第49回SMILE PROJECTレポート

第49回SMILE PROJECTは、前回*に引き続き神奈川県愛甲郡愛川町の児童養護施設「手まり学園」にて活動を実施しました。
23名の社員が参加した活動の様子をレポートします。

◆青空のもと夕方まで遊び続ける子ども達

■今回の活動内容

前回は建物のワックスがけを実施しましたが、今回は特定非営利活動法人「プレイグラウンド・オブ・ホープ」の協力の下、コンクリートのグラウンドに、クッション性のあるカラフルなプラスチック製のタイルを敷き詰め、子どもたちが安全に走り回れる場所を作ります。
タイルにはテニスやフットサル、バスケットボール用のラインが引かれており、グラウンドをいろいろな目的で利用することもできるようになります。

◆タイルを敷く前のグラウンド

■当日の活動の流れ

「プレイグラウンド・オブ・ホープ」の方のオリエンテーションを受け、まずは大量のタイルが詰まったダンボール箱50個を、グラウンドへ運び入れます。
前々日の大雨が嘘のようにこの日は晴天で、重くて大きいダンボール箱を数個運ぶだけで、汗が吹き出てくるような気候でした。参加した社員皆、日頃の運動不足を呪いながら、必死に運びます。

◆二人がかりでなければ運べない重さの箱でした

運び込みが終わり一段落したところで、手まり学園の園長さん、副園長さんから、施設のご紹介をいただきました。
幼児さん(小学生未満の子たちをこう呼んでいるそうです)、小学生、中学生、高校生がそれぞれ10名程度暮らしている手まり学園では、年上の子たちが下の子達の面倒をよく見てくれ、学校からもここで暮らす子どもたちの評判は大変良いとのことでした。
副園長さんによると、グラウンドができてからは、少し部屋に閉じこもりがちだった子も、外に出て遊び回る機会が増えて、日頃のストレスを発散できているように感じるとのことでした。 その大事なグラウンドを、更に魅力的にする活動なので、とても嬉しいとおっしゃってくださり、この後の作業にも気合が入りました。

小学生は14時~15時くらいには学校から帰ってくる予定とのことで、それまでには完成させて、朝見たコンクリートのグラウンドが、カラフルに生まれ変わった姿を見せてびっくりさせてあげたいと、私は密かに決意しました。

◆タイルの位置合わせ作業はとても重要です

園長さん、副園長さんのお話を聞き、早速タイルの敷き詰め作業に取り掛かります。
プラスチック製のタイルはバチンと組み合わせて固定をしていくもので、ハマる瞬間の感触が心地よく、「プレイグラウンド・オブ・ホープ」の方もプチプチの緩衝材を潰しているみたいで気持ち良いでしょ、とおっしゃっていました。
いろいろな競技用のラインが引かれているため、ちょっとでも順番が狂うとラインがつながらず、「このタイルどこだ?」「分かった!これとこれが逆だ!」など、皆四苦八苦しながらひたすらパチンパチンと敷き詰めていきます。

個人的に印象深かったのは、当日参加していた、会社ではすごく偉い人も、皆と同じように這いつくばってタイルを留めたり、誰かの指示でタイルを引っ張って位置を合わせたりしている様子でした。ちょっと笑いそうでした。

14時前にはタイルは敷き詰め終わり、後はドリルでコンクリートに穴を開け、ネジ止めをするだけとなりました。
しかしここからが重労働でした、ダンボール箱が壊れないように運送するために使われていた木枠を分解する作業を指示された、私を含めた数名は、重さ1kg以上はありそうなハンマーと巨大なバールで、ひたすら釘打ちされた木枠を分解する作業となりました。

◆木枠の解体作業

最初はすぐできるだろうと思っていたのですが、中腰の状態で長くいるため腰は痛くなるは、季節外れの暖かさで汗はボタボタ垂れ、ハンマーを持つ手の握力はなくなり、きっと明日は猛烈な筋肉痛だなと覚悟しました。(この文章を書いている現在も、右手がうまくキーを叩いてくれません 笑)

◆遊具のペンキ塗りを担当したメンバーもスマイル!

◆寄贈した絵本の読み聞かせの様子

■絵本の読み聞かせ

またリビングでは、読み聞かせ経験のある社員が、幼児さんたちに絵本の読み聞かせ会も実施しました。幼児さんたちからの「ありがとう!」のお礼の言葉に、社員一同ほっこりとした気持ちになりました。
当日読み聞かせたものも含めて、絵本の「新刊」11冊を寄贈させていただきました。
ちなみにこういった施設へは、絵本の寄贈などがたくさんあるそうなのですが、同一の有名絵本が何冊も贈られることがしばしばあるとのことで、「新刊」を寄贈することが喜ばれるそうです。

◆ついに完成!

■プレイグラウンド完成!

15時過ぎにはタイルのネジ止めも終わり、ついにプレイグラウンドが完成しました。そのタイミングで小学生たちがちらほら学校から帰ってきました。
ボールなどが飛んでいかないように囲われた格子から興味深そうにプレイグラウンドを見る小学校男子2名に、
少し誇らしげに「かっこいいでしょ?」と声をかけると
「入っていい?」
「もちろんいいよ」
「かばん置いてくる!」
ダッシュで小舎へ向かった子が、ボールを持って駆け戻ってきました。
大きな歓声を上げながら、私達が作ったプレイグラウンドの上を駆け回っている姿を見たら、何だかグッときました。

その後も、女の子たちが縄跳びをしたり、バスケットボールをしたり、小さな子たちと社員が鬼ごっこをして駆け回ったり、本当に楽しそうに遊んでいて、1日の疲れが吹き飛んだような気がしました。

■ボランティア活動を終えて

ウイルスバスタースマイルプロジェクトは、2011年の東日本大震災をきっかけに、当社としてできることは何か考え、社員参加で被災地支援をすることからスタートしました。その対象は東日本大震災の被災地から、日本全国の地震や災害の被災地へと広げてきました。
前回よりおうかがいしている児童養護施設での活動は、スマイルプロジェクトの新たな取り組みです。

今回の活動で、いろいろな理由で家族と暮らせない子どもたちが、日本にもたくさんいるということを知りました。
臨床心理士の資格を持つという副園長さんが「(そういった人を癒やすべき立場の)私がこんなことを言ってはいけないのだけど、結局体を動かしていっぱい遊ぶことが、ストレス発散の一番の方法なのですよね」とおっしゃっていました。
そういった場所を提供する活動ができたことをとてもうれしく思いました。

子どもたちが、笑顔で遊べること、そういう場所があるということ、それは少し大げさかもしれませんが、子どもたちが未来への希望を持って生きていくことの、最初の一歩のような気もしました。

私はボランティア活動が初めてだったので、偉そうなことは何も言えませんが、やってみたらこんなに楽しく清々しい気持ちになるのなら、もっと早くから取り組めばよかったと心底思いました。
この経験をきっかけに、今後も自分のやれる範囲で、自分が正しい・好ましいと思う活動を、いろいろな雑音など気にすることなく、地道に続けていこうと思うようになりました。

以上、事業戦略推進部 鳥羽が報告しました。

活動年月日:2020年1月30(木)