第33回SMILE PROJECTレポート

こんにちは、第33回スマイルプロジェクトについて1名古屋営業所より牛島がレポートさせていただきます。今回は、2017年3月17日~19日に名古屋・大阪・東京から希望した社員9名で、ちょうど震災から丸6年が経過した気仙沼市、陸前高田市、気仙沼大島に伺いました。

今回行った活動は以下のとおりです。

1日目:
米沢商会 米沢祐一さん(陸前高田)
観光コンベンション協会 熊谷さん
すがとよ酒店 菅原ふみこさん の語り部を聞く(気仙沼)

2日目:
桜ライン311 植樹ボランティア活動(陸前高田)

3日目:
Tatton畑の除草作業、ワカメ漁のお手伝い(気仙沼 大島)

<活動報告>

1日目、スマイルプロジェクトでも何度も訪れている、陸前高田の米沢商会さんにてお話を伺いました。米沢さんは震災遺構として当時被害にあったビルを個人で残されており、毎回私たちのような訪問者に当時のことをお話いただいているそうです。今回もその建物内にて、当時どのようなお気持ちで逃げたかなどをありのままにお話いただきました。
私自身、被災された方のお話を直接聞くことは初めてだったのですが、当時と同じ場所で生のお話を伺うことは、やはり画面を通して伝わる感情の何倍もリアリティがあり、見慣れた日常の風景が一瞬で飲み込まれる津波の恐怖と、それが現実にここで起こったという事実を改めて認識させられる貴重な体験でした。
その日は、すがとよ酒店の菅原さんや観光協会の熊谷さんにも当時からのお話を伺い、町を作り直すことへの様々な課題やそこに暮らす方々の心境についても教えていただきました。

2日目には、桜ライン311というプロジェクトに参加させていただきました。http://www.sakura-line311.org/桜ラインさんでは、津波の到達点に桜の木を植えることで、後世の人々に津波の恐れがあるときにはその並木より上に避難するように伝える活動をされています。今回は9名で3本の桜の苗木を植えさせていただきました。津波の到達地点は私有地になることもあるため、植樹するためには1件1件許可を取る必要もあるそうです。私たちのチームが植えさせていただいた場所も、個人の方が所有する作業場の一角でした。そこから海まではとても遠いように見えましたが、実際にここまで津波が来たのかと想像しながら作業ができたのも良い体験でした。実際の作業は、一見簡単そうに見えたのですが、傾斜地と言うこともあり思うように進まず、苦戦しながらの作業となりました。

3日目は大島へ渡りました。津波により塩害を受けた田んぼで「綿花」を栽培することにより、土壌を復活させる「Tatton」というプロジェクトのお手伝いをしました。今回は枯れた綿花と枯れ草の除草作業を行いました。また、メンバーの一部は急遽お世話になった方のお手伝いをさせていただけることになり、塩で真っ白になりながらワカメ漁を体験しました。2日目に続き、思った以上の重労働だったため、メンバー全員くたくたになって帰路につくことになりました。

<過去からの教訓>

現在の日本では、東北での震災があった後だからこそ「地震=津波への警戒」という意識が広まっているかと思います。ただ、今回現地で伺った話では、過去同じような大津波があったことが記録にはあったにもかかわらず、震災前はそれを意識せずに暮らしていた方も多かったそうです。米沢さんも地震が起きても、「津波」という言葉さえ頭に浮かばなかったといいます。また、過去の津波の浸水地域よりも低い地域に避難所が設定されており、そこを信じて避難し亡くなった方も大勢いらっしゃったそうです。
今回の活動を通じてであった皆さんも、過去からの教訓をなぜ活かせなかったのか、なぜ住民に浸透していなかったのか、みんなが知っていれば一人でも救えた命があったのでは・・という悔しい想いから、未来の世代やその次の世代へ伝えていかなくてはという強い想いで活動されているということを知りました。今、全国的に報道される回数は減ってきています。しかし、今回の教訓を学ばなくてはいけないのは決して現地の方たちだけではないと思います。私たちや、私たちの活動を通して、全国で自分たちの暮らす地域にどのような災害の可能性があるか一人ひとりが考えることも皆さんの活動の助けにつながるのではないかと思いました。

<今回の活動を終えて>

今回のボランティアは、震災直後とは違い瓦礫の撤去など、実際に困っている方を直接的に助けるものとは違いました。6年たった今、何をしに行ってるのか?と思われる方もいるかもしれません。ですが、忘れずに定期的に足を運ぶことで、喜んでくださる方がいらっしゃることも事実でした。今必要なのは人手としてのボランティアではなく、もっと地域を見にきてくれたり、話を聞いて寄り添ってくれるようなボランティアなのではないかと感じました。また、桜ライン311のような今後につながるプロジェクトをされている方への長期的な活動を支援することも、情報を風化させないためにも大切な活動だと今回知ることが出来ました。訪れるまえはもう6年、と思っていましたが今となってはまだ6年なんだなと感じます。

すがとよ酒店さんの菅原さんにお話をうかがった際、再建されたお店の2階へ案内されました。そこは30人ほどの人が集えるサロンのような場所になっていました。菅原さんは、震災でばらばらになってしまった地域のコミュニティをまた新しくつくる場所を提供したいとの思いでそこを作られたそうです。
今では様々なイベントを開催されているとのことで、いろんな人と一緒に笑ったり泣いたりしているというお話をしてくださいました。町が変化していく中でも地域を大切に前向きに力強く生きておられる姿はとても印象的でした。他にも活動の中で「新しくなった町をまた見に来てほしい」という言葉もいただき、不安や課題を抱える一方、前を向いて新しい町づくりに取り組んでいらっしゃるみなさんの姿も拝見することが出来て嬉しい気持ちになりました。

最後になりましたが、今回お世話になった気仙沼・陸前高田・大島の皆様、そして参加機会をくださった社内の皆様と、一緒に参加したメンバーの皆様、ほんとうにありがとうございました。おかげさまで3日間とても良い経験をさせていただきました。この活動を通して感じたことや経験を、これからの生活に活かしていきたいと思います。また、必ず、町の成長と桜の成長を見にお伺いしたいと思います。

活動年月日: 2017年3月17日~2017年3月19日