RANSOM_HIDDENTEARSHADOW.A

2016年10月10日
 解析者: Jeanne Jocson   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

■ ランサムウェアファイル復号ツール公開

ランサムウェアの脅威が世界的に深刻になっている状況を受けて、ランサムウェアによって暗号化されたファイルの復号ツールをトレンドマイクロは公開しました。この復号ツールの使用方法や復号可能なファイルの条件などの制限事項については以下のダウンロードページを参照してください。

法人向けダウンロードURL:http://esupport.trendmicro.com/solution/ja-JP/1114224.aspx

個人向けダウンロードURL:https://esupport.trendmicro.com/support/vb/solution/ja-jp/1114210.aspx

また、トレンドマイクロでは、ランサムウェアの被害に遭われている法人・個人を対象に無料相談窓口も開設していますので、お困りの方は一度ご相談ください。

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

別名「Crypt0Shad0w」として知られるこのランサムウェアは、オンライン上で一般公開されたランサムウェアのコード「Hidden Tear」を元に作成されています。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 229,376 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年10月9日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • C:\Users\{UserName}\table.exe

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • {malware directory}\ticket.pdf

マルウェアは、身代金を要求する手紙として、テキストファイルを作成します。このテキストファイルは以下の内容を含んでいます。

  • "Files has been encrypted with Crypt0Shad0w
    Send some bitcoins or kebab
    And I also hate night clubs, desserts, being drunk."

マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成したマルウェア)を終了し、侵入したコンピュータ内で作成した自身のコピーの方を実行します。

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • C:\Users\{UserName}\Desktop\CRYPT0_SHAD0W.txt-serves as ransom note
  • C:\Users\{UserName}\PRIVATE_PASSWORD_INCOMPLETE.txt-Save the generated random password(deleted after used)
  • {malware directory}\adobe.txt
    • The file contains the following strings:
    {ComputerName}-{UserName} {generated random Password}

その他

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • .txt
  • .doc
  • .docx
  • .xls
  • .xlsx
  • .ppt
  • .pptx
  • .odt
  • .jpg
  • .png
  • .csv
  • .sql
  • .mdb
  • .sln
  • .php
  • .asp
  • .aspx
  • .html
  • .xml
  • .psd

マルウェアは、以下のファイル名を使用し、暗号化されたファイルを改称します。

  • {filename}.locked

マルウェアは、身代金を要求する手紙として、テキストファイルを作成します。このテキストファイルは以下の内容を含んでいます。

  • “ファイルは、「Crypt0Shad0w」により暗号化されました。
    ビットコインまたはケバブを送信してください。
    また、私は、ナイトクラブ、デザートおよび酔っ払うことが嫌いです。”

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状として機能します。

  • C:\Users\{UserName}\Desktop\CRYPT0_SHAD0W.txt

マルウェアが作成する以下のファイルは、生成されたランダムなパスワードを保存し、後で削除されます。

  • C:\Users\{UserName}\PRIVATE_PASSWORD_INCOMPLETE.txt

マルウェアが作成する以下のファイルは、文字列<コンピュータ名>-<ユーザ名><生成されたパスワード>を含みます。

  • {malware directory}\adobe.txt

マルウェアは、以下のフォルダおよびそのサブフォルダ内のファイルを暗号化します。

  • C:\Users\{UserName}\Desktop


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.828.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年10月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.829.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年10月11日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

メモリ上で実行されているプロセスを終了します。

[ 詳細 ]

註:検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
  • ticket.pdf

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • C:\Users\{UserName}\Desktop\CRYPT0_SHAD0W.txt
  • {malware directory}\adobe.txt
  • C:\Users\{UserName}\PRIVATE_PASSWORD_INCOMPLETE.txt

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_HIDDENTEARSHADOW.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

■ ランサムウェアファイル復号ツール公開

ランサムウェアの脅威が世界的に深刻になっている状況を受けて、ランサムウェアによって暗号化されたファイルの復号ツールをトレンドマイクロは公開しました。この復号ツールの使用方法や復号可能なファイルの条件などの制限事項については以下のダウンロードページを参照してください。

法人向けダウンロードURL:http://esupport.trendmicro.com/solution/ja-JP/1114224.aspx
個人向けダウンロードURL:https://esupport.trendmicro.com/support/vb/solution/ja-jp/1114210.aspx

また、トレンドマイクロでは、ランサムウェアの被害に遭われている法人・個人を対象に無料相談窓口も開設していますので、お困りの方は一度ご相談ください。


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