Trend Micro Security

BKDR_RARSTONE.A

2013年2月26日
 解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、プロセスの挿入およびBLOBファイルの利用のように「PlugX」の手法と類似した手法を用います。マルウェアは、自身のコマンド&コントロール(C&C)サーバ内にあるバックドアのファイルを直接読み込みます。これにより、ファイルがダウンロードされないため、バックドアのコードをファイルベースで検出することが不可能となります。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 51,200 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年2月25日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動, システム情報の収集, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_ARTIEF.NTZ

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\ymsgr_tray.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\profile.dat - blob file containing malware routines

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • iexplore.exe

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • iexplore.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Yahoo! = ""%System%\ymsgr_tray.exe" -local"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Get computer name and name of current user
  • Retrieve list of local groups where the current user belongs.
  • Create autorun registry entries
  • Enumerate files and directories
  • Get drive information
  • Upload files
  • Download files
  • Execute files
  • Download plugin and load into memory
  • Enumerate processes
  • Enumerate process modules
  • Get process information
  • Terminate processes
  • Get installer properties from Uninstall Registry Key entries
  • Manage files and directories (create, delete, modify, rename, search)
  • Manage registries (create, delete, modify, search, view)
  • Manage services (install, modify, search, start, stop, uninstall, view)
  • Get service information
  • Manage windows
  • Perform remote shell
  • Restart system
  • Remove self from system
  • Update self and configuration
  • Enumerate TCP and UDP connection states

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}805.{BLOCKED}y.net

その他

マルウェアが作成する以下のファイルは、マルウェアの不正活動を含むBLOBファイルです。

  • %Application Data%\profile.dat

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • コンピュータ名およびカレントユーザ名の取得
  • カレントユーザが所属しているローカルグループのリストの収集
  • 自動実行レジストリ値の作成
  • ファイルおよびディレクトリの列挙
  • ドライブ情報の取得
  • ファイルのアップロード
  • ファイルのダウンロード
  • ファイルの実行
  • プラグインのダウンロードおよびメモリへのロード
  • プロセスの列挙
  • プロセスモジュールの列挙
  • プロセス情報の取得
  • プロセスの終了
  • レジストリ「Uninstall」の値からInstaller プロパティの取得
  • ファイルおよびディレクトリの管理(作成、削除、変更、改称、検索)
  • レジストリの管理(作成、削除、変更、検索、表示)
  • サービス情報の取得
  • ウィンドウの管理
  • リモートシェルの実行
  • コンピュータの再起動
  • コンピュータからの自身の削除
  • 自身および環境設定の更新
  • TCPおよびUDPの接続状況の列挙

マルウェアは、自身の不正活動の実行のために、以下のコマンドラインのパラメータを必要とします。

  • -<いずれかの文字列>cal


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.754.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年2月26日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.757.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年2月27日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_RARSTONE.A」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Yahoo! = ""%System%\ymsgr_tray.exe" -local"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\profile.dat

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_RARSTONE.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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