サイバー脅威
最大規模のネット詐欺が利用者の資産を脅かす:国内脅威動向分析2025
ここ数年、サイバー犯罪は個人利用者を狙うネット詐欺と法人組織を狙うランサムウェア攻撃に二分されてきた感があります。その傾向は2025年に入りいよいよ顕著になり、悪質化、巧妙化と共に、被害規模と攻撃対象の拡大が進んでいます。
サイバー犯罪という概念が必要になる遥か以前から、「詐欺」は多くの人々から金銭をだまし取る犯罪でした。そしてこの数年、ネットを利用した詐欺は過去最大規模で活発化しています。以前から詐欺の被害に遭うのは高齢者が中心というイメージがありました。近年のネット詐欺においても、世代ごとに見た場合、高齢者の方が被害に遭う割合が高くなっていることは事実です。しかし実際には、若年層や現役世代の被害も看過できなくなっています。被害金額においても1000万円を超える高額被害事例も発生するなど、すべての個人利用者の資産を脅かす課題となっています。


また、フィッシングを起点としたネットバンキング経由の不正送金は法人組織にも被害が広がっています。警察庁は2024年末以降継続して法人利用者への注意喚起を出しており、直近9月には銀行の業界団体などに対して一層の対策強化を呼びかけている状況です。このような個人を中心としたばらまきから法人へ攻撃対象が拡大していく事例は過去にランサムウェア攻撃などが辿ってきた変化でもあり、今後は法人組織でもネット詐欺への注意が必要と言えます。
その他の日本国内における脅威動向の詳細については、以下のレポートを参照ください。ネットバンキングからの不正送金を狙うフィッシング以外にも多種のネット、電話を起点とした詐欺が個人利用者の資産を脅かしています。また、法人組織に対してはランサムウェア攻撃の他、業務の停止に繋がるDDoS攻撃への対処にも注意が必要です。