TSPY_ZBOT.THX

2013年8月21日
 解析者: Anthony Joe Melgarejo   

 別名:

PWS:Win32/Zbot (Microsoft), Win32/Spy.Zbot.YW trojan (ESET)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP (32-bit and 64-bit), Windows Server 2003, Windows Vista (32-bit and 64-bit), Windows 7 (32-bit and 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

これはトレンドマイクロの製品では、報道では次なる「ZBOT」と言われている「KINS」に対する検出名です。オンライン銀行詐欺ツールと呼ばれる「ZBOT」同様、このスパイウェアは、環境設定ファイルのダウンロードやオンライン銀行における認証情報の収集をします。ただし、このスパイウェアは、異なる自動実行型の圧縮ファイル(パッカー)を利用し、デバッグや解析動作に対抗する機能を備えています。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、レジストリ値を変更し、Windowsのファイアウォールを無効にします。これにより、スパイウェアは、自身を検出されることなく不正活動を実行することが可能になります。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 183,808 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年7月25日
ペイロード ファイルのダウンロード

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name 2}\{random file name 2}.{random file extension} - contains encrypted stolen information

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name 1}
  • %Application Data%\{random folder name 2}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{GUID}
  • Local\{GUID}

スパイウェアは、以下の通常のプロセスにスレッドを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name 1}.exe = "%Application Data%\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}
{random string} = "{random hex values}"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更し、Windowsのファイアウォールを無効にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • https://{BLOCKED}linker.net/temperdata/sdg12s.bin
  • http://{BLOCKED}mmj.com/cfg.bin

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Data on Cookie files (URLs)
  • Email-related information such as account names, email addresses, passwords, server data, and server port

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.google.com/webhp

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアがダウンロードする環境設定ファイルには、スパイウェアが自身のコピーの更新版ファイルをダウンロードしてくるURLや収集した情報を送信するURLが含まれています。また、この環境設定ファイルには、スパイウェアが情報収集をするために対象とする銀行や金融関連のWebサイトのURLも含まれています。

スパイウェアの解析回避の方法は、以下のとおりです。

  • スパイウェアは、以下のファイルを確認します。
    • C:\TOOLS\execute.exe
    • C:\popupkiller.exe
    • SbieDll.dll
    • \\.\HGFS
    • \\.\NPF_NdisWanIp
    • \\.\VboxGuest
  • スパイウェアは、以下のレジストリキーを確認します。
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wine

    HKEY_CURRENT_USER\Software\Wine

  • スパイウェアは、以下のMutexを確認します。
    • Frz_State

スパイウェアが作成する以下のファイルには、収集された情報が暗号化された状態で含まれています。

  • %Application Data%\{random folder name 2}\{random file name 2}.{random file extension}

スパイウェアが収集する情報は、以下のとおりです。

  • クッキーファイル内の情報(URL)
  • Eメールに関連する情報(アカウント名、Eメールアドレス、パスワード、サーバの情報、サーバのポート)


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 10.178.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年7月25日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.179.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年7月26日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random file name 1}.exe = "%Application Data%\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder name 1}
  • %Application Data%\{random folder name 2}

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.THX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 6

インストールの過程で追加された以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することで追加されたレジストリキーを確認することが可能となります。なお、追加されたレジストリキーは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください