個人用デバイス・ツールの業務利用実態 2014 禁止されても6割以上が個人所有のスマートデバイスを業務に利用

~使用禁止されている個人のデバイスに、約8割が業務データを保存~

2014年8月26日

トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:エバ・チェン、東証一部:4704、以下、トレンドマイクロ)は、2014年6月に、企業の従業員1,038名を対象に「個人用デバイス・ツールの業務利用実態調査 2014」を実施しました。本調査では、スマートフォン、タブレット端末のBYOD(※1)(Bring Your Own Device:個人所有端末の業務利用)の実態や、メール、オンラインストレージといった個人用のデータ共有ツールの業務利用実態を調査しました。本調査の調査結果は以下の通りです(※2)。
※1 BYODは、電子メールや業務上の文書閲覧、業務システムへのアクセスなどと定義しています。音声通話は除きます。
※2 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第二位を四捨五入した数値です。

1 加速するBYOD。禁止されていても、6割以上が個人所有のスマートデバイスを業務に利用
企業におけるBYODの導入状況について、「組織全体で認められている」または「一部の従業員に認められている」の合計が47.0%となり、回答者が属する企業/組織の約半数がBYODを何らかの形で認めていることがわかりました。2012年に実施した同内容の調査結果と比較すると約15ポイント増加しており、国内企業におけるBYODが着実に進んでいることが明らかになりました。(図1-1)

(図1-1)あなたの勤務先では、BYODは認められていますか?(単一回答。各年 n=1,038)

また、企業においてポリシーやルールによって明確にBYODが禁止されていると回答した従業員に対し、個人所有のスマートデバイスを利用しているか調べたところ、一定の頻度で利用しているという回答が63.1%にのぼりました。2012年の調査結果と比較すると、約15ポイント伸びています(図1-2)。ポリシーやルールで禁止していても、個人所有のスマートデバイスを業務に利用するケースは増加していることが明らかになりました。

(図1-2)あなたは個人所有のスマートデバイスを、業務のために利用したことがありますか?
(単一回答。対象者:勤務先においてBYODがポリシーやルールによって禁止されている従業員。2014年 n=423、2012年 n=246)
※  「個人所有のスマートデバイス」は、スマートフォンやタブレット端末を含み、ノートPCは除きます。
※ ここでの「利用」は、音声通話は除きます。電子メールや業務上の文書閲覧、業務システムへのアクセスなどです。

2 利用が禁止されている個人所有のスマートデバイスに、約8割が様々な業務データを保管
企業から個人所有のスマートデバイスの業務利用を禁止されているにもかかわらず、業務に利用している回答者267人を対象に、業務関連のデータをそのスマートデバイスに保存しているか調査したところ、なんらかの業務に関するデータを個人所有のデバイスに保存している人が80.5%にのぼることがわかりました。保存しているデータは、「取引先などの連絡先(55.4%)」、「業務に関する電子メール(44.6%)」、「業務に関する文書データ(34.5%)」が上位に挙がりました(図2)。企業における個人所有のスマートデバイス利用が加速する中で、情報資産の漏えいなど企業の管理体制を揺るがすリスクの存在も浮き彫りになりました。

(図2)あなたは、個人所有のスマートデバイスに業務関連の連絡先情報や文書データを保存していますか?(複数回答。対象者:禁止されているにもかかわらず、個人所有のスマートデバイスを業務のために利用していると回答した従業員、n=267)
※  「個人所有のスマートデバイス」は、スマートフォンやタブレット端末を含み、ノートPCは除きます。
※ ここでの「利用」は、音声通話は除きます。電子メールや業務上の文書閲覧、業務システムへのアクセスなどです。

3 個人用メール・オンラインストレージなどの個人向けツールも、業務利用が浸透
スマートデバイス以外にも、個人向けのデータ共有ツールは様々存在しています。本調査では、勤務先から、個人用のメールアカウントや個人向けのオンラインストレージの利用を許可されていない従業員に対し、それらのツールを過去1年間で業務データを社外とやり取りするために利用したことがあるか尋ねました。その結果、個人用のメールアカウントについては46.4%、個人で利用できるオンラインストレージに関しては、21.5%が過去1年内に業務のために利用したことがあると回答しました。スマートデバイス以外でも、職場において許可されていない個人向けツールを業務利用する従業員が一定数いることがわかりました。

(図3)過去1年間、社外関係者と業務データをやりとりする際に、以下のツールをどのぐらいの頻度で利用しましたか?
(単一回答。対象者:勤務先において該当ツールの利用を許可されていないと回答した従業員。個人メール n=388、個人利用オンラインストレージn=641)

本調査により、多くのビジネスの現場で個人所有のスマートデバイスや個人向けデータ共有ツールが業務上利用されていることが明らかになりました。例えポリシーで利用を禁止していても、従業員による業務利用は止められないという現状も明らかになりました。
個人用のスマートデバイスやデータ共有ツールで業務データを扱うことは、その利用方法によっては、情報漏えい、ウイルス感染など企業の情報資産管理を脅かす大きなリスクとなります。企業は、業務における実用性・利便性を踏まえ、従業員に個人所有のデバイス・ツールをどのように使わせるか検討する必要があります。同時に、企業内に個人所有のデバイス・ツールが持ち込まれることを前提に、社内データにアクセス可能なデバイスの制限や、ログ監視など、情報資産管理をしっかりと担保するセキュリティ対策を行うことが重要です。

■2014年実施 調査の概要
調査名: 個人用デバイス・ツールの業務利用実態調査 2014
実施時期: 2014年6月23日~2014年6月25日
回答者: スマートフォン、タブレット端末を利用している従業員1,038名
手法: インターネット調査

■参考 2012年実施調査の概要
調査名: 企業におけるスマートフォン、タブレット端末のBYOD実態調査
実施時期: 2012年6月21日~6月22日
回答者: スマートフォン、タブレット端末を利用している従業員1,038名
手法: インターネット調査

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