トレンドマイクロ、フェンシング太田雄貴選手とともに、次世代フェンサー育成キャンプを開催

トレンドマイクロ presents Yuki Ota Fencing Camp【後編】

前回に続き、フェンシングキャンプレポート後編をお届けします。実技、講義そしてワークショップを通じ、選手たちの五輪への道が具体的になりはじめました。

世界で活躍するためには、発信する力も必要

2日目は、スポーツトレーナの淺井利彰氏による講義から始まりました。初日の練習について、淺井氏は「まだまだウォーミングアップがなっていない」とし、適切なウォーミングアップを続けることで、試合に向けてコンディションを調整できる、ケガの予防ができるなどのメリットがあるとし、具体的な方法を指導しました。

講義を終え、体育館に移った選手たちは、4人1組のチームで、昨晩のワークショップで考えた課題と解決策となる練習方法をディスカッションしました。チームメイトと共に解決策を考えることで、コミュニケーションスキルも磨く狙いです。

それぞれの課題と解決策について、チームでディスカッションする選手たち

チームでのディスカッション後には、プレゼンの時間も用意。時間制限まで設けた本格的な発表の場です。太田選手は、「世界で活躍し、発信していくためには、伝える技術を磨くことも重要」と、その意図を伝えました。

選手の課題に対して、「相手と自分の優位性を見極める。相手が優位な時は、逃げることで防御することを考える」などと、試合の駆け引きなど技術、戦術を具体的に指導。また、「課題と解決策がうまく整理できている。冒頭に『課題は2点あります』と、全体の構成を前置きしたことで、聞き手の関心を引き付けられた」といったように、プレゼンスキルを磨くコツも伝えました。

ディスカッションの様子をみて、時には太田選手からアドバイスも

午後には、グループでディスカッションした解決策に基づき、練習が行われ、太田選手や千田選手、淡路卓選手が指導にあたりました。

グループワークでまとまった解決策を、午後の練習で実践。
試合に近い環境で練習できるよう、あえてミスが出やすい環境を
作り対策を練り上げることが大切だという。

夢を実現するために想像を具体化する

キャンプの残り時間も僅かとなった2日目の夜、ワークショップでは新たなテーマが用意されていました。過去の充実体験、反省体験を思い起こすことです。過去からの学びを次に生かすことが大切であり、その時の思いを深く探ることで、自分の価値観、目標を実現させるための原動力を明らかにできるといいます。

その後2人1組で、各自の体験や学びを話し合い、全体に向けて発表しました。なかには、「世界選手権で負けたが、自分の試合ができたことが充実体験」と、勝敗にこだわる自身とは違う価値観に触れ、新しい発見をしたという選手も。これに対し、太田選手は、相手の思いをうまく引き出せたことを評価しつつ、「目先の勝敗に左右されてしまうのはよくある。しかし、明確な目標を持っていれば、目先の小さな結果に捉われなくなる」と、改めて目標を明確に定め、そのために必要なことを考えることの重要性を説きました。

2人1組でそれぞれの体験を話し合う。相手に伝えることでコミュニケーションスキルを
養うだけでなく、相手を知ることは競技にも役立つという。

ワークショップ中、太田選手は自身の経験を振り返り、夢を実現するために具体的に考えることの大切さを次のように説明しました。9位と納得できる結果を残せなかったというアテネ五輪。その反省から、次の北京五輪までに何をしなければいけないか、徹底的に考え抜いたといいます。戦術や技術はもとより、五輪本番に食事も喉を通らない、眠れないといった精神面での失敗を踏まえ、アテネ五輪では流動食や睡眠導入剤を用意するなどした経験を具体的に語りました。そのうえで、細かい点が勝負を分けること、目標までの道程を抽象的に考えるのではなく、「今何をすべきか具体化することが必要」だと強調しました。「具体的にした活動に対して、Why、Howを繰り返し最適な答えを見つけてほしい。そうすれば強くなる」とエールを送りました。

最終日には、選手15名全員が参加し、男女別の団体戦による公開試合が行われました。会場となった体育館には、朝早くから地元の方や報道関係者がつめかけました。試合は、太田選手と千田選手の軽快な掛け合いによる解説で、会場から笑いが起こる一方、選手たちのプレーの迫力とスピードに、会場が息をのむシーンも見られました。試合後には、選手らによる記念品が当たる抽選会が行われ、来場者の興奮も高まりました。

体育館の壇上に設けられた舞台は選手らがすべて準備したもの。
太田選手の挨拶のあと、団体戦が始まった。

抽選会の当選者には太田選手らから記念品が手渡された

わずか3日ではありますが、世界王者の技術、そして精神、志を目の当たりにした若手選手たちには、大きな収穫があったことでしょう。日本フェンシングにかける太田選手の思いを受け、これから若手選手たちはどのように成長していくのでしょうか。
2020年に向けて、その活躍に期待が膨らみます。

記事公開日 : 2015.9.2
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