北日本放送株式会社

仮想化環境の特性を活かした
エージェントレス型のセキュリティ対策で
VDI のパフォーマンス問題を解消

概要

お客さまの課題

仮想PCの台数の増加にともなってVDIのパフォーマンスが低下。ユーザの業務にも影響が生じていた

解決策と効果

エージェントレス型のセキュリティ対策で、ウイルスチェックやパターンファイル更新によるサーバ過負荷を解消

"懸案であったVDI のパフォーマンス問題を効果的に解消できました。Trend Micro Deep Security は操作性にも優れており、ユーザ企業での導入・運用も問題なく行えますね"

北日本放送株式会社
営業本部 編成業務局 編成業務部 次長
寺西 徹 氏

導入の背景・課題

富山県を中心にテレビ/ラジオ放送事業を展開する北日本放送。2014年12月には、AMラジオの難聴対策や大規模自然災害への対応を図るべくFM中継補完局「KNBラジオ+FM90.2」を新たに開局するなど、地域の生活や文化、産業を支えるメディアとして重要な役割を果たし続けている。

近年、同社は、先進的なITの導入に積極的に取り組んでいる。その1つが仮想化技術の導入だ。サーバを仮想化するのはもちろん、社員が利用するクライアントPCも「VMware vSphere」と「Citrix XenDesktop」を活用してVDI(Virtual Desktop Infrastructure)に移行。煩雑なPCの運用管理の効率化・省力化に役立てている。

しかし、VDIの利用が広がるにともない、新たな課題が生じてきたという。

元々は事務業務向けPCを対象としていたVDIだが、徐々に適用範囲が広がり、現在は、基幹業務や番組編成業務などの重要業務にも適用されるようになっている。「最初は20台程度だったのですが、現在では約180台にまで大規模化しています。サーバ負荷が高まったことでレスポンスも低下し、エンドユーザからも『遅くて困る』とのクレームが寄せられるようになってきました」と北日本放送の寺西 徹氏は話す。

PCのレスポンスは、業務効率に直結する。場合によっては、全社のビジネスにも影響が生じかねないため、一刻も早くVDIのパフォーマンス改善を図る必要があると感じていた。

選定理由・ソリューション

VDIのパフォーマンスを改善するために、同社はシステムを構成するコンポーネントを1つずつ丹念にチェック。高性能ストレージやキャッシュソフトを導入するなど、インフラのボトルネック解消などに努めた。その一環として着手したのがセキュリティ対策の最適化だ。

ウイルス対策ソフトのウイルスチェックやパターンファイル更新は、VDIにおけるサーバの過負荷、ひいてはPCのレスポンス低下の原因の1つとなる。同社は、そうした事態を避けるため、昼休みの間にウイルスチェックを行うようにしていたが、午後の業務開始時間になっても処理が終わらないケースがあった。ウイルスチェックの時間を夜間に設定し直すなどして凌いではいたが、本質的な問題解決にはつながらない。「そもそも、各PCで個別にソフトが稼働するのでは、物理PCのころと仕組みは同じ。せっかく仮想化技術を活用しているのなら、仮想化環境にふさわしいセキュリティ対策があるのではという思いもありました」と寺西氏は話す。

そこで、同社は様々なセキュリティソリューションを調査。その結果、新たに採用したのがトレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security™(以下、Deep Security)」である。

Deep Securityは、各PCにエージェントを配備する既存の方式だけでなく、エージェントレス型のセキュリティを実現可能。VMware上の仮想アプライアンスにセキュリティをオフロードすることで、各仮想PCへの負荷を最小限に抑えられる。「既存のセキュリティ製品を更新した方がコストを抑えることができたのですが、仮想化環境の特性を活かした対策を実現できるDeep Securityの方に魅力を感じ、採用を決めました」と寺西氏は話す。

さらに運用のしやすさも高く評価した。同社は、基本的にシステムの構築・運用を可能な限り社内で行っている。そのため、手間のかかるソリューションはできるだけ避けたいという思いがあった。「ウィザードに沿って設定をすれば簡単に導入できるうえ、海外の他社製品などに比べてマニュアルやトレーニングプログラムも充実している。実際、導入作業は私だけで十分対応することができました」(寺西氏)。

導入効果

同社は、まず20台の仮想PCを対象にDeep Securityを適用。今後、段階的に適用範囲を拡大し、最終的には約180台の仮想PCが適用対象となる予定だ。

課題となっていた仮想PCのパフォーマンス問題も解決。「Deep Securityを適用した仮想PCの利用ユーザからは、『以前のような遅さを感じることはなくなり、快適に業務が行えている』と回答を得ています。パフォーマンスの改善はもちろん、今後、適用台数が増えていけばコストメリットにもつながるので、早急に範囲を広げていきたいですね」と寺西氏は言う。

従来のセキュリティ対策では、仮想PCのリソース不足でパターンファイルが更新されないといった問題も生じていたが、エージェントレス型の対策が行えるDeep Securityなら、こうした問題も解決できる。パフォーマンスだけでなく、エンドポイントセキュリティの強化という面でも大きな効果が生まれている。

また、以前のエージェント型のウイルス対策ソフトでは、各仮想PCのセットアップなどに手間がかかっていたが、エージェントレス型のDeep Securityなら、そうした手間も不要。「新たな仮想PCを用意する際に行っていたマスターイメージのレジストリ修正やエージェント導入などの作業は一切要りません。これにより1台あたり15分程度はかかっていた準備時間が、今ではゼロになっています。また、放っておいても常に最新のセキュリティを保てますから、運用管理負担は大幅に軽減できた印象ですね」と寺西氏は話す。

現在はウイルス対策をメインに活用しているが、今後、脆弱性対策をはじめとするDeep Securityの他の機能についても、必要に応じて導入を検討していく予定だ。

「VDIについては一段落ですが、仮想化環境のセキュリティという意味ではサーバの対策強化も重要になってきます。ユーザに安全・安心な業務環境を提供するためにも、トレンドマイクロの豊富な知見を頼りにしています」と寺西氏はトレンドマイクロへの期待を述べた。

セキュリティを仮想アプライアンスにオフロードできるTrend Micro Deep Security™

※ 記載内容は2015年4月現在のものです。内容は予告なく変更される場合があります。