TSPY_URSNIF.AUSIQJ

2018年8月22日
 解析者: Arjun Bryan Baltazar   

 別名:

Trojan.Pandemiya (Symantec) , TrojanSpy:Win32/Ursnif (Microsoft) , Trojan-Spy.Win32.Ursnif.tyj (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 753,664 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年9月21日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
      where:
    • {string1} = first four letters of a dll file under System directory
    • {string2} = last four letters of a dll file under System directory

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat ← used to delete itself; deleted afterwards

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{string1}{string2} = "%Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Vars =

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Files =

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Config =

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{UID} = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{Value Name} = "{data}"

  • where {Value Name} may be any of the following:
    • Main
    • Block
    • Temp
    • Client
    • Ini
    • Keys
    • Scr
    • LastTask
    • LastConfig
    • CrHook
    • OpHook
    • Exec
    • TorClient
    • TorCrc
    • Install

    作成活動

    スパイウェアは、収集した情報を保存するために以下のファイルを作成します。

    • %User Temp%\{random filename}.bin

    (註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

    情報漏えい

    スパイウェアは、以下の情報を収集します。

    • Key Board Logs
    • Clipboard Logs
    • Running processes and services

    その他

    スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

    • http://{BLOCKED}unfvjdn.net/images/{RANDOM PATH}
    • http://{BLOCKED}ebncxds.com/images/{RANDOM PATH}

    <補足>
    インストール

    スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成し、実行します。

    • %Application Data%\Microsoft\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
      • {string1} = システムディレクトリ下のDLLファイルの最初の4文字 
      • {string2} = システムディレクトリ下のDLLファイルの末尾の4文字

    スパイウェアが作成し実行する以下のファイルは、自身の実行および削除に利用されます。

    • %User Temp%\{ランダムなフォルダ名}\{ランダムなファイル名}.bat

    他のシステム変更

    スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

    • HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\ Software\Microsoft\{GUID} {UID} = "{hex value}"
    • HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\ Software\Microsoft\{GUID} {Value Name} = "{data}"

      上記レジストリ値の、{Value Name} には、以下のいずれかがあてはまります。

      • Main
      • Block
      • Temp
      • Client
      • Ini
      • Keys
      • Scr
      • LastTask
      • LastConfig
      • CrHook
      • OpHook
      • Exec
      • TorClient
      • TorCrc
      • Install

    作成活動

    スパイウェアは、収集した情報を保存するために以下のファイルを作成します。

    • %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin

    情報漏えい

    スパイウェアは、以下の情報を収集します。

    • キー入力操作情報
    • クリップボードの記録
    • 実行中のプロセスおよびサービス

    その他

    スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

    • http://{BLOCKED}unfvjdn.net/images/{ランダムなパス}
    • http://{BLOCKED}ebncxds.com/images/{ランダムなパス}

    スパイウェアは、以下を実行します。

    • 窃取した情報をファイルに保存およびアップロード
    • インターネット閲覧の監視
    • 対象のプロセスのAPIをフック
    • Mozilla FirefoxのSPDYプロトコルの無効化
    • スパイウェアは、プラグ アンド プレイ デバイスで以下の文字列を確認することで、自身が仮想環境またはサンドボックス下で実行されているかを確認し、確認された場合は自身を終了します。
      • vbox
      • qemu
      • vmware
      • virtual hd
    • 情報収集を目的とした以下のコマンドの実行
      • cmd.exe /C "%Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe" "{実行されたマルウェアのディレクトリ}"


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.850
    初回 VSAPI パターンバージョン 13.674.03
    初回 VSAPI パターンリリース日 2017年9月22日
    VSAPI OPR パターンバージョン 13.675.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2017年9月23日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft\{GUID}
      • {UID} = "{hex value}"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft\{GUID}
      • {Value Name} = "{data}"

    手順 5

    このレジストリキーを削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

     
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • {string1}{string2} = "%Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft
      • {GUID}

    手順 6

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
    • where:
    • {string1} = first four letters of a dll file under System directory
    • {string2} = last four letters of a dll file under System directory
    • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
    • %User Temp%\{random filename}.bin

    手順 7

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_URSNIF.AUSIQJ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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