解析者: Clive Fuentebella   

 別名:

PUA.NoobyProtect, Virus.Win32.Delf (IKARUS)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ファイル感染型ウイルス

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ウイルスは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ウイルスは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

ファイルサイズ 4,785,152 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルのダウンロード, 情報収集, システムのレジストリの変更, ファイルの作成

侵入方法

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ウイルスは、以下のフォルダを追加します。

  • %ProgramData%\Synaptics

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

ウイルスは、以下のファイルを作成します。

  • {Malware path}\._cache_{Malware name} (copy of original executable prior to its infection)
  • %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe (mother file)
  • %System%\{Random characters}.exe

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 . %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ウイルスは、以下のプロセスを追加します。

  • {Malware path}\._cache_{Malware name}
  • %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe InjUpdate
  • %System%\cmd.exe /c pause
  • %System%\cmd.exe /c del {Malware path}\._cache_{Malware name} > nul

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 . %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ウイルスは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Synaptics2X
  • FBsaFRkaHhUUGxoVFB0cKw==

自動実行方法

ウイルスは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Synaptics Pointing Device Driver = %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe

ウイルスは、以下のサービスを開始します。

  • Service name: Abcdef Hijklmno Qrs
    Image path: %System%\{Random characters}.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ファイル感染

ウイルスは、以下の形式のファイルに感染します。

  • .exe
  • .xlsx (changed extension to .xlsm)

バックドア活動

ウイルスは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Get command line access
  • Capture screenshot
  • List all disks
  • List folders
  • Download and execute files
  • Delete files
  • Add guest users to net group
  • Display message boxes
  • Log keystrokes
  • Get clipboard data
  • Write to master boot record

ウイルスは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://freedns.{BLOCKED}d.org/api/?action=getdyndns&sha=a30fa98efc092684e8d1c5cff797bcc613562978
  • xred.{BLOCKED}o.com:1199
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.103.169:6380

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ダウンロード活動

ウイルスは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。

  • https://docs.{BLOCKED}e.com/uc?id=0BxsMXGfPIZfSVlVsOGlEVGxuZVk&export
  • https://www.{BLOCKED}x.com/s/n1w4p8gc6jzo0sg/SUpdate.ini?dl=1
  • http://xred.{BLOCKED}.net/syn/SUpdate.ini
  • https://docs.{BLOCKED}e.com/uc?id=0BxsMXGfPIZfSVzUyaHFYVkQxeFk&export=download
  • https://www.{BLOCKED}x.com/s/zhp1b06imehwylq/Synaptics.rar?dl=1
  • http://xred.{BLOCKED}.net/syn/Synaptics.rar
  • https://docs.{BLOCKED}e.com/uc?id=0BxsMXGfPIZfSTmlVYkxhSDg5TzQ&export=download
  • https://www.{BLOCKED}x.com/s/fzj752whr3ontsm/SSLLibrary.dll?dl=1
  • http://xred.{BLOCKED}.net/syn/SSLLibrary.dll

ウイルスは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\{Random characters}.ini

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

トロイの木馬化されたアプリケーションが実行されると、[Malware]は、以下の情報を収集します。

  • OS information
  • Location of %ProgramData% folder
  • Dropped file and folder name
  • Flag to indicate if malware is executed as administrator
  • Malware version
  • Keylogged information
  • Clipboard data

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

情報収集

ウイルスは、SMTPを用いて、自身が収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。

  • {BLOCKED}ne2@gmail.com
  • {BLOCKED}ne3@gmail.com

その他

ウイルスは、以下を実行します。

  • It may enable or disable remote desktop connections through manipulating the following registry:
    • HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\fDenyTSConnections

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • InjUpdate

<補足>

インストール

ウイルスは、以下のファイルを作成します。

  • {ウイルスのパス}\._cache_{ウイルス名} (感染する前の元の実行ファイルのコピー)
  • %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe (マザーファイル)
  • %System%\{ランダムな文字}.exe

ウイルスは、以下のプロセスを追加します。

  • {ウイルスのパス}\._cache_{ウイルス名}
  • %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe InjUpdate
  • %System%\cmd.exe /c pause
  • %System%\cmd.exe /c del {ウイルスのパス}\._cache_{ウイルス名} > nul

自動実行方法

ウイルスは、以下のサービスを開始します。

  • サービス名: Abcdef Hijklmno Qrs
  • イメージパス: %System%\{ランダムな文字}.exe

ファイル感染

ウイルスは、以下の形式のファイルに感染します。

  • .exe
  • .xlsx (拡張子を「.xlsm」に変更する)

バックドア活動

ウイルスは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • コマンドラインへのアクセス
  • スクリーンショットの取得
  • ディスクの一覧表示
  • フォルダの一覧表示
  • ファイルのダウンロードと実行
  • ファイルの削除
  • ネットグループへのゲストユーザの追加
  • メッセージボックスの表示
  • キー入力操作の記録
  • クリップボードデータの取得
  • マスターブートレコードへの書き込み

ダウンロード活動

ウイルスは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\{ランダムな文字}.ini

情報漏えい

トロイの木馬化されたアプリケーションが実行されると、ウイルスは、以下の情報を収集します。

  • OS情報
  • %ProgramData%フォルダの場所
  • ドロップされたファイルとフォルダの名前
  • マルウェアが管理者として実行されたかどうかを示すフラグ
  • ウイルスのバージョン
  • キーロガー情報
  • クリップボードのデータ

その他

ウイルスは、以下を実行します。

  • 以下のレジストリを操作して、リモートデスクトップ接続を有効または無効にします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\fDenyTSConnections

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.838.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年7月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.839.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年7月13日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF046

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このマルウェアのサービスを無効にします。

[ 詳細 ]
  • Abcdef Hijklmno Qrs

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Synaptics Pointing Device Driver=%ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Malware path}\._cache_{Malware name}
  • %ProgramData%\Synaptics\Synaptics.exe
  • %System%\{Random characters}.exe

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\Synaptics

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Virus.Win32.NAPWHICH.C」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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