解析者: Paul Steven Nadera   

 別名:

W32/Whiteice.B (Fortinet); a variant of Win32/Whiteice virus (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ファイル感染型ウイルス

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ウイルスは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ウイルスは、感染コンピュータ上の特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 86,016 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年5月7日
ペイロード ファイルの作成, URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの削除, プロセスの強制終了, ファイルのダウンロード, 情報収集

侵入方法

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ウイルスは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\blackice.exe
  • %System%\kernel.dll
  • {Removable drive}\blackice.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ウイルスは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\blackice.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ウイルスは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • blackicemutex

ウイルスは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe

自動実行方法

ウイルスは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
run = %System%\blackice.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
shell = Explorer.exe %System%\blackice.exe

ウイルスは、以下のファイルを作成します。

  • {Removable Drive}\AUTORUN.inf -> executes blackice.exe

他のシステム変更

ウイルスは、以下のファイルを削除します。

  • Files with .GHO extension (Norton backup)

ウイルスは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\
Office\{Office Version}\Word\
Security
Level = 1

HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\
Office\{Office Version}\Word\
Security
AccessVBOM = 1

HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\
Office\{Office Version}\Excel\
Security
Level = 1

HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\
Office\{Office Version}\Excel\
Security
AccessVBOM = 1

ファイル感染

ウイルスは、以下の形式のファイルに感染します。

  • .XLS files
  • .DOC files
  • .EXE files

ウイルスは、以下のファイルには感染しません。

  • "winnt" in path
  • "windows" in path

感染活動

ウイルスは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ルートキット機能

ウイルスは、ルートキット機能を備えていません。

プロセスの終了

ウイルスは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • NAVAPW32
  • NAVAPSVC
  • NMAIN
  • NAVW32
  • KVFW
  • KAVSVCUI
  • KAVPFW
  • KAV32
  • KVXP
  • KVSRVXP
  • KVMONXP
  • KVWSC
  • KAVSVC
  • KWATCHUI
  • RAVMOND
  • RAVMON
  • RAVTIMER
  • RISING
  • RAV.EXE
  • IPARMOR
  • TROJANHUNTER
  • THGUARD
  • PFW
  • EGHOST
  • ANYVIEW
  • KASPERSKY
  • 360SAFE

ダウンロード活動

ウイルスは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://fmtwld.{BLOCKED}j.com/blackice/url.txt
  • http://fmtwld.{BLOCKED}p.net/blackice/url.txt

ウイルスは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %System%\blackice.ini -> contains received information from C2 server (deleted later)

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

ウイルスは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • Hostname
  • Volume Serial Number
  • MAC Address
  • Microsoft Office Version

その他

ウイルスは、以下を実行します。

  • Should meet the following conditions in order to proceed with infection routine:
    • dwOSVersionInfoSize should be 9c or 94
    • dwPlatformId should be 2 (Win32NT or later)
  • Infects files found in the following drive types:
    • Fixed
    • Network connected via WNetEnum

注意:

ウイルスは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

<補足>
インストール

ウイルスは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\blackice.exe
  • %System%\kernel.dll
  • {リムーバブルドライブ}\blackice.exe

自動実行方法

ウイルスは、以下のファイルを作成します。

  • {リムーバブルドライブ}\AUTORUN.inf → blackice.exeの実行

他のシステム変更

ウイルスは、以下のファイルを削除します。

  • ノートンバックアップファイル(拡張子GHO)

ファイル感染

ウイルスは、以下の形式のファイルに感染します。

  • Excelファイル(拡張子XLS)
  • 文書ファイル(拡張子DOC)
  • 実行ファイル(拡張子EXE)

ウイルスは、以下のファイルには感染しません。

  • パス内の「winnt」
  • パス内の「windows」

ダウンロード活動

ウイルスは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %System%\blackice.ini → C&Cサーバから受信した情報を含む (後に削除される)

情報漏えい

ウイルスは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • ホスト名
  • ボリュームシリアルナンバー
  • MACアドレス
  • Microsoft Office製品のバージョン

その他

ウイルスは、以下を実行します。

  • 感染活動を続行するには、以下の条件を満たす必要があります。
    • dwOSVersionInfoSizeは、9cあるいは94である必要があります。
    • dwPlatformIdは、2である必要があります。 (Win32NT以降)
  • 以下のドライブタイプ内で見つかったファイルに感染します。
    • 固定
    • WNetEnum経由で接続されたネットワーク

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.710.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年5月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.711.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年5月11日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Virus.Win32.BKICE.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • run = %System%\blackice.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • shell = Explorer.exe %System%\blackice.exe
  • In HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\Office\{Office Version}\Word\Security
    • Level = 1
  • In HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\Office\{Office Version}\Word\Security
    • AccessVBOM = 1
  • In HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\Office\{Office Version}\Excel\Security
    • Level = 1
  • In HKEY_CURRENT_MACHINE\Software\Microsoft\Office\{Office Version}\Excel\Security
    • AccessVBOM = 1

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %System%\blackice.exe
  • %System%\kernel.dll
  • %System%\blackice.ini
  • {Removable Drive}\AUTORUN.inf
  • {Removable drive}\blackice.exe

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Virus.Win32.BKICE.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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