WORM_CRILOCK.A

2013年12月27日
 解析者: Jimelle Monteser   

 別名:

MSIL/Filecoder.D trojan (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このワームをNoteworthy(要注意)に分類しました。

ワームは、他のコンピュータへ容易に拡散を可能にする感染機能を備えた「CryptoLocker(クリプトロッカー)」の亜種です。他の「CRILOCK」の亜種は同様の不正活動を展開しないため、重要な機能と言えます。

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 979,456 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年12月21日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\msunet.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
MSUpdate = "%System%\msunet.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*MSUpdate = "%System%\msunet.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
MSUpdate = "%System%\msunet.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*MSUpdate = "%System%\msunet.exe"

ワームは、以下のレジストリ値を変更して自身のセーフモードでの実行を可能にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe, %System%\msunet.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System%\userinit.exe」となります。)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer
NoDriveTypeAutoRun = "91"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer
NoDriveAutoRun = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDriveAutoRun = "0"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive Letter}:\setup.exe
  • {Removable Drive Letter}:\{Filename}.exe - if executable files exist

その他

ワームは、以下のIPアドレスにアクセスすることにより、ファイルの暗号化に利用されるキーをダウンロードします。

  • http://<省略>morej.<省略>st3.com/dd/testcon.php
  • http://<省略>.<省略>.56.1/dd/testcon.php
  • http://<省略>morej.<省略>ge.biz/ee/testcon.php

ワームは、以下の拡張子を持つファイルを暗号化します。

  • *.3fr
  • *.accdb
  • *.ai
  • *.arw
  • *.bay
  • *.cdr
  • *.cer
  • *.cr2
  • *.crt
  • *.crw
  • *.dbf
  • *.dcr
  • *.der
  • *.dng
  • *.doc
  • *.docm
  • *.docx
  • *.dwg
  • *.dxf
  • *.dxg
  • *.eps
  • *.erf
  • *.indd
  • *.jpe
  • *.jpg
  • *.kdc
  • *.mdb
  • *.mdf
  • *.mef
  • *.mp3
  • *.mp4
  • *.mrw
  • *.nef
  • *.nrw
  • *.odb
  • *.odm
  • *.odp
  • *.ods
  • *.odt
  • *.orf
  • *.p12
  • *.p7b
  • *.p7c
  • *.pdd
  • *.pef
  • *.pem
  • *.pfx
  • *.ppt
  • *.pptm
  • *.pptx
  • *.psd
  • *.pst
  • *.ptx
  • *.r3d
  • *.raf
  • *.raw
  • *.rtf
  • *.rwl
  • *.srf
  • *.srw
  • *.txt
  • *.wb2
  • *.wpd
  • *.wps
  • *.xlk
  • *.xls
  • *.xlsb
  • *.xlsm
  • *.xlsx

ワームは、以下の支払い方法のいずれかを介して、ユーザに罰金の支払を要求します。

  • 電子マネー「Bitcoin(ビットコイン)」

ワームは、以下のソフトウェアの「アクティベータ」を装います。

  • Adobe Photoshop
  • ESET
  • Office 2013
  • Team Viewer
  • Windows

ワームは、リムーバブルドライブ内で確認した"EXE"の拡張子を持つすべてのファイルを削除し、存在する.EXEファイルの名称を利用した自身のコピーと置き換えます。

ワームがすべてのリムーバブルドライブ内に作成する自身のコピーは以下のとおりです。

  • <リムーバブルドライブレター>:\setup.exe

実行可能なファイルが存在する場合、ワームがすべてのリムーバブルドライブ内に作成する自身のコピーは以下のとおりです。

  • <リムーバブルドライブレター>:\<ファイル名>.exe


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.486.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年12月21日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.487.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年12月22日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion
    • RunOnce
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies
    • Explorer

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • MSUpdate = "%System%\msunet.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • MSUpdate = "%System%\msunet.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *MSUpdate = "%System%\msunet.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoDriveAutoRun = "0"

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_CRILOCK.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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