
TSPY_URSNIF.MJY
Trojan-Spy.Win32.Ursnif.tji (Kaspersky); Win32/Spy.Ursnif.AO (ESET-NOD32); Trojan.PWS.Papras.2848 (DrWeb)
Windows

- マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。 スパイウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
スパイウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- Embedded malicious JS files on TROJ_URSNIF.WMY and TROJ_URSNIF.MJY
スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- http://{BLOCKED}erman.net/wp-content/themes/twentysixteen/inc/majorka.exe
- http://{BLOCKED}l.company/wp-content/themes/themify-music/builder-layouts/majorka.exe
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。
- %Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
where:
{string1} = first four letters of a dll file under System directory
{string2} = last four letters of a dll file under System directory
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。
- %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat ← use to delete itself; deleted afterwards
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}
where:
{string1} = first four letters of a dll file under System directory
{string2} = last four letters of a dll file under System directory
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。
- explorer.exe
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{string1}{string2} = "%Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"
他のシステム変更
スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Vars
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Files
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Run
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Config
スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{UID} = "{hex value}"
HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{Value Name} = "{hex value}"
where {Value Name} may be any of the following:
- Main
- Block
- Temp
- Client
- Ini
- Keys
- Scr
- LastTask
- LastConfig
- CrHook
- OpHook
- Exec
作成活動
スパイウェアは、収集した情報を保存するために以下のファイルを作成します。
- %User Temp%\{random filename}.bin
- %User Temp%\{random filename}.bi1 - contains the user's IP Address
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
情報漏えい
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- Computer Name
- Digital Certificates
- Cookies
- Keyboard Logs
- Clipboard Logs
- Captured Screenshot
- Email Credentials
- Running processes and services
- Installed device drivers
- Installed Programs
- System Information (Please see notes for more details)
- IP Address
情報収集
スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。
- http://{BLOCKED}n.{BLOCKED}nagency.net/images/{random path}.{bmp}
その他
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。
- myip.opendns.com
- resolver1.opendns.com
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- http://{BLOCKED}n.{BLOCKED}nagency.net/images/{random path}.{gif/jpeg}
- http://{BLOCKED}t.jp/img/t{32/64}.bin
スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
スパイウェアは、不正なJSファイルに埋め込まれて、コンピュータに侵入します。
スパイウェアが作成し実行する以下のファイルは、コピーの実行および自身の削除に利用されます。
- %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のフォルダを作成します。
- %Application Data%\{string1}{string2}
{string1} = %System%ディレクトリ下のDLLファイルの最初の4文字
{string2} = %System%ディレクトリ下のDLLファイルの最後の4文字
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のファイルを作成します。
- %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
{string1} = %System%ディレクトリ下のDLLファイルの最初の4文字
{string2} = %System%ディレクトリ下のDLLファイルの末尾の4文字
スパイウェアが収集した情報を保存するために作成する以下のファイルには、ユーザのIPアドレスが含まれています。
スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。
- コンピュータ名
- デジタル証明書
- クッキー
- キーボードの記録
- クリップボードの記録
- スクリーンショットの取得
- Eメールの認証情報
- 実行中のプロセスおよびサービス
- インストールされたデバイスドライバ
- インストールされたプログラム
- コンピュータの情報
- IPアドレス
ファイル ”systeminfo.exe” は、以下のコンピュータの情報を返します。
- ホスト名
- オペレーティングシステム(OS)の名称、バージョン、 製造元
- 環境設定およびビルドタイプ
- 登録されている所有者および組織
- 製品ID
- 最初にOSがインストールされた日
- システム起動時間
- コンピュータの製造元、モデルおよびタイプ
- プロセッサ
- BIOS バージョン
- Windows およびシステム のディレクトリ
- 起動デバイス
- システムおよび入力ロケール
- タイムゾーン
- 総メモリ容量および利用可能なメモリ容量
- 仮想メモリの情報 (最大、利用可能、使用中)
- ページ ファイルの場所
- ドメイン
- ログオンサーバ
- ホットフィックス
- ネットワークカード
スパイウェアは、以下を実行します。
- 窃取した情報をファイルに保存およびアップロード
- インターネット閲覧の監視
- 対象のプロセスのAPIをフック
- Mozilla Firefoxの SPDYプロトコルの無効化
- 情報収集を目的とした以下のコマンドの実行
- systeminfo.exe
- tasklist.exe /SVC
- driverquery.exe
- reg.exe query
"HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall" - cmd /C "nslookup myip.opendns.com resolver1.opendns.com ><User Temp>\<ランダムなファイル名>.bi1"
- 自身のアンインストール
- スパイウェアは、プラグ アンド プレイ デバイスで以下の文字列を確認することで、自身が仮想環境またはサンドボックス下で実行されているかを確認し、確認された場合は自身を終了します。
- vbox
- qemu
- vmware
- virtual hd
スパイウェアは、"%System Root%\321.txt"を検索します。確認された場合、スパイウェアは自身の活動を開発者モードで実行します。
スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。
スパイウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {string1}{string2} = "%Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"
- {string1}{string2} = "%Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"
手順 5
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft
- {GUID}
- {GUID}
手順 6
「TSPY_URSNIF.MJY」を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。 (註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)
- TROJ_URSNIF.WMY
- TROJ_URSNIF.MJY
- Embedded malicious JS files on TROJ_URSNIF.WMY and TROJ_URSNIF.MJY
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
- %User Temp%\{random filename}.bin
- %User Temp%\{random filename}.bi1
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_URSNIF.MJY」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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