解析者: John Rainier Navato   

 別名:

VHO:Trojan-Ransom.Win32.Agent.gen (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、感染コンピュータ上の特定の情報を収集します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 362,496 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2023年7月20日
ペイロード システム情報の収集, ファイルの暗号化, 画像の表示, メッセージボックスの表示, システムのレジストリの変更

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c for /F "tokens=*" %1 in ('wevtutil.exe el') DO wevtutil.exe cl "%1"
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c start powershell.exe -WindowStyle Hidden -Command "Sleep -Milliseconds 1000; schtasks /end /tn Rhsd; schtasks /delete /tn Rhsd /f; schtasks /create /sc ONSTART /tn Rhsd /tr \"'{Malware File Path}\{Malware File Name}.exe' {accepted arguments}\" /ru system; schtasks /run /tn Rhsd /i
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c start powershell.exe -WindowStyle Hidden -Command \"Sleep -Milliseconds 1000; schtasks /delete /tn Rhsd /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c start ping 127.0.0.1 -n 2 > nul && del /f /q "{Malware File Path}\{Malware File Name}.exe"
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg delete \"HKCU\Contol Panel\Desktop\" /v Wallpaper /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg delete \"HKCU\Conttol Panel\Desktop\" /v WallpaperStyle /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop\" /v NoChangingWallPaper /t REG_SZ /d 1 /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop\" /v NoChangingWallPaper /t REG_SZ /d 1 /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKCU\Control Panel\Desktop\" /v Wallpaper /t REG_SZ /d \"%Public%\bg.jpg\" /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System\" /v Wallpaper /t REG_SZ /d \"%Public%\bg.jpg\" /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System\" /v WallpaperStyle /t REG_SZ /d 2 /f
  • %System%\cmd.exe /c cmd.exe /c reg add \"HKCU\Control Panel\Desktop\" /v WallpaperStyle /t REG_SZ /d 2 /f
  • %System%\cmd.exe /c rundll32.exe user32.dll,UpdatePerUserSystemParameters

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallPaper = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallPaper = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %Public%\bg.jpg

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
Wallpaper = %Public%\bg.jpg

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
WallpaperStyle = 2

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = 2

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %Public%\bg.jpg

情報漏えい

マルウェアは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • Number of processors
  • System information

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -d {path to encrypt} → used to specify directory to encrypt
  • -sr → used to remove/delete itself if -S is not passed as an argument
  • -nobg → avoids replacing desktop wallpaper and avoids disabling the ability to replace desktop wallpaper
  • -md5
  • -S → avoids ransomware routine and creates scheduled task named Rhsd to execute itself on system startup

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies
ActiveDesktop =

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies
ActiveDesktop =

マルウェアは、以下を実行します。

  • It changes the desktop wallpaper after encryption and prevents the user from changing it back by modifying the NoChangingWallpaper registry value.
  • It uses wevtutil.exe to clear Windows event logs.
  • It initializes resources based on the number of processors available in the system.
  • It encrypts all available drives from A to Z.

以下のスケジュールされたタスクを追加します:

  • Task Name: Rhsd
    Trigger: At system startup
    Action: Start a program: {Malware File Path}\{Malware File Name}.exe {accepted commands}

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $Recycle.Bin
  • Boot
  • Documents and Settings
  • PerfLogs
  • ProgramData
  • Recovery
  • System Volume Information
  • Windows
  • $RECYCLE.BIN
  • ApzData

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .rhysida

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\CriticalBreachDetected.pdf

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .bat
  • .bin
  • .cab
  • .cmd
  • .com
  • .cur
  • .diagcab
  • .diagcfg
  • .diagpkg
  • .drv
  • .dll
  • .exe
  • .hlp
  • .hta
  • .ico
  • .msi
  • .ocx
  • .ps1
  • .psm1
  • .scr
  • .sys
  • .ini
  • .Thumbs.db
  • .url
  • .iso

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.582.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年7月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.583.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年7月21日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF071

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

セーフモード時のスケジュールタスクの削除方法

  1. セーフモードのまま、以下の{タスク名}-{実行するタスク}のリストを使用し、以下のステップで確認する必要があります。
    • Task Name: Rhsd
      Task to be run: {Malware File Path}\{Malware File Name}.exe {accepted commands}
  2. Windows 7 および Server 2008 (R2) をご使用の場合は、[スタート] > [コンピューター] をクリックします。
    • Windows 8、8.1、10、Server 2012をご使用の場合は、画面左下で右クリックし、「ファイルエクスプローラ」をクリックします。
  3. PCの検索欄に、次のように入力します。
    • System%\Tasks\{タスク名}
  4. ファイルを選択し、SHIFT+DELETEキーを押して削除します。
  5. レジストリエディタを開き、以下を実行してください。
    • Windows 7およびServer 2008(R2)をご使用の場合は、[スタート]ボタンをクリックし、[検索]入力フィールドに「regedit」と入力し、Enterキーを押します。
    • Windows 8、8.1、10、およびServer 2012(R2)をご使用の場合は、画面の左下隅を右クリックし、[実行]をクリックして、テキストボックスに「regedit」と入力します。
  6. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  7. 作成されたエントリを探し、レジストリ値のデータをメモする。
    • ID={タスクデータ}
  8. データを記録した後、レジストリキーを削除します。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  9. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tasks
  10. 左側のパネルで、手順6で配置したTask Dataと同じ名前のレジストリキーを探して削除します。
    • ={タスクデータ}
  11. レジストリエディタを閉じます。

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
    • NoChangingWallPaper = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
    • NoChangingWallPaper = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • Wallpaper = %Public%\bg.jpg
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • Wallpaper = %Public%\bg.jpg
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • WallpaperStyle = 2
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • WallpaperStyle = 2

手順 7

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies
    • ActiveDesktop
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies
    • ActiveDesktop

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Public%\bg.jpg

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.RHYSIDA.YXDGTT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 11

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]


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