第36回SMILE PROJECTレポート

「なんだ!この風景は!!」「想像を絶する世界!!」「何故もっと報道されない!!」
第36回Smile Project 「九州北部豪雨災害復旧ボランティア」はこんな度肝を抜かれた状態で始まりました。
レポートは営業部 桝本哲也がご報告させて頂きます。

■心強いメンバー16名
福岡・大分豪雨による土砂崩れや河川氾濫の影響を受けた地域に、今回16名が参加しました。ほぼ全員が東北や熊本の復旧支援のボランティアに参加経験のある心強いメンバーです。会社のさまざまな部門、そして全国から集結しました。 最年長で地元の安本さんがキャプテン。年齢も体系も幅広く、ボディビルダーのような益田さんから、この日に向けて体を絞ってきた大久保さん、腰痛抱えた中野さんなど、性格・体のコンディションも含め「多様性」ある16名でした。

■1日目:福岡県朝倉市杷木地区
ドライバーは女子2名(進藤さんと鈴木さん)福岡空港でレンタカーを借りて、高速を走る事1時間程度が過ぎた時、周りの景色がサーッと一変しました。
2017年7月の記録的な大雨により複数の河川が氾濫し、山からの土砂、植林地の木が大量に流れ込み、家もえぐられ、道もえぐられ、辺り一面が土色に変わっていました。(緑豊かな地域が、ほぼ一面が茶色になった状態)

■想像を絶する風景
とにかく、被害の爪痕が「想像」を絶しておりました。土砂による周辺地域の家が転がっている。山・川・家が削られている。
これは、いくら写真で見てもスケール感が伝わらないと思った瞬間に「何故この事態がもっと報道されないのか」と全員が感じました。
我々は「杷木 ボランティアセンター」にて事前説明と活動場所を受け、松末小学校近くのエリアに移動しました。
・見渡す限りの土嚢の山 ・行き交うダンプカーの列 ・河川で整備を行う無数の重機
※被災にあった方への配慮として、写真は最小限に控えます。

■活動開始①:2班に分かれて活動を行いました。
① 土砂に埋もれた「農業用機」「トラック」を取り出す作業と重機が入れるようにする土砂の除去作業班(10名)

みんな黙々と土砂をかき30分、トラクターで遠方に運んでいる間に休憩10分の繰り返し。
被害にあわれた方との共同作業でしたが、想像を超える思いをされたのにも関わらず、終始明るく振る舞ってくれた笑顔が脳裏から離れません。(合言葉は「プラセンタ」)高津さんが一生懸命仕切っておりました。
② 土砂に埋もれた住居の軒下仕上げ作業班(6名)
こちらも黙々と家の軒下にある土砂・ゴミの除去と仕上げ作業。家主様が安心して生活できるようにするため、最後に除菌処理を行います。その前工程となる仕上げ作業を行いました。※終了後、①に合流。

※最後「オロナミンC」の差入れを頂きました。若手「水野さんと田中さん」の元気ハツラツな満面な笑みが忘れられません。

■2日目:豪雨で現地がまさかの避難勧告
朝から豪雨による「避難勧告」が発令され、同地区でのボランティア活動が中止となりました。
※強烈な台風並みの雨と雷で、この日ボランティアセンターは閉鎖。
みんなで顔を見合わせながら、「こんなことがあるのか」「これからどうするか」と自分たちの身も心配しながら、一室に集まり緊急会議を実施しました。

■ボランティアセンターの連携力の高さを実感
全員一致の結論として、31回Smile Projectで支援活動をした熊本県益城町に移動して、2回目の支援活動をしよう!となり、熊本県のボランティアセンターに連絡しました。※千々和さんと進藤さんの交渉・連携が光る。
「これから16名が移動して支援活動を行いたい」とお伝えして、各地受け入れ先の調査とマッチングをして頂きました。
待つ事1時間、「大分県日田市」で受け入れ先が見つかったと連絡を受け現地に向かいました。
ここで、我々は支援活動を支えているボランティアセンターの皆さまの「大きな存在力」と「連携力」を再認識しました。
※実は連絡待つ時間を持て余さないようにと熊本に移動してしまっていたので、大分県に逆戻り。

■活動開始②:同じ大分県出身の方1名と東京からボランティア活動で来られた2名の方とビニールハウスで合流
日田市でチンゲン菜の農家を始めて30年の平川さんの支援ができました。27棟のビニールハウスの内、今回の河川氾濫による土砂で11棟も被害を受けてしまったと教えて頂きました。平川さん親子・合流した3名と総勢21名でハウス内の土砂除去作業を開始。
支援内容は、「マルチ(農業用資材)の除去を行わないと、重機が入れない」との事から、まずは機械ができないような「人の手による細かい作業」を全員で行い、15人の除去作業者と5台の一輪車で5人の土砂運搬作業者に分かれました。
外は「この雨、大丈夫か」と思う程の豪雨でしたが、ハウス内の作業ができたため、目標だった1棟分の復旧が達成できました。

■夜じゃなくてよかったの一言
休憩中「もし、夜に災害が起きていたら、更なる被害が出たのでは」と、切々と語って頂きました。
理由は「日中だったから、周りが見渡すことができた」「非難する先、土砂の流れも確認できた」「だから今、何をどうすれば良いかを判断できた」「夜だったら暗闇の中、何ができたのだろう」との事です。平川さんのビニールハウスはまさに川沿いで、目と鼻の先に濁流が流れていました。2か月たった今も、茶色に染まった川の中に大きな流木も沢山流れていました。

■農家とは自然との共存
私の子が将来「農家になりたい」と考えている事を相談すると、平川さん親子が口を揃えて一言。
「農家は自然との共存の一言に尽きる。」と語ってくれました。この地で農家を始めて30年、今は都内大手スーパーに納品や、上海など海外への輸出もしている状況にまでなれたが、「自然とどう向き合っていくか」が我々農家だと言う事です。
作業を終えた後、平川さん親子から「チンゲン菜」のお土産を全員分頂戴しました。スーパーでは見たことが無い位の「美しい色合い」と「見ただけで鮮度が分かるプリップリ感」がたまらないくらいの出来具合で、アートすら感じてしまうものでした。

■最後に
我々が共通して感じたのは「水」と言うキーワードでした。我々の「生命の源となる水」が、時として災害に絡むと「計り知れない規模になる」と言う事です。夏休み時期は沢山のボランティアの方が物凄く活躍されたと聞きました。しかし、はるかに凌駕する自然災害の規模だったと現地で体感し、車を進めれば進めるほど、支援が足りていない事がわかりました。

支援活動は、仕事と同じで「チームワークとは」を普段と違う形で具現化した2日間でもありました。
阿吽の呼吸で土砂をかき、スムーズな流れで土砂を運ぶチームプレー。誰一人指示を待つより、自分は何をしようかを瞬時で考え、実行に移す。多様性ある人と環境の中で一つの「絆」を感じました。

※「人は自然と共存しながら支え合って生きている」と再認識。仕事のチームワークも更に磨き続け、レベルを上げて行こうと誓う。

活動年月日:2017年9月6日(水)~9月7日(木)