
TSPY_ZBOT.ADD
PWS:Win32/Zbot.gen!AM (Microsoft), Trojan.Zbot (Symantec), PWS-Zbot (McAfee), W32/Zbot.MZDO!tr (Fortinet)
Windows 2000, Windows XP (32-bit and 64-bit), Windows Server 2003, Windows Vista (32-bit and 64-bit), Windows 7 (32-bit and 64-bit)

- マルウェアタイプ: スパイウェア
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
スパイウェアは、オンライン銀行詐欺ツール「ZBOT」の亜種であり、英国の税金の還付期限に便乗するスパムメール攻撃に利用されました。このスパムメッセージは、英国の歳入税関庁から送られたように装っており、ユーザにVAT(付加価値税)還付の受け取りに関する内容を通知します。
スパイウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
スパイウェアは、特定のレジストリキーにレジストリ値を追加します。
スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- TSPY_FAREIT.ADI
スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- http://{BLOCKED}t.{BLOCKED}rara.com/6gsgXBfC.exe
- http://{BLOCKED}lycheezballz.com/sg5bp2.exe
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %Application Data%\{random folder name}
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- Global\{GUID}
- Local\{GUID}
スパイウェアは、以下の通常のプロセスにスレッドを組み込みます。
- explorer.exe
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name} = "%Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe"
他のシステム変更
スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB
スパイウェアは、以下のレジストリキーにレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
{random port 1}:UDP = "{random port 1}:UDP:*:Enabled:UDP {random port 1}"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
{random port 2}:TCP = "{random port 2}:TCP:*:Enabled:TCP {random port 2}"
情報漏えい
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- Data on cookie files (URLs)
- Email-related information such as account names, email addresses, passwords, server data, and server port
- Email information stored in the user’s Windows Address Book (WAB) file
その他
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。
- http://www.google.com
スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
スパイウェアは、ランダムに生成されたIPアドレスにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。
この環境設定ファイルには、自身のコピーの更新版をダウンロードするURLおよび、収集した情報の送信先URLが含まれています。また、この環境設定ファイルには、対象とする金融機関に関連するWebサイトのリストも含まれており、スパイウェアはこのリストをもとに情報を収集します。
スパイウェアが収集する情報は、以下のとおりです。
- Cookie ファイル内のデータ(URL情報)
- アカウント名やEメールアドレス、パスワード、サーバのデータ、サーバのポートといったEメールに関連する情報
- ユーザのWindowsアドレス帳ファイル(拡張子WAB)内に保存されているメール情報
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
- WAB
- WAB
手順 5
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {random file name} = "%Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe"
- {random file name} = "%Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
- {random port 1}:UDP = "{random port 1}:UDP:*:Enabled:UDP {random port 1}"
- {random port 1}:UDP = "{random port 1}:UDP:*:Enabled:UDP {random port 1}"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
- {random port 2}:TCP = "{random port 2}:TCP:*:Enabled:TCP {random port 2}"
- {random port 2}:TCP = "{random port 2}:TCP:*:Enabled:TCP {random port 2}"
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
- %Application Data%\{random folder name}
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.ADD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 8
インストールの過程で追加された以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することで追加されたレジストリキーを確認することが可能となります。なお、追加されたレジストリキーは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。
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