TROJ_OLYMPICDESTROYER.A

2018年2月13日
 解析者: Rheniel Rhay Ramos   

 別名:

Win.Trojan.OlympicDestroyer-6446992-0 (ClamAV); Trojan-PSW.OlympicDestroyer (Ikarus)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、2018 年 2 月に開催された平昌冬季オリンピックのイベント運営に様々な影響を与えたサイバー攻撃において利用されたとされる不正プログラムです。

マルウェアは、「ネットワーク内での拡散」、「情報窃取」、「破壊」の 3 種類の活動を実行します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。


  詳細

ファイルサイズ 1,861,632 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2018年2月9日
ペイロード ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\_{Random 1}.exe -> modified copy

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\_{Random 2}.exe -> PsExec.exe (Normal File)
  • C:\Users\Public\{Hex Characters}

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\_{Random 3}.exe -> detected as TROJ_DESBACK.A
  • %User Temp%\{Random 1}.exe -> detected as TSPY_BROWPASS.D (Browser Credential Stealer)
  • %User Temp%\{Random 2}.exe -> detected as TSPY_MALSASS.A (System Credential Stealer)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %User Temp%\{Random 1}.exe 123 \.\pipe\{Pipe Name}
  • %User Temp%\{Random 2}.exe 123 \.\pipe\{Pipe Name}

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

バックドア活動

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

その他

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように改変された自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\_{Random 1}.exe

マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、「TROJ_DESBACK.A」として検出されます。

  • %User Temp%\_{Random 3}.exe

マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、ブラウザから認証情報を収集するマルウェアで、「TSPY_BROWPASS.D」として検出されます。

  • %User Temp%\{Random 1}.exe

マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、感染コンピュータから認証情報を収集するマルウェアで、「TSPY_INFOSTEALER.XXMS」として検出されます。

  • %User Temp%\{Random 2}.exe

マルウェアは利用可能なネットワークを検索し、そのネットワークを介して"PsExec"を利用して遠隔から拡散します。

マルウェアは遠隔からコンピュータに接続するために、ハードコードされた認証情報や、情報窃取型のマルウェアを用いて収集した認証情報を利用します。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.964.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年2月9日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.965.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年2月10日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「TROJ_OLYMPICDESTROYER.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

「Process Explorer」を使用してこの[Malware]のプロセスを終了します。

[ 詳細 ]
この[Malware]のプロセスがProcess Explorerに表示されないため、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。セーフモードについては、こちらをご参照下さい。

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\_{Random 1}.exe
  • %User Temp%\_{Random 2}.exe
  • %User Temp%\_{Random 3}.exe
  • %User Temp%\{Random 1}.exe
  • %User Temp%\{Random 2}.exe
  • C:\Users\Public\{Hex Characters}

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_OLYMPICDESTROYER.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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