
WORM_VOBFUS.SMCF
Worm:Win32/Vobfus.MB (Microsoft), W32.Changeup (Symantec), W32/Autorun.worm.aaeb (McAfee)
Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

- マルウェアタイプ: ワーム
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このワームをNoteworthy(要注意)に分類しました。
トレンドマイクロは、お客様や内部調査よりこのワームに関する検体を多数の入手してきました。ワームは、早期に検出されるのを防ぐため、多様な手法を用いることで注目されていました。ワームは、拡散のための手法として「Facebook」を利用します。また、感染コンピュータに情報収集型マルウェアをダウンロードします。
ワームに関連する情報は、以下のブログをお読みください。
また、ワームは、「Facebook」上でも拡散していたことが確認されました。
ワームがフォルダを作成する際、ワームは、検出を避けるため、同名の正規のフォルダを非表示にします。
ワームは、感染コンピュータに「TSPY_BANCOS」の亜種をダウンロードします。「TSPY_BANCOS」の亜種は、オンライン銀行のログイン情報といった個人情報を収集する機能を備えています。
ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。
ワームは、ダウンロードしたファイルを実行します。
詳細
侵入方法
ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。
ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %User Profile%\{random file name}.exe
- %User Profile%\Passwords.exe
- %User Profile%\Porn.exe
- %User Profile%\Secret.exe
- %User Profile%\Sexy.exe
(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)
ワームは、以下のファイルを作成します。
- {drive letter}:\x.mpeg
自動実行方法
ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name}.exe = "%User Profile%\{random file name}.exe /{random character}"
他のシステム変更
ワームは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate\
AU
NoAutoUpdate = "1"
ワームは、以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)
感染活動
ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。
- {drive letter}:\{random file name}.exe
- {drive letter}:\Passwords.exe
- {drive letter}:\Porn.exe
- {drive letter}:\Secret.exe
- {drive letter}:\Sexy.exe
- {drive letter}:\{folder name}.exe
ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。
上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。
{garbage characters}
[autorun]
{garbage characters}
open={random}.eXE
{garbage characters}
ACTION={random number}
UseautopLAY=1
{garbage characters}
ダウンロード活動
ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。
- http://{random number}.{BLOCKED}.eu:443/cWWFwy?d
- http://{random number}.{BLOCKED}1.eu:443/cWWFwy/?d
- http://{BLOCKE}D1.{BLOCKED}ecks.net
ワームは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。
- %User Profile%\google.com
ワームは、ダウンロードしたファイルを実行します。
その他
ワームは、以下の拡張子のファイルのファイル名を利用します。
- .avi
- .bmp
- .doc
- .gif
- .jpe
- .jpg
- .mp3
- .mp4
- .mpg
- .png
- .tif
- .txt
- .wav
- .wma
- .wmv
- .xls
ワームは、オリジナルのフォルダの属性を、隠しファイルおよびシステムファイル属性に設定します。これにより、ワームは、作成した自身のコピーを正規フォルダとして装います。
また、ワームは、リムーバブルドライブ内に作成した自身のコピーと同一のコピーを、ネットワーク共有に割り当てられたドライブにも作成します。
トレンドマイクロでは、ダウンロードされた以下のファイルは「TSPY_BANCOS」の亜種として検出されます。
- %User Profile%\google.com
ダウンロードされたファイルの内容は、ワームの作成者によっていつでも変更される可能性があります。
対応方法
手順 1
Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
この「WORM_VOBFUS.SMCF」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。
- TSPY_BANCOS
手順 3
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_VOBFUS.SMCF」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 5
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {random file name} = "%User Profile%\{random file name}.exe /{random character}"
- {random file name} = "%User Profile%\{random file name}.exe /{random character}"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU
- NoAutoUpdate = "1"
- NoAutoUpdate = "1"
手順 6
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
- From: ShowSuperHidden = "0"
To: ShowSuperHidden = "1"
- From: ShowSuperHidden = "0"
手順 7
「WORM_VOBFUS.SMCF」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。
[autorun]
{garbage characters}
open={random}.eXE
{garbage characters}
ACTION={random number}
UseautopLAY=1
{garbage characters}
手順 8
以下のファイルを検索し削除します。
- {drive letter}:\x.mpeg
手順 9
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_VOBFUS.SMCF」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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