TROJ_CRYPTFILE.SM

2014年7月30日
 解析者: Vincent Martin Hermosura   

 別名:

Trojan:Win32/Dynamer!ac (Microsoft); Trojan.Cryptolocker.E (Symantec); Trojan-Ransom.Win32.Blocker.ezuf (Kaspersky); Troj/Agent-AHVK (Sophos); Trojan.Win32.Generic!BT (Sunbelt); Trojan horse Pakes_c.CGQN (AVG)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

ランサムウェア「CryptoLocker」のこの亜種は、特定のファイルサイズのファイルを暗号化します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 155,136 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年7月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{random characters 1}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Default} = "%Application Data%\{random characters 1}.exe"

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random characters 2}
  • %Application Data%\{random characters 3}
  • %Application Data%\{random characters 4}
  • %Application Data%\{random characters 5}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}lsylrytseewooketh.biz
  • http://{BLOCKED}lsylrytseewooketh.biz:8080/photostocks.php?id={random}
  • {BLOCKED}1.76.219

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、以下の拡張子を用いてファイルを暗号化します。

  • 3fr
  • 7z
  • accdb
  • ai
  • arw
  • bay
  • bmp
  • c
  • cdr
  • cer
  • chm
  • cpp
  • cr2
  • crt
  • crw
  • csv
  • cxx
  • dbf
  • dcr
  • der
  • djvu
  • dng
  • doc
  • docm
  • docx
  • dwg
  • dxf
  • dxg
  • eps
  • erf                                                     
  • fb2  
  • gif
  • gz
  • h
  • img
  • indd
  • jpe
  • jpeg
  • jpg
  • kdc
  • mdb
  • mdf
  • mef
  • mht
  • mrw
  • nef
  • nrw
  • odb
  • odc
  • odm
  • odp
  • ods
  • odt
  • orf
  • p12
  • p7b
  • p7c
  • pdd
  • pdf
  • pef
  • pem
  • pfx
  • pht
  • ppt
  • pptm
  • pptx
  • psd
  • pst
  • ptx
  • r3d
  • raf
  • rar
  • raw
  • rtf
  • rw2
  • rwl
  • sr2
  • srf
  • srw
  • sxw
  • tif
  • txt
  • wb2
  • wpd
  • wps
  • x3f
  • xlam
  • xlk
  • xls
  • xlsb
  • xlsm
  • xlsx
  • xltm
  • xltx
  • zip

感染コンピュータ上でファイルの暗号化に成功すると、マルウェアは、ユーザにユーザのファイルが暗号化されたことを通知します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
VSAPI OPR パターンバージョン 10.905.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年7月24日

手順 1

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_CRYPTFILE.SM」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Default} = "%Application Data%\{random characters 1}.exe"

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPTFILE.SM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • %Application Data%\{random characters 2}
  • %Application Data%\{random characters 3}
  • %Application Data%\{random characters 4}
  • %Application Data%\{random characters 5}


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