子どもと保護者のスマートフォン利用に関する実態調査 2020

~子どもの32.5%がスマートフォン利用においてトラブルを経験~

2020年3月10日


トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:エバ・チェン 東証一部:4704、以下、トレンドマイクロ)は、スマートフォンを利用している子ども(小学校6年生~中学校3年生)がおり、自身もスマートフォンを利用している保護者618名を対象に「子どもと保護者のスマートフォン利用に関する実態調査」を実施しました。

 

「子どもと保護者のスマートフォン利用に関する実態調査 2020」調査結果サマリ


1.子どもの32.5%※1がスマートフォン利用においてトラブルを経験

本調査において、子どもの32.5%がスマートフォン利用に伴う何かしらのトラブルを経験していることが分かりました。子どものスマートフォン利用率が年々増加し、利用時期が低年齢化している昨今では、子どもはネット上の様々なリスクに直面していることが伺えます。子どもがトラブルに巻き込まれないためには、家庭での教育と技術的な対策の見直しが重要です。

スマートフォン利用時に、子どもの17.2%、保護者の43.4%※2が、不正アプリ、フィッシング詐欺、架空請求、不正アクセス、有害サイト、迷惑メールやスパムメールなどのサイバー犯罪に関するトラブルを、子どもの23.5%、保護者の9.5%※3が、誤って自身や家族、友人の個人情報や画像をネット上に公開してしまった、SNSや動画視聴などに熱中して、生活習慣に悪影響が出てしまったなどのモラルや意識不足に関するトラブルを経験していることがわかりました。
※1 全体から「知らない、わからない」、「特になし」を除いた数値(図1)
※2 サイバー犯罪に関するトラブルの何れかを経験した人の数値(図1、図2)
※3 モラルや意識不足に関するトラブルの何れかを経験した人の数値(図1、図2)

図1:子どものスマートフォン利用に関するトラブル経験 N=618(複数回答)
Q:お子さまのスマートフォン利用について、お子さまが次のような経験をしたことがありますか?

図2:保護者のスマートフォン利用に関するトラブル経験 N=618(複数回答)
Q:ご自身のスマートフォン利用について、ご自身が次のような経験をしたことがありますか?

 

2.子どもの実際の悩みは保護者の想定と異なる
「お子さまが抱えている悩みごとや心配ごとはどのようなものがあると思いますか?」という本調査の質問に対して、保護者の回答は1位「ネット・スマホ依存(34.3%)」、2位「ネットいじめ(22.0%)」、3位「料金関係(ゲーム課金やスマホ課金など)(18.4%)」、4位「有害サイト (16.0%)」、5位「スパム・迷惑メール(14.6%)」となりました。東京都が運営するインターネットトラブル相談窓口「こたエール」が公開している情報によると、子どもに関する相談内容の実態※4は1位「交際」、2位「ネット・スマホ依存」、3位「削除方法」、4位「架空請求」、5位「ネットいじめ」となることから、子どもの実際の悩みは保護者の想定と異なることが伺えます。「ネット・スマホ依存」と「ネットいじめ」は、実際の悩みと保護者の想定が共通しますが、「交際」「削除方法」「架空請求」は実際の相談が多い一方で、保護者が子どもの悩みを認識出来ていない可能性があります。
※4 東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール) 平成30年度相談実績 相談内容別・青少年(詳細件数)

  本調査による保護者の回答結果 こたエールによる相談内容の実態
1位 ネット・スマホ依存 交際
2位 ネットいじめ ネット・スマホ依存
3位 料金関係 削除方法
4位 有害サイト 架空請求
5位 スパム・迷惑メール ネットいじめ

図3:子どもが抱えている悩みや心配ごとについて、保護者の想定と実際の相談内容



3.子どもを守るために、教育と技術の両面で対策を施すことが重要

子どもの48.5%が家庭で決めたルールを破った経験があることが分かりました。また、子どもを守るための対策状況については、危険を回避する方法を教えている割合に比べ、危険を回避するためにソフトやサービスを利用した技術的な対策をしている保護者が少ないことが明らかとなりました。スマホ利用に伴う様々な危険は、子ども自身が見分け、判断することが難しい場合もあります。保護者は子どもが安全・安心にスマートフォンを利用できるように、OSやキャリア、セキュリティ企業が提供しているツールを用いた技術的な対策も施しながら、教育と技術の両面で子どもを守ることが求められます。
また、ルール決めや技術的な対策を行う際には、保護者の考えを一方的に子どもに押しつけるのではなく、子どもとの話し合いを通し、子どもと保護者が一緒に考え、ルール決めや技術的な対策を講じることが重要です。

図4:ルールを破ったことがある子どもの割合 N=618(単一回答)
Q:家庭で決めたルールについて、お子さまがルールを破った経験はありますか?

図5:子どもへのセキュリティ対策実施状況 N=618(複数回答)
Q:お子さまが安全にスマートフォンを利用するためのセキュリティ対策について、次のようなことを行っていますか? 

 


<調査概要>
調査名:子どもと保護者のスマートフォン利用に関する実態調査 2020
実施時期:2019年12月20日~12月22日
回答者数:スマートフォンを利用している子ども(小学校6年生~中学校3年生)がおり、自身もスマートフォンを利用している保護者618名
手法:Webアンケート調査

 

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