BKDR_EMDIVI.ZJCH-A
Windows

マルウェアタイプ:
バックドア型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
マルウェアは、日本のWebサイトを侵害し、バックドア型のマルウェア「EMDIVI」のコマンド&コントロール(C&C)サーバとして利用する現在進行中の攻撃キャンペーンに関連しています。
マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。
マルウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
- svchost.exe
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- 58e034ea0c370efbd9c8764ebf8bd197
- iL463655Oh75jM578996Pd675475
マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。
- created svchost.exe
感染活動
マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Enumerate files and folders
- Delete files and folders
- Download files
- Upload files
- Execute files
- Get file attributes
- Enumerate processes
- Perform remote shell
- Loads a library using LoadLibrary API
- Import functions from a library using GetProcAddress API
- Choose HTTP Authentication
- Setup Proxy auto-configuration
- Gather Firefox settings from prefs.js
- Gather proxy settings from proxy.pac
- Gather proxy settings from windows registry
- Sleep
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。
- http://www.{BLOCKED}m.jp/index.php
- http://www.{BLOCKED}norei.com/?page={3 random numbers}
- http://jp.{BLOCKED}a.org/?p={2 random numbers}
- hxxp://2e53007.{BLOCKED}nd.com
情報漏えい
マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。
- Host name
- Process ID of the malware
- Memory Size (RAM)
- Internet Explorer Version
- Windows OS Version
- System Language
- Location
- Time Zone Information
その他
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。
- http://www.msftncsi.com/ncsi.txt
- http://www.microsoft.com/en-us/default.aspx
- http://www.yahoo.co.jp
マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。
- {malware path}\iusb3mon.dll ← used to decrypt and load itself; detected as TROJ_EMDIVI.ZJCH-A
マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。
- ファイルおよびフォルダの列挙
- ファイルおよびフォルダの列挙
- ファイルのダウンロード
- ファイルのアップロード
- ファイルの実行
- ファイル属性の取得
- プロセスの列挙
- リモートシェルの実行
- LoadLibrary APIを利用してライブラリの読み込み
- GetProcAddress APIを利用してライブラリからのファンクションのインポート
- HTTP認証を選択
- プロキシの自動構成を設定
- prefs.jsからFirefox設定の取得
- proxy.pacからのプロキシ設定の取得
- Windowsレジストリからプロキシ設定の取得
- スリープ
マルウェアが収集する情報は以下のとおりです。
- ホスト名
- マルウェアのプロセスID
- メモリサイズ (RAM)
- Internet Explorer(IE)のバージョン
- オペレーティングシステム(OS)の情報
- システム言語
- 位置情報
- タイムゾーン情報
以下のコンポーネントはマルウェアを復号し読み込むために利用され、「TROJ_EMDIVI.ZJCH-A」として検出されます。
- {malware path}\iusb3mon.dll
ホスト名が以下のいずれかの文字列に類似している場合は、マルウェアは適切に実行しません。
- wilbert-SC1508
- xp-sp3-template
- mip-xp-cht
- CWS01_03
- wilbert-SC2202
- dc-filesrv
- Atony-PC
- brbrb-d8fb22af1
- placehol-6f699a
マルウェアは、すべての可視ウィンドウを列挙し、各ウィンドウのタイトルバーのテキストを以下の文字列と比較します。
- OllyDbg
- W32Dasm
- Wireshark
- Fiddler
- SoftICE
- Process Explorer
- Process Monitor
- Process Hacker
ウィンドウのタイトルバーのテキストが上述の文字列を含む場合、マルウェアは、スリープコマンドの実行により、自身の不正活動の実行を中止します。
マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。
マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
この「BKDR_EMDIVI.ZJCH-A」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)
- TROJ_EMDIVI.ZJCH-A
手順 4
「BKDR_EMDIVI.ZJCH-A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。
- すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
- 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
セーフモードについては、こちらをご参照下さい。 - 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
手順 5
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_EMDIVI.ZJCH-A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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