BLOCKED}6.org
- 323332.{BLOCKED}2.org
- msevpn.{BLOCKED}2.org
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- シェルコマンドの実行
- ファイルの操作 (ファイル名の改称,削除,実行,開封,停止)
- ファイルの列挙
- ディレクトリの列挙
- ドライブの列挙
- 任意のファイルのアップロード
- 任意のファイルのダウンロード
- コンピュータの再起動
- コンピュータのシャットダウン
- コマンド&コントロール(C&C)サーバへの接続の停止
- アンインストール
このマルウェアは、キーボードの配置が日本語かどうかを確認します。
このマルウェアは、作成したコピーをコマンドライン引数"/ok "で実行します。
変数 {variable 1}は、以下の値が当てはまります。
- snimtsOleht
- Backtsaleht
- dnimtsoleht
変数{variable 2} は、以下の値が当てはまります。
- tmp.kbm
- 2.hiv
- t2svzmp.kbp
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\{variable 1}
- StubPath = "%Program Files%\Common Files\{Unique Identifier}\msdtc.exe /Start"
- StubPath = "%Program Files%\Common Files\{Unique Identifier}\msdtc.exe /Start"
手順 5
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components
- (Guid)
- (Guid)
手順 6
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_MISDAT.AC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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