
TSPY_WOOLERG.A
TrojanSpy:Win32/Woolerg.A (Microsoft); Trojan.Gen (Symantec); Trojan.Win32.Generic!BT (Sunbelt); Trojan horse PSW.Generic12.BEWU (AVG)
Windows

- マルウェアタイプ: スパイウェア
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
スパイウェアは、攻撃グループ「Rocket Kitten」によって実行された持続的標的型攻撃「Woolen Goldfish作戦に関連しており、2015年3月に確認されました。スパイウェアは、キー入力情報を介して感染コンピュータから個人情報を窃取します。このスパイウェアに感染したユーザは、個人情報窃取の被害に見舞われる可能性があります。
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。
- %User Temp%\NTSuser.exe
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。
- %User Temp%\wsc.vbs
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- woolger
自動実行方法
スパイウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。
- %User Startup%\WinDefender.lnk
(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)
作成活動
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。
- %User Temp%\wlg.dat - log file
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
情報漏えい
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- User name
スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
情報の送信先
スパイウェアは、以下のFTPサイトにファイルをアップロードします。
- {BLOCKED}.{BLOCKED}.181.116
その他
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。
- %User Temp%\wlg.dat ログファイル
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- ユーザ名
スパイウェアは、特定のユーザ名およびパスワードを利用して、自身のコマンド&コントロール(C&C)サーバに接続して、ログファイルをアップロードします。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_WOOLERG.A」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 4
TSPY_WOOLERG.A として検出されたファイルを検索し削除します。
註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
マルウェアのファイルの手動削除:
- [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
- [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
- [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
- ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 4.)を繰り返してください。
註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)
- Windowsエクスプローラ画面を開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- [スタート]-[コンピューター]を選択します。
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
- 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- [コンピューターの検索]に、上記で確認したファイル名を入力します。
- ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 3.)を繰り返してください。
註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
手順 5
以下のファイルを検索し削除します。
- %User Temp%\wsc.vbs
- %User Temp%\wlg.dat
- %User Startup%\WinDefender.lnk
手順 6
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_WOOLERG.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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