Ransom.Win64.RHYSIDA.SM
Win32:Dh-A [Heur] (AVAST)
Windows

マルウェアタイプ:
身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
身代金要求文書のファイルを作成します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %Public%\bg.jpg
(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
- cmd.exe /c for /F "tokens=*" %1 in ('wevtutil.exe el') DO wevtutil.exe cl "%1
- cmd.exe /c start powershell.exe -WindowStyle Hidden -Command "Sleep -Milliseconds 1000; schtasks /delete /tn Rhsd /f;
- cmd.exe /c vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
- cmd.exe /c reg delete "HKCU\Contol Panel\Desktop" /v Wallpaper /f
- cmd.exe /c reg delete "HKCU\Conttol Panel\Desktop" /v WallpaperStyle /f
- cmd.exe /c reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop" /v NoChangingWallPaper /t REG_SZ /d 1 /f
- cmd.exe /c reg add "HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop" /v NoChangingWallPaper /t REG_SZ /d 1 /f
- cmd.exe /c reg add "HKCU\Control Panel\Desktop" /v Wallpaper /t REG_SZ /d "%Public%\bg.jpg" /f
- cmd.exe /c reg add "HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v Wallpaper /t REG_SZ /d "%Public%\bg.jpg" /f
- cmd.exe /c reg add "HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v WallpaperStyle /t REG_SZ /d 2 /f
- cmd.exe /c reg add "HKCU\Control Panel\Desktop" /v WallpaperStyle /t REG_SZ /d 2 /f
- rundll32.exe user32.dll,UpdatePerUserSystemParameters
- cmd.exe /c start ping 127.0.0.1 -n 2
(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallPaper = 1
(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallPaper = 1
(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %Public%\bg.jpg
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
Wallpaper = %Public%\bg.jpg
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
WallpaperStyle = 2
(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = 2
(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)
マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。
- %Public%\bg.jpg
その他
マルウェアは、以下を実行します。
- It initializes resources based on the number of processors available in the system.
- It encrypts all system drives from A to Z.
マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
- -d {path to encrypt} → used to specify directory to encrypt
- -sr
- -nobg → used to disable modification of desktop wallpaper after encryption
- -md5
- -S → executes the following:
- Avoids Ransomware Routine
- Creates scheduled tasks named Rhsd
以下のスケジュールされたタスクを追加します:
- Task: Rhsd
- Trigger: At system start Up
- Action: "{Malware File Path}\{Malware File name}" -sr
ランサムウェアの不正活動
マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。
- .bat
- .bin
- .cab
- .cmd
- .com
- .cur
- .diagcab
- .diagcfg
- .diagpkg
- .drv
- .dll
- .exe
- .hlp
- .hta
- .ico
- .msi
- .ocx
- .ps1
- .psm1
- .scr
- .sys
- .ini
- Thumbs.db
- .url
- .iso
マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。
- $Recycle.Bin
- Boot
- Documents and Settings
- PerfLogs
- ProgramData
- Recovery
- System Volume Information
- Windows
- $RECYCLE.BIN
- ApzData
マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。
- .rhysida
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。
- {Encrypted Directory}\CriticalBreachDetected.pdf
<補足>
その他
マルウェアは、以下を実行します。
- 感染コンピュータ内で使用可能なプロセッサの数に基づいてリソースを初期化します。
- AからZまでのすべてのシステムドライブを暗号化します。
マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
- -d {暗号化対象のパス} → 暗号化するディレクトリの指定に使用される
- -sr
- -nobg → 暗号化後にデスクトップの壁紙の変更を無効化するために使用される
- -md5
- -S → 以下を実行します。
- ランサムウェアの不正活動を行わない
- 「Rhsd」という名前のスケジュールされたタスクを作成する
以下のスケジュールされたタスクを追加します。
- タスク: Rhsd
- トリガ: コンピュータの起動時
- アクション: "{マルウェアのファイルパス}\{マルウェアのファイル名}" -sr
対応方法
手順 1
トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。
-
Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF070
手順 2
Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 5
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
- NoChangingWallPaper = 1
- NoChangingWallPaper = 1
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
- NoChangingWallPaper = 1
- NoChangingWallPaper = 1
- In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
- Wallpaper = %Public%\bg.jpg
- Wallpaper = %Public%\bg.jpg
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
- Wallpaper = %Public%\bg.jpg
- Wallpaper = %Public%\bg.jpg
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
- WallpaperStyle = 2
- WallpaperStyle = 2
- In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
- WallpaperStyle = 2
- WallpaperStyle = 2
手順 6
セーフモード時のスケジュールタスクの削除方法
- セーフモードのまま、以下の{タスク名}-{実行するタスク}のリストを使用し、以下のステップで確認する必要があります。
- Task Name: Rhsd
- Task to be run: {Malware File Path}\{Malware File name} -sr
- Windows 7 および Server 2008 (R2) をご使用の場合は、[スタート] > [コンピューター] をクリックします。
- Windows 8、8.1、10、Server 2012をご使用の場合は、画面左下で右クリックし、「ファイルエクスプローラ」をクリックします。
- PCの検索欄に、次のように入力します。
- System%\Tasks\{タスク名}
- ファイルを選択し、SHIFT+DELETEキーを押して削除します。
- レジストリエディタを開き、以下を実行してください。
- Windows 7およびServer 2008(R2)をご使用の場合は、[スタート]ボタンをクリックし、[検索]入力フィールドに「regedit」と入力し、Enterキーを押します。
- Windows 8、8.1、10、およびServer 2012(R2)をご使用の場合は、画面の左下隅を右クリックし、[実行]をクリックして、テキストボックスに「regedit」と入力します。
- レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
- HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
- 作成されたエントリを探し、レジストリ値のデータをメモする。
- ID={タスクデータ}
- データを記録した後、レジストリキーを削除します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
- レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
- HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tasks
- 左側のパネルで、手順6で配置したTask Dataと同じ名前のレジストリキーを探して削除します。
- ={タスクデータ}
- レジストリエディタを閉じます。
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %Public%\bg.jpg
- {Encrypted Directory}\CriticalBreachDetected.pdf
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.RHYSIDA.SM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 9
暗号化されたファイルをバックアップから復元します。
手順 10
デスクトッププロパティを修正します。
ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください