株式会社サンケイリビング新聞社

外出先、出向先のPCも社内PCと同じポリシーで運用
AIによる未知の脅威対策にも期待

概要

お客さまの課題

メディア企業の中でも特に多くの個人情報を扱う同社にとって、セキュリティ強化は社会的な責務。中でもPCのウイルス対策は基本となるが、各PCのセキュリティ状況の把握が困難だった

解決策と効果

簡単な操作で社内外の全PCのパターンファイル適用状況やログの一元管理が可能になった。また、AI技術を用いた機械学習型検索機能により、未知の脅威への防御力も強化できた

"パターンマッチングでは防げない未知の脅威にも対応できるなど、AIを活用して防御力を高めた新しいウイルスバスターには大いに期待しています"

株式会社サンケイリビング新聞社
管理局 情報システム部 部長
高野 浩明 氏

"社内外を問わずセキュリティポリシーを均一化し、その状況も一元的に把握できます。現場は安心して仕事に専念できるようになり、情報システム部は管理が容易になりました"

株式会社サンケイリビング新聞社
情報システム部
水谷 明 氏

導入の背景

「すべての女性の笑顔のために」を掲げ、女性の活躍を支援するフリーペーパー/フリーマガジン事業を展開しているサンケイリビング新聞社。全国で約790万部を発行する地域生活情報紙「リビング新聞」をはじめ、オフィス向け情報紙「シティリビング」、幼稚園児を持つ主婦向け情報誌「あんふぁん」など、女性のライフステージに応じた多様な媒体を発行し、広範なフリーペーパーネットワークを構築している。

各媒体は、独自の配布組織が家庭やオフィス、幼稚園などに直接配布しており、女性たちと強い接点を持っていることが同社の大きな強み。「そこから収集する様々な意見や要望、トレンドを分析し、広告主となる顧客企業に多様なキャンペーンやプロモーション施策などを提案しています。女性の生活を豊かにすると共に、企業のビジネスチャンスの拡大に貢献するトータルサポーターとしての役割を担っています」と同社の高野 浩明氏は説明する。

お客さまの課題

Webサイトの会員データベースのほか、配布組織が管理する読者情報など、同社は個人情報を数多く扱っている。「それらの情報を保護し、安心と信頼を確保するのは当社にとって当然の責務です」と高野氏は語る。

そこで、同社は新たにセキュリティポリシーを策定し直し、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を立ち上げたほか、イベントログの一元管理とインシデント分析などを行うためのSIEM(Security Information and Event Management)を導入するなど、セキュリティ対策の強化を図っている。

そうした強化の一環として取り組んだのがエンドポイントセキュリティの見直しだ。「従来のウイルス対策ソフトは、環境構築や設定が煩雑でパターンファイルの適用状況を管理するのも困難でした。安全性と管理性を両立できる製品を求めていました」と同社の水谷 明氏は言う。

選定理由

新たなウイルス対策ソフトとして、同社が導入したのがトレンドマイクロの「ウイルスバスター™ コーポレートエディション XG(Corp. XG)」である。

まず評価したのが管理性の高さだ。「ブラウザベースで簡単に管理画面にアクセスして、各端末の設定作業を行ったり、ログを確認したりできる。しかも、DMZに設置した『Corp.エッジリレーサーバ』を通じて、社外に持ち出したPCも最新のパターンファイル適用状況やウイルス検出ログを一元管理できる点を評価しました」と水谷氏は選定の理由を述べる。

また、安全性の面では、AI技術による機械学習型検索機能を新たに搭載したことへの期待が大きかった。「パターンファイルベースの対策では対応が難しい未知の脅威などにも効果を発揮するため、リスクを大幅に低減できると考えました」(高野氏)。

ソリューション

Corp. XGは、パターンマッチングやWeb/ファイルレピュテーション、挙動監視といった既存技術に加えて、新たにAIによる機械学習型検索を採用した、最新バージョンのウイルスバスター コーポレートエディションである。成熟した技術と最新技術をハイブリッドに駆使することで、より安全性を高めることができる。

具体的には、トレンドマイクロが提供するクラウドベースのセキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network」上のAIが日々、脅威に関する情報を学習して蓄積。PCに未知のコンテンツなどが侵入した際には、そのファイルやプロセスの特徴を抽出して、ファイルの構成情報や挙動など、複数の切り口で分析し、そのコンテンツを脅威として検出する。

人手で分析する場合に比べ、はるかに高速に一次的な判断を下せるというメリットがあるほか、パターンファイルに登録される前の脅威にも対応できることから、亜種の多いランサムウェアや標的型攻撃にも有効となる。

サンケイリビング新聞社におけるウイルスバスター™ コーポレートエディション XGの利用イメージ

導入効果

現在、同社は関連会社を含め、PC約950台にCorp. XGを導入している。「すべてのPCの対策状況がWebのダッシュボードで一元管理でき、運用管理を効率化できました。AIによる機械学習型検索も心強い存在です。導入後、いくつかのグレーウェアを検知したのを確認し、安心感が高まりました」と水谷氏はメリットを述べる。

また、あらゆるPCに対して均一のセキュリティポリシーを適用できるようになった点も大きな成果だ。「取材や営業などによる持ち出しPCよりも大きな課題だったのが顧客企業などに出向した社員が持参しているPCの管理です。一時的な持ち出しであれば、社内LANに接続したタイミングで情報を取得できますが、出向となるとそうはいきません。Corp. XGを導入してからは、長期に持ち出されるPCも社内PCと同じポリシーで運用できるようになりました」(水谷氏)。

トレンドマイクロのサポートに対する満足度も高く、製品の効果的な使い方や検証ポイントなどをサポートしてくれ、スムーズに運用定着を図ることができているという。

今後の展望

今後、同社はCSIRTを中心に組織的な取り組みを進め、セキュリティのさらなる強化を図っていく。「Corp. XGのログなどをSIEMに取り込み、どんな攻撃を受けているのかを分析するなどしてPDCAサイクルを回し、防御力の強化を目指します」と高野氏は強調する。

活動を推進する上ではセキュリティベンダーの協力が欠かせない。「新たな脅威情報のほか、防御力の強化に向けた新製品や新機能の紹介などトレンドマイクロのサポートには今後も大いに期待しています」と高野氏は続ける。

同社は、このような取り組みでセキュリティレベルの向上を推進し、安心と信頼に支えられた総合女性マーケティング企業としてさらなる成長を目指していく構えだ。

※ 記載内容は2017年3月現在のものです。内容は予告なく変更される場合があります。