第35回SMILE PROJECTレポート

「去年この場所には何もなかったのに、今年は商店街がオープンしていて驚きだった」
「以前訪れた時は仮設店舗だったのに、綺麗な店舗に移転していてビックリした」

第35回 ウイルスバスター スマイルプロジェクトのメンバーは、ほぼ全員が震災後の東北に一度は訪れたことのあるメンバー。以前の街の様子との変化に触れ、終始、復興を体感していました。

今回のレポートは、テクニカルサポートの秋保陽介と、営業部の河合康太朗がお届けします。

特に今回、2012年の夏からお手伝いさせていただいてるヤマヨ水産さんの養殖場を訪問した際に、5年前からスマイルプロジェクトに参加しているメンバーにとっては、なんとも感慨深いものがありました。オーナーの小松武さんは牡蠣養殖業を営んでいらっしゃいますが、当時、津波で何もかも流されてしまったとのこと。当時の夏のスマイルプロジェクトでは、よく牡蠣養殖のための筏作りをさせていただきました。

お話を伺うと、津波で流された船が偶然にも戻ってきた際には複雑な心境だったり、牡蠣養殖においても多くの失敗を経験されたとのこと。しかし今回、新しい漁船を造船されました。我々も船に乗せていただきましたが、前日は進水式だったこともあり、沢山の立派な福来旗(大漁旗)が靡いていました。

※2012年の筏作りの様子。
http://www.trendmicro.co.jp/jp/about-us/csr/community/smile_vol7/index.html

また今回は、ボランティアとして3件の活動をさせていただきました。

■旅館・明海荘のBBQハウス改修お手伝い
いつもスマイルプロジェクトの定宿としてお世話になっている気仙沼大島の旅館・明海荘のBBQハウスの改修のお手伝いをさせていただきました。当日は、夏の利用者のために虫対策として網を張ることに。普段の業務とはまったく関係のない作業に、体と同時に頭も使い、試行錯誤しながら網張りを実施していきました。

■「Tatton」綿花畑の除草作業
土壌を復活させる「Tatton」プロジェクトにて綿花畑の草取りを行いました。「Tatton」プロジェクトは、津波によって海水に浸かり塩分で稲作が困難になった農地に塩分を吸収できる綿(コットン)を栽培することで、少しずつ農地を再生させる取り組みです。第34回のスマイルプロジェクトで種撒きを行ってから少しずつ育ってきた綿(コットン)。周りには成長を妨げる雑草が生い茂っていました。

■小学生向けインターネットセキュリティ教室
気仙沼市の小泉公民館にて、小学生向けインターネットセキュリティ教室を開催しました。参加した小学生の半数以上は、普段からタブレット型パソコンやスマートフォンなどのデバイスを通じてインターネット検索を楽しんでいるとのことですが、それでも安全な使い方や脅威などは学べる場がない。遊びながら使い方を学び、また楽しく使うために少し難しいセキュリティのお話も交えながら、あっという間に時間は過ぎていきました。

加えて、遺構見学として、仙台駅から車でわずか20分ほどの距離にある荒浜小学校を訪問しました。校舎には津波の勢いが分かる爪痕が残されており、1階の教室からは被災状況が凄惨だった当時の状況を訴えかけてます。現在、小学校周辺は緑で囲まれていますが、この緑には街や日常があり、すべて失われてしまったと思うと信じがたい光景でした。校舎4階の展示室で、「3.11荒浜の記憶」という約17分間の映像を視聴。震災当時、体育館や校庭に避難することもできたが、実は2010年から避難訓練で屋上に避難することを実施していたため、児童や小学校に避難してきた人が助かったという事実。

昨年、大川小学校の遺構見学時に、遺族の方が仰っていた言葉を思い出しました。

「非常時には正常な判断ができなくなる可能性は誰にでもある。だからこそ、日頃からどのような備えをしておくのか、学校だけでなく家庭でも教えていくことが大切」。

荒浜小学校を知るほど、大川小学校の悲劇が思い出され、胸が痛みます。

他にも、人工的に嵩上げされた場所に移転した南三陸さんさん商店街(一階建てに見える防災庁舎跡は実は四階建てです)や、昨年秋に仮設店舗から本店舗に移転したすがとよ酒店、そして徐々に海岸を覆いつつある防潮堤などを訪れ、復興の現場に触れることができました。

本プロジェクトの活動内容は、一部弊社の事業ドメイン内のものもありますが、多くが普段のセキュリティビジネスとは直接関係がありません。また、一回あたりの支援規模も決して大きいわけではありません。それでも、我々にできる範囲で末永く続けていく。そうすることで、現地の皆さんと一緒に復興の喜びを味わっていくことができるでしょう。

最後にはなりますが、今回も多くの皆様にお世話になりました。ありがとうございました。

■写真 / 秋保 陽介