解析者: Adrian Cofreros   

 別名:

Trojan-Ransom.BAT.Agent.aa(Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、ファイルの暗号化に「GNU Privacy Guard application(GnuPG)」を利用します。しかし、解析の結果、この不正プログラムは、PC に GnuPG がない場合でも暗号化を行います。感染連鎖の一部として、このドロッパーは暗号化に利用するために GnuPG のコピーを作成します。この一連の動きは、バッチファイルに記述されています。

マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ BAT
メモリ常駐 なし
発見日 2014年7月17日
ペイロード ファイルの暗号化, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\KEYPRIVATE

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • C:\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • D:\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %Application Data%\Desktop\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %Desktop%\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %User Temp%\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %User Temp%\pycrp.bin -once this already existed it will not continue its routine

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。. %User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

その他

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • *.xls
  • *.xlsx
  • *.doc
  • *.docx
  • *.pdf
  • *.jpg
  • *.cd
  • *.jpeg
  • *.1cd
  • *.rar
  • *.mdb
  • *.zip

マルウェアは、以下のファイル名を使用し、暗号化されたファイルを改称します。

  • {file name and extension}.paycrypt@gmail_com

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

<補足>
作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\pycrp.bin -このファイルがすでに存在する場合、マルウェアは自身の不正活動を停止します。

その他

マルウェアは、以下のファイル名を使用し、暗号化されたファイルを改称します。

  • {ファイル名と拡張子}.paycrypt@gmail_com

注意:

マルウェアは、BドライブからZドライブのファイルを暗号化します。

作成されたファイル「PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt」には以下が含まれています。

  • BLOCK DATE: {暗号化が完了した日時}

マルウェアは、ディレクトリ「%APPDATA%\ gnupg」を削除します。

マルウェアは、暗号化に使用されたコンポーネントを削除します。

必要なコンポーネントが存在する場合、マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\DECODE.zip
  • C:\DECODE.zip
  • D:\DECODE.zip
  • %User Profile%\Desktop\DECODE.zip
  • %Application Data%\Desktop\DECODE.zip
  • %User Temp%\KEY.PRIVATE
  • %User Temp%\KEYPRIVATE\KEY.PRIVATE
  • %Application Data%\KEY.PRIVATE
  • C:\KEY.PRIVATE
  • D:\KEY.PRIVATE
  • %Desktop%\KEY.PRIVATE
  • %Application Data%\Desktop\KEY.PRIVATE

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.938.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年7月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.939.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年7月23日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • C:\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • D:\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %Application Data%\Desktop\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %Desktop%\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %User Temp%\PAYCRYPT_GMAIL_COM.txt
  • %User Temp%\pycrp.bin
  • %User Temp%\DECODE.zip
  • C:\DECODE.zip
  • D:\DECODE.zip
  • %User Profile%\Desktop\DECODE.zip
  • %Application Data%\Desktop\DECODE.zip
  • %User Temp%\KEY.PRIVATE
  • %Application Data%\KEY.PRIVATE
  • C:\KEY.PRIVATE
  • D:\KEY.PRIVATE
  • %Desktop%\KEY.PRIVATE
  • %Application Data%\Desktop\KEY.PRIVATE

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\KEYPRIVATE

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BAT_CRYPTOR.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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