第43回SMILE PROJECTレポート

第43回 SMILE PROJECT は、平成30年7月の西日本豪雨によって大きな被害を受けた、愛媛県宇和島市吉田町にて活動を行いました。東京、名古屋、大阪、福岡から参加した総勢18名の有志の活動内容を、東日本営業本部の藤田がレポート致します。

私は中四国エリアを担当していた時期がございまして、お世話になったこちらの地域で何かしらの貢献をしたいと思い今回のプロジェクトに参加させて頂きました。昨年の西日本豪雨で大きな被害を受けた愛媛県ですが、広島県や岡山県と比べると報道が少なくボランティアがまだまだ足りていない状況でした。今回は多くの方のお力を借り、愛媛県で活動をさせて頂ける事に感謝しつつ活動させて頂きました。

<活動内容>
今回のプロジェクトは二日間ボランティア活動を行いました。

1日目は以下の3つの組に分かれました。
①ブロック塀の撤去を軽トラで行う組
②土砂で塞がれた道を通れるようにする組
③みかん畑に流れ込んだ土砂をひたすら掻き出す組

2日目は②と③の作業を引き続き行いました。

②の作業前の道がこちら↓↓

作業後の道はこちら↓↓

左側のみかん畑と右側の庭は別の方の敷地となります。今回の土砂災害により、みかん畑の土砂が庭に流れ込んできてしまっています。そこで、みかん畑の所有者からボランティアの依頼がございました。

みかんは愛媛の名物ではございますが、水はけがよい土地で甘いみかんが育つため、斜面で栽培されることがとても多いとのことです。(宇和島市も斜面はみかんだらけでした。)昨年の大雨によりこのような斜面は多く土砂崩れを引き起こし、多くのみかん畑も犠牲になってしまいました。

このような土砂災害が今後起こらないように道の脇には土嚢を組み、土砂崩れを防ぐ仕組みも作りました。以下はとても重い土嚢を組み立てた社員の達成感あふれる写真です。

ここからは、本プロジェクトを通じて感じたことを記載致します。

<伝えることの大切さ>
こちらの写真をご覧ください。

奥に、一部削られたような山がありますが、大きな土砂崩れを半年たった今も象徴しています。黒い土嚢の奥には民家があり人が住んでいました。
「錦鯉を見に行ってくる」
現地の方の高校生の同級生はその一言を最後に土砂崩れに飲み込まれ命を落としてしまったそうです。
私たちボランティアにできることは「この方を救う」ことではなくて、「この悲劇を世間に伝える」ことだと思います。支援活動を通して学んだことをボランティアに行っていない人に伝え、この惨劇を忘れないようにする。その積み重ねが、未来の災害の被害者を減らすことが出来るのではと思っています。

「伝える」ことに関して、このレポートも微力ながら貢献できていたらとても嬉しいです。

<初心忘れるべからず>
今回のボランティアには当社だけでなく、他のボランティアの方も一緒に作業を行いました。個人でボランティアに来ている方もいれば、高校生で将来の夢は消防士、とにかく人の役に立ちたいという青年もいました。今回はそのような「ボランティアのプロ」と一緒に活動をすることが多かったのがとても印象的です。

一方、当社社員は普段「ITセキュリティのプロ」として日々活動しておりますが、数回しかボランティア経験がない方がほとんどです。(自分も含めて)土嚢の積み上げ方が分からなかったり、一輪車の扱いにてこずった姿も見られました。ボランティアのプロとしっかりとコミュニケーションを取りながら、効率の良い方法を教えて頂きながら作業を進めていく。そのためには、初心の心で謙虚な気持ちを持つことが大切であると思いました。

それは普段の仕事でも同じことが言えると思います。仕事は多くの方のご支援を頂いているので、常に謙虚な気持ちで初心の心を忘れずに働こうと思いました。

<最後に>
ボランティアで大切なことは「継続する」ことであると思います。一度の作業で出来ることはとても限られていて、当社のボランティアの活動後は他の団体が引き継ぐ、それの繰り返しでした。被災された方々が普通の生活を維持するためには、サポート頂いた団体の方々や現地の方のご支援は必須です。そのためにも今回出逢った方々との関係はずっと続けていく必要があると思いますし、この活動も続けていく必要があると感じました。

幸いにも当社にはこのスマイルプロジェクトや、ボランティア休暇という制度も充実しており、やる気さえあればボランティア活動に参加できる環境が整っております。そういった環境で活動ができることに感謝し、また継続してボランティア活動に参加したいと思いました。